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WUNDERKAMMER

とある風習と儀式

2017.12.20 07:43

私の地域での風習。

一般的な厄年は氏神様のところで払ってもらい、それと別の日にやる厄年みたいなのがあるのですが、

米を落としながら、近くの関連する社に行き(人によって違う)、社を清めて夜を過ごすというものです。

意味合いとしては、成長するに従って身体のけがれが増えるので、

(このけがれは、悪いものがつくとか罪で汚れるではなく、心が空になるとかいう意味)

それを満たしてもらい、次の成長に備えるみたいな感じで、怖い感じのものではありません。


儀式の最中はいろいろと制約があり、特徴的なのは、

米を点々と落としながらお社に向かう途中、

ぜったいに振り向いてはいけない、話してはならない、日が沈む前にお社へ着かなければならない、です。

他にも色々とあるのですが、自分はあまり信心深いほうではないので、

地域の人が用意してくれてるところだけ(儀式をやったかどうかバレるところだけ)ちゃんとやろうと思って、こっそりメモを持って行きました。


夕方、米をもって、塩を口に含んでから家を出るのですが、

晴天で綺麗な夕焼け小焼けだなぁと思ったときすでに、

雷のような音というか、地響きのようなものがゴロゴロ鳴っていました。

どこかで通り雨かなと思って気にせずに進んでいると、

いろいろと不可抗力な知り合いとの出会いとかで、さっそく儀式通りにはいきませんでした。


米だけはちゃんと適当に落して、振り向かずに歩いていたのですが、

突然耳元でパン!パン!パン!と手を叩く音がしました。

あれ、儀式の盛り上げ役(?)かなと、

誰かかついて来てるなら、さっそく制約破ったのバレたと思いつつ、(誰もついてこない話でしたが)

先を急いでいると、やっぱり耳元でパンパン手を叩く音がして、横を向くのですがなにもない。

後ろを振り向いてみたのですが、道下の遠くの田んぼで近所の子供が遊んでいるだけ。

山間なので、隠れるとこはあるとはいえ、音の方向くらいだいたいわかるし、(響いてしまうとわからないけど)

山を誰かついていたら藪の音でわかるし、

まだ明るかったので恐くはありませんが、気分的にやっぱり嫌な気分に…。


気持を盛り上げようと、脳内でずんどこぶしを歌っていたのに、

サビにさしかかると、またパンパンパン!って鳴ってサビ歌わせてくれないわ、

雷のようなものはずっと鳴っていて、ずっと自分の後ろをついてくるような感じだわで、

なんかどんどん落ち込んでしまい、仕方なく音を聴いて分析。

雷というか地響きのような音や、手を打つ音とは別の感じで、

空気が波打つような感じで、でんでんでんでんでんと一定の太鼓が鳴っていました。

それを聴いていると、体ががゆくなるような(振動するような)感じです。

雷の音は遠くから響いてくる感じでしたが、

手を叩く音と太鼓の音は、なにもない空間から鳴っている感じで、遠くまで響かないような感じなのに、

不思議と耳元に届いているような。


しばらくまわりを見ていたのですが、音以外にはなにもなかったので耳鳴りかと思い、お社に向かいました。

家に帰って寝るまで鳴っていて、耳をふさいでみると、

耳をふさいだ時にザーッという音が流れるほかに、まだその太鼓と地響きが鳴っていて、

その時になって怖くなったのを覚えています。