絵本作家、復活までのストーリー。
ながたにひろこです。
絵本作家をしています。
絵本作家と名乗るまでに
いろんなところを通ってきました。
今回は、絵本作家、復活までの
ストーリーを綴ります。
長くなりますが、お付き合いください♪
絵本を好きになったのは
短大のときの絵本の授業。
講師の先生は幼稚園の園長先生で
その先生オススメの絵本は片っ端から読んだ。
授業で絵本1冊をつくりましょうと課題が出た。
その時、考える間もなく
「あんあんあんころもちべえ」
というネーミングが出てきて、それを採用して絵本をつくった。
あんころもちが泣きすぎて、あんこがとれちゃって
他の和菓子が職人さんを呼んであんこをつけなおす話。
その絵本をちぎり絵の和紙でつくり、楽しくてもう1冊絵本をつくった。
講師の先生に絶賛され、50人近くの前でつくった絵本の読み聞かせをした。
すごく緊張して恥ずかしかったのだけ覚えてる。
そのあと少し時がたって、わたしは保育士として毎日の仕事に追われていた。
働いていた保育園にきていた営業さんが
転勤になることに決まり、
好きな絵本をもらって下さいと言われ
数冊の絵本を出した。
そのとき出逢った衝撃の絵本。
それが、かがくいひろしさんの「ふしぎなでまえ」
優柔不断なわたしが、迷いなく
この絵本!と決めた。
この絵本からかがくいひろしさんの他の絵本を読み、調べているうちに
かがくいひろしさんが亡くなっていることを知った。
こんなに素晴らしい絵本を
これ以上見ることはできないんだ。ってさみしくて
だけど、なんだか人を伝ってかがくいひろしさんの絵本が目の前にきたことに
かがくいひろしさんから託された気がした。
短大のときに絵本をつくった感覚が蘇って、絵本作家になりたいと思うようになった。
次の年に複数担任で同じクラスになった先生と
子どもの前でそれぞれの夢を発表したことがあった。
その先生は「書道教室を開くこと」
わたしは「絵本作家になること」
それからちょっとして、その先生は
密かに土地を買って、1階が書道教室用のつくりになってる家を建てた!
独身で、保育士という安月給で
えっ!えー?
先生の口から聞いたときはビックリした。
慣れないパソコンで、書道の入会案内を作って、保護者の方に宣伝してて、その行動力にビックリ!
わたしはというと、その年、仕事を辞めた。
建前は新しいことをやってみたい。だったけれど、もともとゆっくりの性格に、忙しく責任がのしかかっていくことが耐えられなかった。
それでも、また保育士にもどって、また辞めた。
アクセサリーに惹かれてアクセサリーショップに入ったけどすぐ辞めて
アパレルで働いたことないけど、アパレルの店長をしてそれもすぐ辞めた。
何もかも疲れて、職業訓練に通うことにした。
一番長い2年間の学校で、建築のことを学んだ。
職業訓練に入ってすぐ、友だちとごはんに行ったとき、たまたま入ったお店に、絵本塾のフライヤーがあって
考えた末に、通うことに決めた。
それくらいからブログを初めて
最初に名乗ったのは
「キラキラ笑顔の宅急便、笑本作家ピロコ」だったかな?
