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「宇田川源流」【GW特別編集 第三次世界大戦突入か?】 ロシアの主張する「ネオナチ」とは何か?

2022.05.03 22:00

「宇田川源流」【GW特別編集 第三次世界大戦突入か?】 ロシアの主張する「ネオナチ」とは何か?


 ウクライナとロシアの関係を見てきた。一応簡単に今回は、これらの関係を踏まえてなぜロシアはウクライナに攻め込んだの化ということを見てゆき、その後、そのことによって世界情勢がどう変わったのか、そしてその変わった先にあるのが第三次世界大戦なのかということを見てゆきたいと思う。このような機械でないとなかなかいうことがないので、あえて言っておくと、基本的には「政治」というのは「継続性」である。歴史があり、その歴史に従って現在の政治を行うということになる。要するに、数年前なども含めて、歴史を無視して政治を行うことはできない。それは、民主主義であればなおさらのことで、それだけ歴史や古いことなどにこだわる人が多ければ、なおさらそのような感じになるのである。当然に、そのような古い、なおかつ歴史にこだわった内容が基本的に国家のプライドなどにかかわることになり、そしてそれが国民のアイデンティティを作ることになるので、そのような感じになってゆくということになるのである。

 ちなみに「経済」は「関係性」である。政治が時間軸を中心にした縦軸であるということになると、経済は、あまり歴史などの時間軸とは関係なく、横軸、つまり国際的な関係性によって成立することになる。もちろん、経済にも歴史や開発の経緯など様々なことはあるが、しかし、歴史があるから取引をしないなどの事は基本的には存在しない。技術や取引内容は基本的には国境を超えるし、人が欲しいと思う心は、歴史や民族などを越えて、そのまま関係性を保って存在することになるのである。

 さて、もう一度話を戻すが、政治は「継続性」である。政権が変わろうと、国家が変わらない限り、同じ国境線という意味では革命が起きて政治体制が完全に変わらない限り、海外との条約は生き続け、その条約に拘束されて、国家として存在し、その国家の政治を行わなければならないということになるのである。

 さて、ウクライナの場合は、当然に1991年8月に旧ソ連の崩壊よりも前に、独自にウクライナは独立しているのである。つまり、ウクライナは自らの意思で独立したということになるのだ。そして、そのことを旧ソ連(当時はゴルバチョフ書記長であり、様々な意味で、国内は混乱していたのだが)は承認しているということになります。ロシアは、その旧ソ連の国際的な地位を引き継いでいるということになりますから、当然に、ウクライナを独立国として認め主権国家として存在するということで考えられます。そしてそれは、ゴルバチョフ書記長がいなくなり、エリツィン大統領、そしてプーチン大統領(その後もメドベージェフなど間が挟まりますが)、というようにその条約と国家としての関係は「継続性」をもって行われるということになります。

 しかし、同様の継続性ということに立って言えば、ウクライナ自身も、独立後、ヤヌコビッチ大統領の時代までロシアに依存して存在していたということは、否めない事実です。そして、その人々は当然にロシアの政治的なことを含む介入まで許していたということになります。現在のベラルーシのような感じであったということになるのではないでしょうか。

 それは2014年のユーロマイダン運動によって、ロシアとの関係、そしてその対立軸にあるNATOとの関係を見直すということになります。当然にその後臨時政府を作ったボロシェンコ氏(大統領といってよいかどうかは難しいところ)などの腐敗的なEU寄りの政治などを見、そして今度は、キプチャク・ハン国に占領されたときからいるイスラム教徒や、レーニン・スターリンが旧ソ連の時に「ロシア化」を推奨してイスラム教徒など(タタール人)が移住させられ、ロシア系住民が移住してきたウクライナ東部をどのようにするのかということを全く考えない政治ということになってくるのではないかということになります。

 要するに、私の考え方ではロシアのプーチン大統領も、また、2014年以降のウクライナも、双方が「継続性」を無視した政治を取ってしまったことから、このような状況になったのではないかという気がするのです。

 当然に、ロシアなどが主張している「東部にある二つの共和国の独立」や「ロシア系住民の虐殺」ということもあるでしょうし、一方で、ウクライナが主張するロシアによる国際法違反は明らかであるということになります。そもそも「独立を承認」といっても、その独立はどのような国際法上の権利に基づいて行われ、なおかつ、独立そのものを承認する手続きもどのように行われたのか全く不明ということになるのです。

