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ウェブサイトを立てる前に考るべき「ブランド・アイデンティティ」

2019.05.18 03:00

個人経営のお店の開業や任意団体の結成のためウェブサイトを開設しようとしている皆さんへ。ウェブサイト・名刺・封筒・チラシ・店舗内装など様々な「顧客接点」のすべてで統一感のあるデザインを行うと、顧客に強い印象を与え、高い宣伝効果を発揮するようになります。しかし依頼するあなたが「どのようなイメージで統一するか」を決めて業者に指示しなければ、統一感は生まれません。

この「どのようなイメージで統一するか」という方針、より正確には「顧客にイメージして欲しい自分達の姿はなにか」を定める基本方針のことを「ブランド・アイデンティティ」と呼びます。顧客に強い印象を与えたいならば、ウェブサイトを立てる前に「ブランド・アイデンティティ」を考てておく必要があります。

とはいえ、大企業が行なっているような広範囲な顧客接点をカバーする精密なブランド・アイデンティティの構築を素人が行うのは困難です。本記事では最低限の決め事としてのブランド・アイデンティティを解説します。

最低限決めておくべきこと一覧

コンセプト編

  1. 100文字の団体紹介文
  2. 団体名称とキャッチフレーズ
  3. ウェブサイトのURL

ビジュアル編

  1. ブランドカラー
  2. ブランドロゴマーク
  3. ブランドロゴフォント

100文字の団体紹介文

団体紹介文とは、団体の結成目的、主たる事業、理念や価値観、等を簡潔に示したものです。

なぜ100文字なのかというと、140文字以内の文章はtwitterで拡散しやすいからです。ホームページURLに20文字使い、ハッシュタグ用に20文字を見込んで、残り100文字が団体紹介文に使える文字数となります。

団体紹介文はもっとも難しく、且つ、業者任せにできない部分です。自分達は何者なのかを再確認するため、100文字紹介文を書く前にまず以下の問いを自問してみてください。

7つの自問

団体名称とキャッチフレーズ

キャッチフレーズとは、団体の結成目的、主たる事業、理念や価値観、等を団体紹介文よりもさらに短く20文字程度で簡潔に示したものです。

団体名称は地名や創業者名にちなむことが多く、それだけでは団体の理念や主たる事業を連想する事が困難であることから、団体名とキャッチフレーズをワンセットで使用することでこれを補います。

キャッチフレーズについて、大企業はキャッチフレーズで自社の理念や価値観を表現することが多いですが、それはすでに企業としての充分な知名度があるからです。大企業でない私達はキャッチフレーズで「主たる事業(活動)」を表現すべきです。 

団体名称について、もしも団体名称が極端に長い時は「公式略称」も必要です。また、外国人の参加を想定している場合は「公式英語表記」も必要です。

WebサイトのURLアドレス

WebサイトのURLアドレスは、第二の団体名称と言えるほど重要です。可能な限り短く覚えやすく、かつ団体名称を連想しやすいURLアドレスを慎重に選んでください。

短く覚えやすいURLを実現するには、団体独自のドメインを取得することが理想です。

ドメイン(領地)とは、本来は数字だけで表現されるインターネット上の住所を、土地に例えて表現したものです。たとえばソニー公式ウェブサイトのURL「http://www.sony.jp/」のうち「www」はサーバーの名前であってドメイン(領地)ではありませんが、「sony」はソニーという企業の占有するドメイン(領地)、「jp」は日本国のドメイン(領土)というイメージで命名されたものです。またたとえばカシオ計算機公式ウェブサイトのURL「https://casio.jp/」は、ドメイン(領土)上にサーバーは1つしかないとみなしてwwwを省略しています。団体のドメインは登録制です。所定の登録料(レンタル料)を払い、且つ未使用の文字列であれば、ドメイン名を自由に設定して独占的に使用できます。

無料レンタルサーバー上でWebサイトを運営する場合、団体のドメインは運営会社のドメイン(領地)を細分化したサブドメインとして表現されます。たとえばJimdoの無料プランで運営されるウェブサイトは「https://(団体のドメイン).jimdo.com/」というURLになります。このようなURLは、サブドメインと主ドメインの両方を覚えなければならず、独自ドメインに比べURLの覚えやすさが一段劣ります。

独自ドメインを使わない場合であっても、可能な限り短く覚えやすく、かつ団体名称を連想しやすいURLアドレスを慎重に選んでください。

ブランドカラー

ブランドカラーはWebサイト、名刺、チラシなどの印刷物/電子配布物に統一的に使用する基調色となるものです。

基調色を決めておくことで簡単にプロっぽい見た目のデザインが可能になります。念のためサブカラーも決めておくと良いでしょう。ブランドカラーが濃色なら同色相の淡色をサブカラーにすると見栄えが良くなります。

ブランドカラーは「CSS3で色名称の定義された147色」から選ぶことをおすすめします。公的な色名称で色を指定すれば、発注する側も受注するウェブデザイン業者側も話を進めやすくなります。
[参考] 原色大辞典 https://www.colordic.org/

ブランドロゴマーク

映像は文字よりも鮮烈に印象に残ります。お店や団体の認知度を高めるためにブランドロゴマークは重要です。

ブランドロゴマークのデザインは自由ですが、ブランドロゴマークの基調色はブランドカラーをそのまま採用します。

ブランドロゴマークについては、FacebookやTwitterのアイコンで使われることも想定しておく必要があります。2019年現在、FacebookやTwitterでは丸型のアイコンを採用しています。したがって、ブランドロゴマークをデザインする際には、丸型の派生的ロゴマークも一緒にデザインしておくことをおすすめします。

ブランドフォント

名刺や封筒に社名や住所を印刷する際に用いるフォントも決めておきましょう。フォントにも個性があり、フォントを統一する事でブランドイメージの醸成に役立ちます。たとえば米国Apple社はカタログにApple Garamondという非常に気品のあるフォントを使い続けていました。大企業でない私達はパソコンに最初からインストールされているものの中から選べば良いでしょう。

MacもWindowsも、OSに標準搭載されているフォントは、そのOS上で印刷物および電子的配布物を作成する用途であれば商用利用可能です。つまり名刺やチラシにそのフォントを使えます。

やや難解なのが「プリインストールされたアプリケーションに付属するフォント」です。商用利用可能かどうかはアプリケーション開発元とフォント開発元との契約によって決まりますが、いちいち確認するのが非常に面倒です。確実に商用利用可能と言えるのは以下のフォントです。

Windows: 

Mac: 


本記事では最低限の決め事としてのブランド・アイデンティティを解説しました。団体紹介文は特に重要です。これを書けないということは、自分で自分のつくった団体を理解していないということであり、他人に自分の団体を紹介できないということです。充分時間をかけて作成してください。