L.v.ベートーヴェン 《大フーガ》変ロ長調 作品133
L.v.ベートーヴェン
《大フーガ》変ロ長調 作品133
こちらがその動画です。
この《大フーガ》は、本来、後期四重奏曲の3曲目、第13番の終楽章として作曲されました。
ベートーヴェンは2作目の第15番を創作中に大病に伏し、生死の境を彷徨いました。しかし、奇跡的に生還し、再開の喜びによって、楽想が泉のように湧き出るのを抑えられなかったでしょうか?
次なる第13番は6楽章におよぶ大作となるばかりか、最終楽章に15分を超える《大フーガ》を据えたのです。
ところが初演では、《大フーガ》は難解と、大不評!
周辺は心配して、ベートーヴェンに忠告。
それに従い、最終楽章を明快なものに差し替え、《大フーガ》を独立した楽曲としたのです。
しかし、《大フーガ》を第13番の最終楽章に配して、初演通りに演奏するケースも多くあります。
私の個人的な見解では、《大フーガ》は単独である方が好きです。
それは、《大フーガ》そのものに起承転結があり、第13番の最終楽章としますと、の前の5つの楽章の印象が埋もれてしまい、《大フーガ》と前の楽章のどちらももったいなく感じるからです。
さて、《大フーガ》の攻略法ですが、以下の5つほどの場面からなりますので、それをガイドに体感していただければと願います。
Ⅰ 始まりから壮大。そして、静寂が訪れた後、その中から、何かが始まる気配が迫ります。
Ⅱ 0′57″ 始まったのは、理性を抑えきれない歓喜の舞い。4分ばか延々と続き、「いったい、どないなってしまうねん?」と…。
Ⅲ 4′56″ 興奮は静まり、瞑想的な音楽に。やがて、強奏となり、気分は覚醒され、感動的な場面を作ります。
Ⅳ 7′26″ 一転して、陽気な音楽になり、再び高揚して、クライマックスに!そして、終幕!
Ⅴ 11′40″ …と何度も思わされ、はぐらかされます。そうこうしているうちに、音楽は、いつの間にか、爽やかに(12′04″)。「今までの混沌はいったい何やねん?」そして、今度こそ、終幕!