『W旦那+(プラス)』第96話 三代目妄想劇場
2017.12.19 23:00
「おみっ…」
隆二が臣の顔を両手で持ち、何も言わず口づけをする。
臣はびっくりして目を見開いたが、すぐに長い睫毛(まつげ)を伏せ思った。
(やべ……おれ今、幸せだ…)
ベッドの足元に立つSWAYはポリポリと頭を掻いた。
(えっと…これは…どう解釈すれば…)
長いキスを終えて、臣は隆二を抱きしめ、
やっと後ろにいるSWAYに気づいた。
臣「え?なんで?SWAY…」
SWAY「よっ!」
困ったような笑顔を見せて、SWAYが小さく手を上げた。
隆二は臣に抱きついたまま離れない。
臣は言葉に出さず、わりぃ…とジェスチャーした。
オケ…とSWAYが返し、そっとゲストルームを出ていった。
SWAYはリビングのソファーに座り思う。
(随分前に噂はあったけど…やっぱ付き合ってんのかな?あの二人…)
キッチンを見ると、まったく違う次元にいるような平和な顔をして、剛典がコーヒーを入れている。
「SWAYくん…どしたの?」
「がんちゃんこそ…」
SWAY(あ…余計なこと言っちゃいけないんだ)
SWAYが口に手を当てた。
SWAY「ん、ちょっとね」
剛典「あ、そう」
剛典「コーヒー飲む?」
SWAY「いただこうかな」
剛典「オケ」
SWAYはゲストルームの方を見て、
(あの様子じゃ、しばらく出てこないだろうし…)
「どーぞ」とリビングのテーブルにコーヒーを置き、剛典は向かいに腰掛けた。
SWAY「サンキュ」
剛典「あれ?二人は部屋?」
SWAY「うん、ちょっとね。そっとしといてやって」
「?」という顔をして、剛典が首をかしげた。
End