最初は見るもの聞くこと、すごく楽しかった。
絵本作家の先生は、みんな独自の世界観をもっていて面白かった。
だんだん、絵本の課題が出てきて、提出して1つずつ評価されることが多くなり
宿題を描くことが怖くなって、評価が怖くなって
苦しくなってきた。
わたしからみて、上手いなぁ~って思う生徒さんもけちょんけちょん。
ほかの塾生さんが別のとこにも通っていて、そこはめちゃくちゃ厳しくて、この塾はぜんぜん優しいよ。と言っていて
それでも怖い自分をさらに責めた。
講師に出版社の方もくるのだけれど、
絵本の現状からの話で、さらに怖くなった。
絵本作家は狭き門。1冊作るまでに何回も直して、時には何年もかかる。
絵で食べていくのは難しい。
絵で食べるまでには、どんなときも描き続けなきゃいけない。苦しいところを通って耐えぬかなきゃいけない。
1年弱のコースで、1冊の絵本を仕上げるのが宿題の先生のところには途中からズル休みして
結局、1冊もできなくて
あーっぱり無理なんだ、諦めよう。と思った。
それから、何かわたしにできること
肩書きがほしくて、ちょっとでもピンときたことに、食らいついた。
もうこれで大丈夫って安心がしたかった。
何にも考えないほど、思考に左右されないほど
夢中になれるものを探して。
見つかったと思っても、それは長くは続かず。
何もかもが嫌になって
何もかもが怖くなって
引きこもった。
大きな引きこもりはこれが2回目。
だからまたかと、さらにさらに、自分を責めて
絶望の中、
朝起きて目が覚めたら、覚めずにそのまま消えてなくなりたいとずっと思ってた。
こんな自分が嫌で変わりたくてもがいて、藁をもすがる思いで
参加したのが、仲間と夢を叶えるプロジェクト。
そこから、被っていたものを脱いでいく作業がはじまる。
秋には不思議と呼ばれる体験をして、森のリトリートに参加する。
同じように参加したメンバーと、
小学校の時通った絵画教室でしていたお絵描きをした。
星が輝く夜に、山中湖の森にあるログハウスで
みんなワクワクしていていた。
みんなのワクワクが身体を通して伝わってくるようで
お絵描きは、みんなで描くお絵描きで
最後に描き上がった絵で物語をつくるというもの。
その作った物語が、「森によばれて」のお話。
「森によばれて」詳細↓
https://ameblo.jp/coconyann8/entry-12332836979.html
そんなつもりはなかったのに、物語が出てきて
リトリートのメンバーにも
出来た物語を絵本にするねと、宣言していた(笑)
絵本がまた来た。
そこから絵本製作で描いては止まりの繰り返し。
絵が書き終わると
絵をデータ化するのがわからない
わからないことだらけだったので、画像の修正は人に頼んだ。
これで大丈夫、、、と思ったけれど
やりとりがうまくいかずに
またふりだし。
そのときは、やる気がしなくて、そのまま放置(笑)
名前ストーリーを創るのが楽しくて
名前ストーリーに没頭する。
そのまま、絵本もまた忘れて、、、。
名前ストーリーも
いい調子で進んでいるけれど
よくわからないモヤモヤする感覚がずっと続いて、どんどん大きくなる。
いい調子なのに何でやねん!
またかっ!って思った。
そこは今まで、避けていた領域。
ずっと何年も避けていた。
わたしの理想では、そこは一番避けたい場所で
そこを通らずにうまくいくことを望んでた。
家族に隠していたことがバレて
羞恥をさらして、ガーンってなった。
ガーンだけど、避けたかったことはなくなって
そのときにやっとでた「やりたくない。」
やりたくないのにやっていたことをやめた。
わたしが理想にしていたことが、
いつの間にかわたしを苦しめていた。
避けるところがなくなって、
避けるために使ってたエネルギーが流れを変える。
他にもどんどん降参していった。
避けるため、抵抗するために使っていたエネルギー、こんなにもたくさん。
このエネルギーが向かった先は
絵本だった。
忘れていた絵本が、また、また、また、復活した。
何度避けても戻ってくる場所。
今回一番大きな降参は、絵本を避けることへの降参。
引き受けると決めた。
決めると、止まっていた絵本製作は
どうやって出来上がっちゃったのか
忘れるくらいあっという間に出来ちゃった。
あれよあれよと個展も決まりビックリしてます。
何もしてない訳ではなくて、
個展をすると決めて、行動していくと
思いがけないところから話がやって来たり
自分でやらなきゃと思っていたことは
やらなくてよかったり
わたしはこのままなのに
追い風が吹いて
止まっていたものが流れだした。
ここに来ても、同んなじように腹が立ったり、クヨクヨしたりするんだ。
最初に思っていた場所とはぜんぜん違う。
絵本作家はこういうものだと思っていたことに
当てはめようとしてずいぶん苦しかった。
苦しんでいたのは
絵が上手い下手とか、何があるとかないとか、
それが問題じゃなかった。
世の中の基準や、プライドでつくった理想に
一生懸命はめようとしてたからだった。
わたしは絵本作家です。
ただこれだけでよかったのにね
だいぶん抵抗いたしました(笑)
わたしは絵本作家です。
旅するアトリエ。
長かったですが
こうして復活しました♪
ながたにひろこ