リハーサル #4終了などなど
こんばんは!寒すぎて冬眠したい中の人です。
最近、風邪やインフルエンザが流行っているようで、僕の周りでもダウンした方がチラホラと見受けられました。
2017年も残り半月。ご自愛しつつ頑張りましょう!
さて、昨日はリハーサル#4が行われました。今年最後であり、全7回(予定)の折り返しでもあります。
前半はラフマニノフの2,3楽章。今回は打楽器が多めに入り、特に3楽章は派手になりました。
中の人は先週にゲルギエフ指揮の演奏を聴いているので、余計にそう感じたのかも知れません。
メモ・フローラのセットを含む、打楽器群。これで未だ半分もなく、手前にはティンパニやバスドラムなど、大物が控えています。
今回は中低弦が多くいた事もあり、厚みがありました。
そしてお待ちかね!市川未来さんが来られて、ピアノ協奏曲”メモ・フローラ”のソリスト入り合わせでした。
ピアノ協奏曲と言えばベートーヴェン5番に代表されるような豪胆なものや、グリーグのような厳しい大自然を思わせるもの、はたまたピアノ技巧のみに傾倒するものなどありますが、それらとは一線を画す、非常に秀麗で清廉な曲。
もちろん技術的には相当なものを要求されるものの、あからさまにピアニズムを見せつけるようなシーンはなく、シェーンベルクのピアノ協奏曲に要素としては近いかも知れません。(あちらは12音技法による筆致ですが・・・)
オーケストラと対峙・対決するのではなく、ソリストの独擅場ばかりでもない、強調ではなく"協調"という単語がこれほど合う協奏曲も珍しいのではないでしょうか。
ヒーリングやアンビエントと揶揄されるような曲調ではあるのですが、随所にギミックが細かく仕組まれていて、演奏は今回の3曲の中では最も繊細なバランス感覚が必要。弦楽器の1人だけで動いたりするなど、むしろ室内楽の趣も強いです。
しかしそこは室内楽を得意とする市川さん。的確なタッチと透明度の高い音色で、オーケストラと音を紡ぎ出します。
粗暴な印象は一切なく、かと言って軟弱でもない、絶妙なバランスの下で鳴らされるピアノ音は白眉。特に弱音の単音は非常に美しく、開幕のヴィオラの上をピアノが鳴らされた瞬間は背筋が震えました。
そして久津那さんは言わずもがな、他の弦楽器のtopもアマチュアとは言え、やはり近代や大編成の演奏経験もある百戦錬磨のプレイヤー。ソリストの意図や指揮者の松永さんの意図を汲み、演奏で呈示していきます。
2楽章中間、久津那さんとの2人だけで奏されるシーン。ココだけはヴァイオリンソナタのような筆致ですが、お互いに押さえるべき箇所を解かっているような合奏を披露。
1楽章、弦楽器の各topまたは1pultだけで演奏される箇所を合奏中。
譜めくりの方の視点から。遠目ではシンプルそうに見えますが、その実、何とも言い難い譜面。中の人もソロ譜面は見ましたが、曲と譜面との剥離が凄いです。
やはりソロが入るとイメージが固まるようで、(まだ目標に程遠いとはいえ)前回とは比にならないレベルでオーケストラが鳴っていたと思います。また、指揮者やコンミス、ソリストのみならず、オケ側からも意見や考えが飛び出すなど、受け身にならないで練習できたのは良い傾向。
残りも少なくピッチやテンポなど課題は多いですが、4者間で情報や意図を共有しながら、完成まで調整していきたいですね。
演奏しながら思いましたが、何故これ程の美しい曲が殆ど知られていないのか、本当に不思議です。
もちろん、前述したヒーリングのような趣のために聴き流されてしまうきらいもあるかも知れませんが、ソナタ形式とか旋法などの音楽理論に囚われず、特にゲンダイオンガクと聞くだけで耳を背けてしまう方にこそ聴いて頂きたい曲です。
そして、対談の編集がやっと終わりました!
写真配置や段落等を見直し、明日の昼にアップ予定!
前後半に分けるロング対談となりましたが、ソリストの人となりを知り、よりdiversEnsemble を楽しめる事請け合いです。是非お読みください。
(色調や文字数の関係上、当Webではなくameblo.jpにて公開予定です。)