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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

第1回十字軍12-聖槍発見アンティオキア公国

2017.12.21 04:20

十字軍が侵入したアンティオキアは阿鼻叫喚の地獄と化した。しかし城外にはようやくモスルからの援軍が到着して包囲し、十字軍は一転ピンチとなった。しかし何と、軍の中に居た貧乏修道士が、城内にキリストを刺した聖槍がある、という夢を見たという。

城内の聖ペトロ教会をトゥールーズ伯レーモン4世が探したところ聖槍発見!軍内はお祭り騒ぎで、1098年7月2日乾坤一擲の決戦に討って出れば大勝利!イスラム側はやはりバラバラで、ダマスカス軍が崩れると皆敗走してしまった。この聖槍は、レーモン4世のでっちあげのようだが、第一回の成功はこうした宗教的熱狂なしにはありえなかった。

戦後、アンティオキアの領有をめぐり、聖槍を発見したレーモンと武功をあげたボエモン1世が対立をくり返した。しかし周辺を制圧する中で、レーモンの部下がイスラム兵の人肉を食べたという噂がたった。不利となったレーモンはエルサレムに目標を変えて、ボエモンが初代アンティオキア公となった。

それからエルサレム行きは、人肉食の噂で抵抗もなく通過。当時エルサレムは、ファティーマの領地で、宰相はビザンティンにシリア分割を打診したが、ビザンティンも止められず、遂に1099年6月9日十字軍は聖地に到達した。