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ミステリ棚と村上春樹作品棚の紹介

2022.05.01 15:45


 毎度、夜分に恐れ入ります。

 5月に入りましたね。連休中の方も連休なんて関係ないぜって方も、無理のないペースで、頑張りすぎない程度で、楽しいことをちゃんと楽しんで参りましょう。

 今回も、ポラン堂古書店の棚紹介のコーナーを致します。

 というか前回はただ自分の愛を語るだけのものでしたので、今回から店の宣伝になるような気持ちで紹介したいと思います。どうぞお付き合いくださいませ。


 前回のあらすじです。

 カラックスが増えてたことにより棚が倍増致しました、ポラン堂古書店。マニアックなコーナーを作ってにこにこしたい半面、お客様の気持ちをひきつけることも忘れてはならない。そんな意気込みで先生(ポラン堂店主)とサポーター勢は頭を振り絞ったわけでした。

 本日は2つの棚をご紹介致します。


1.ポラン堂選!! ミステリーのコーナー

 入口にミステリーコーナーを完備。

 人が死ぬミステリーから人が死なないミステリーまで、この雑多な感じが楽しいですね。入口ですので、お客様の興味を引きたい意味もあって有名作が揃っています。

 サポーターの友人はこの棚を作りながら、「駄目だ、女性に寄りすぎている」と言って在庫から本をさらに増やしていました。彼女は何を見て、何を増やしたのでしょうか。

 

 実は、というか、これが私が読書家などと名乗れない由縁ですけども、この中で4冊しか読んだことがありません。『屍人荘の殺人』は映画で観ましたし、『氷菓』もアニメですし。

 少ないですけども、それでも、ミステリーは先生からのおすすめで読むものが多いです。展開のネタバレができない分、ミステリーは面白いものを知っている人が、面白い!と言ってくれるのが一番きっかけになる気がします。

 『硝子のハンマー』なんて、私にとってその代表格です。前編と後編で、視点が探偵役から犯人に変わるのですが、その展開や思考の重なり方がもう痺れます。「伏線回収」なんて言葉はまだ生ぬるい。そうでなくてはならないという厚みがあるのです。

 

 ちなみに、これは一生得意げにできるのですが、『ハサミ男』は先生より私のほうが早かったのです。へへっ、です。文章力によって読者をひきつけていく、主人公の人物性が凄まじい名作です。




2.西宮育ち阪神間の作家、村上春樹氏のコーナー

 春樹は短編が良いよ、と先生に勧められて「蛍」を読んだ日がつい昨日のことのようです(「蛍」の載った短編集は、いま在庫切れでございます)。「パン屋再襲撃」(いま写真には無いです)とか、「蜂蜜パイ」(写真にある『神の子供たちはみな踊る』収録作)など、先生をきっかけに読んだものが多い作家さんの一人です。

 村上春樹氏というといろんなかたちに熱量を持った読者さんが多いと思うのですが、先生の感じがちょうど私の肌にあっていたというか。棚の様子を見てもらっても、各々ちょうど良い距離感で楽しんでもらえるんじゃないかと思います。

 翻訳ものの有名作がわりと揃っているのが面白いです。実は『キャッチャー・イン・ザ・ライ』をあらゆるところでお譲りいただく機会があったらしく、別の棚と在庫棚といろんなところにおいてあります。有名作ですし、当たり前ですけど村上春樹もサリンジャーも味わえるお得な一冊です。未読の方はぜひポラン堂古書店からどうぞ。

 写真を見ながら、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の単行本と文庫が『ウィスキー』を挟んでいるところに一人くすくす笑ってしまいます。長いタイトルのわりに『多崎つくる』や『多崎』と省略されて、村上春樹のなかでは最近の作品でありつつも有名作の一つになっている作品ですよね。Twitterさんの中でも好きな本として挙げていらっしゃる方をよく見かけます。タイトルにあるようにストーリーの筋道がわかりやすいところ、あと名古屋が舞台とか大学時代の仲間とか、なかなか親しみやすいところなどおすすめしやすく、その人気も頷けます。私としては、最終章に描かれる新宿駅の朝の通勤ラッシュがとても印象的で、その描写の村上氏らしくなさと村上氏らしさが、不思議な感動をもって記憶に残っています。


 ということで、今回は入口にある有名作寄りの棚を紹介致しました。

 まだまだあります。次回以降にご期待くださいませ。

 そしてまた日付を越えてしまいましたことお許しくださいませ。