 さて、本来はこのような歴史的な内容を加味したうえで、様々な事象を考え合わせるということになるのでしょう。しかし、そのようなことは全くしないということになります。なぜならば、ロシア側の国際法違反が明らかであるということになるからです。

 このように考えた場合、ロシアはロシアの事情がありその事情を全く加味されていないというような感覚になるでしょうし、また、ウクライナなどは、国際法違反をどうして誰も非難しないのかということになるでしょう。そのようにしている間にもロシア軍は進行してくるということになります。

 あえて付け加えれば、ロシアは正式にウクライナに対して宣戦布告をしていないということになります。

 蛇足的な、私個人の推測ですが、5月9日はロシア(旧ソ連)の対ドイツ戦争戦勝記念日になります、その時にロシアは「21世紀のネオナチズム勢力の撲滅」ということを宣言し、ちょうどアメリカにおける「テロとの戦い」のような戦争へ突入することになるのではないでしょうか。これはあくまでも個人的な予想でしかありません。

 さて、ここで考えなければならないのは、「プーチン大統領の言うネオナチズム」とはいったい何なのかということになります。そもそも「ナチスドイツ」という言葉がかなり様々な意味で拡大解釈され、なおかつ、その内容が見えにくくなっているのではないかという気がしないでもなりません。

 ここで、私なりの定義を出しておくと「独裁者と国家社会主義」という組み合わせによる政治体制で、なおかつその内容は、独裁者的な考え方から国内の反対勢力を全て排除する仕組みになっているのです。このように考えれば、当然に「社会主義」ですから、ロシアや中国の方が当然に、ナチスに近い政権になっています。しかし、そのような政治体制を言って、プーチンが自らを否定するはずがないのです。

 そのように考えた場合、プーチンが主張している「ネオナチ」は、当然に、「独裁者と国家社会主義」という枠組みによる政治体制を言っているのではないということになります。ではプーチン大統領の主張する「ネオナチ」とはいったい何なのでしょうか。

 それは「ロシア国民に対する虐殺と人種差別を行う主体」ということでしかないのではないかと思われます。中国の軍事博物館に行くと「打倒美帝国主義」ということが書いてあります。「美国」とは「アメリカ」のことですから、アメリカが帝国主義であるということを主張しているのです。私などからすれば、共産党という組織による独裁で言論を制限しているのですから、中国の方たよほど帝国主義、封建主義にある独裁制に近いという気がしないでもないのですが、そこは「帝国主義」という言葉の定義が全く異なるということになるので仕方がないだけではなく、もともと共産主義が唯物史観をとなえ、そのうえで、心因的または歴史的な内容を主張して共産主義を制限する人々を「独裁者」というように名付けているのですから、共産党党員的にも「アメリカを打倒」というよりは「帝国主義を打倒」として、共産主義革命を広げるとした方が通りが良いということになるのです。

 つまりこれらの言葉の定義は「国内政治的な意味合いが強くあり、その意味合いに従って定義づけられている」ということになりますから、日本人が日本語の語感でその意味を考えても全く当たらないということになるのです。

 さて、では「ネオナチ」とは、極端に言えば「ロシアにとって都合の悪い人々」ということになります。そのために、プーチン大統領にとってNATOもアメリカも、そしてウクライナも「ネオナチ」とその仲間たちということになるのです。

 当然に、今回のウクライナ侵攻においてロシアに対する経済制裁に参加した40カ国や、ウクライナに支援した国々はすべて「ネオナチ」に仲間入りするという感じではないかと考えられます。そのことは、日本やイギリス、バルト三国、アメリカなどの外交官をロシア国内から追放したことなどからも明らかではないかと考えられるのです。外交官の追放というのは、まさに「戦争状態」であるということになります。あのフォークランド紛争の時もイギリスはイギリス国内のアルゼンチン大使館を閉鎖せずその大使館を使って外交交渉をしていたのですから、ネットの社会になって、その辺の外交のやり方は大きく変わってきたということになるのではないかという気がするのです。

 このように考えると「ロシアのウクライナ侵攻」にかんしては、ウクライナ東部のロシア系住民が住んでいるところに関しては、様々な意味で歴史的に複雑な要因があるということになりますから、まだ理解できます。しかし、ロシアがキエフまで攻撃した理由や、また、原子力発電所を占領した理由などは全くコク作法に違反しているということになります。ロシアそのものも、その辺の区別がつかなくなっているのではないかという気がするのです。

 そのうえで、民間人の虐殺です。

この件については明日感がてえ見ましょう。