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明治大帝『教育勅語(現代語訳)』と「十二の徳目」

2022.05.05 03:10

【日本・教育報道】 五月五日は「こどもの日」。明治天皇(壬子)は、明治二十三年十月三十日に『教育勅語』を渙発なされた。子どもへは“徳育”の振興が最も大切であり、我が国の教育方針を明らかにする為。人類史上、「大帝」と呼ばれる君主は、二十人程度しか存在しない。日本では唯一、明治天皇のみ。


明治神宮では、教育勅語の現代語訳を配布。「勅語には、日本人が祖先から受け継いできた豊かな感性と美徳が表され、人が生きていくべき上で心掛けるべき徳目が簡潔に述べられていましたが、戦後に教育勅語が排除された結果、我が国の倫理道徳観は著しく低下し、極端な個人主義が横溢(オウイツ)し、教育現場は固(モト)より、地域社会、家庭においても深刻な問題が多発しています。」と危機感を募らせている。


子どもの様な大人が、多く社会に浸透している根本的な原因である。


<明治天皇のお言葉>

 国民の皆さん、私達の祖先は国を建て初めた時から、道義道徳を大切にするという大きな理想を掲げてきました。そして全国民が、国家と家庭の為に心を合わせて力を尽くし、今日に至るまで美事な成果を挙げてくる事ができたのは、我が日本の優れた国柄のお陰であり、また我が国の教育の基づく所も、ここに在るのだと思い ます。


国民の皆さん、あなたを生み育てて下さった両親に「お父さんお母さん、有難う」と感謝しましょう。兄弟のいる人は「一緒にしっかりやろうよ」と仲良く励まし合いましょう。縁あって結ばれた夫婦は「二人で助け合っていこう」と何時までも協力し合いましょう。学校等で交わりをもつ友達とは「お互い、分かってるよね」と信じ合える様になりましょう。


また、もし間違った事を言ったり行った時は、直ぐ「ご免なさい、よく考えてみます」と自ら反省して、謙虚にやり直しましょう。どんな事でも自分一人ではできないのですから、いつも思い遣りの心をもって「皆に優しくします」と博愛の輪を広げましょう。誰でも自分の能力と人格を高める為に学業や鍛錬をするのですから、「進んで勉強し努力します」という意気込みで知徳を磨きましょう。


更に、一人前の実力を養ったら、それを活かせる職業に就き、「喜んでお手伝いします」という気持ちで=世の為人の為働きましょう。


普段は国家の秩序を保つ為に必要な憲法や法律を尊重し、「約束は必ず守ります」と心に誓って、ルールに従いましょう。もし国家の平和と国民の安全が危機に陥る様な非常事態に直面したら、愛する祖国や同胞を守る為に、それぞれの立場で「勇気を出して頑張ります」と覚悟を決め、力を尽くしま しょう。



今述べたような事は、善良な日本国民として不可欠の心得であると共に、その実践に努めるならば、皆さんの祖先達が昔から守り伝えてきた日本的な美徳を継承する事にもなりましょう。


この様な日本人の歩むべき道は、我が皇室の祖先達が守り伝えてきた教訓とも同じなのです。斯様(カヨウ)な皇室にとっても国民にとっても「良いもの」は、日本の伝統ですから、何時までも「大事にしていきます」と心掛けて守り通しましょう。


この伝統的な人の道は、昔も今も変わる事の無い、また海外でも十分通用する普遍的な真理に他なりません。


そこで、私自身も国民の皆さんと一緒に、これらの教えを一生大事に守って高い徳性を保ち続ける為、ここで皆さんに「先ず、自分でやってみます」と明言する事により、その実践に努めて手本を示したいと思います。

睦仁


教育勅語「十二の徳目」

  1. 孝行;親に孝養をつくしましょう
  2. 友愛;兄弟・姉妹は仲良くしましょう
  3. 夫婦ノ和;夫婦はいつも仲むつまじくしましょう
  4. 朋友ノ信;友達はお互いに信じあって付き合いましょう
  5. 謙遜;自分の言動を慎みましょう
  6. 博愛;広く全ての人に愛の手を差し伸べましょう
  7. 修学習業;勉学に励み、職業を身に付けましょう
  8. 智能啓発;知識を養い、才能を伸ばしましょう
  9. 徳器成就;人格の向上に努めましょう
  10. 公益世務;広く世の人々や社会の為になる仕事に励みましょう
  11. 遵法;法律や規則を守り、社会の秩序に従いましょう
  12. 義勇;正しい勇気をもって国の為、真心を尽くしましょう

 世界が植民地時代であった頃、明治天皇の時代の皇帝は以下の六名。括弧内は干支、在位期間と王朝名(家名)。

  1. 大日本帝国:明治大帝(一八六七~一九一二、神武朝)
  2. 大英帝国:ヴィクトリア女王(己卯、一八三七~一九〇一、ハノーヴァー朝)
  3. ハプスブルク帝国(オーストリア帝国、オーストリア=ハンガリー帝国):フランツ・ヨーゼフ一世(庚寅、一八四八~一九一六、ハプスブルク=ロートリンゲン家)
  4. ドイツ帝国:ヴィルヘルム二世(己未、一八八八~一九一八、ホーエンツォレルン家)
  5. ロシア帝国:ニコライ二世(戊辰、一八九四~一九一七、ロマノフ朝)
  6. 大清帝国:西太后(乙未、一八六一~一九〇八、ヌルハチ家)、皇帝ではなく「同治帝」と「光緒帝」の実権者

画像:明治天皇の御治世/明治神宮

修飾:FPhime