バトン
先週今週と、人生の何個目かの、大きな「節目」になるだろう時間を過ごしていました。
一昨日からフェルトの展示を、調布市仙川の『茶安土』さんで開いて頂いているのですが、ちょっと、それが二の次になるくらい。
申し訳ありませんです。
何が節目だったか、と申しますと。
まず、大きな出来事は、長女の出産。
初孫が生まれました。
これは、随分前から予定されていたことで、臨月を迎え、予定日の近づく娘を気遣いつつ、無事を祈っていたわけですが、この、とてもとても喜ばしい、歓迎すべき事柄と同時に、お犬のトロワが死んでしまう、という、とてつもなく悲しい出来事が進行してしまったのでした。
もう、なんだかわけが分からない1週間で。
とにかく、毎日、するべき事を無事にこなせるように。移動に事故をおこさないように。
緊張して過ごしたように思います。
以下顛末。記録と整理の為記載します。
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トロワは11歳と7ヶ月。シニア犬の域に入ってから徐々に静かな生活ぶりになり、眠っている時間も長くなっていましたが、でも、特別な病気の兆候は感じられなかったです。
先週、12日の火曜日、いよいよ娘が入院した日は、トリミングの予定が入っていたので連れて行き、綺麗になったトロをピックアップして、彼に留守番を頼み、私は築地の病気に向かいました。
その日は多分普段通りだった。
次の水曜日の朝も、まだいつも通りに見えました。15分程度、トロは近くの公園で、枯れ葉をカサコソ踏みながら、普通に歩きました。お散歩の後は、また彼に留守番を頼んで、娘の病院へ。まだお産が進みそうにないので、途中で浅草橋にフェルトのバッグ用の革レース紐を買い出しに出たりしつつ、お産が長引くのを心配しながら、晩に帰宅。すると、トロワの具合がいつもと違うのです。何度か胃液を吐いた跡があり、お腹を伏せてじっとしている。その様子が、いつもの拒食とは違う。でも見るからに苦しそうというのでもありません。けれども、翌日も私は娘の所に行くことになりますし、これは、明日は動けない、という思いもあって、夜間の救急動物病院に連れて行きました。
すると、獣医さんからは、私が思っていたよりも重篤な症状の所見が告げられました。急性膵炎の疑い。点滴が必要なので、朝までのお預けを頼み、帰宅したのが深夜3時過ぎ。
翌14日は8時に夜間救急病院からトロワをピックアップして、その足で、以前前庭疾患で入院したことのある、大きめの動物病院に向かいました。9時のオーブンと同時に診察。絶飲食で点滴治療を要するので日曜日まで入院、と決まりました。私は、自分がトロワに出来ることは今は無い、獣医さんにお任せするだけだ、と、気持ちを切り替えました。お産入院3日目の娘は、午前中に促進剤を入れる事になっていたので、これは今日生まれるわ、と思い、ざっと着替えて病院へ。1時間くらい娘を励まし、その後13時38分に女児誕生。大きな喜びに包まれました。
もう安心だから、明日と明後日は来ないわよ。と、言って帰り、明日はトロワに面会に行かなくちゃ、と思いました。
翌15日お昼過ぎ、獣医さんからの「良くない」という電話で駆けつけると、高酸素のガラスケースに入ってぐったりしたトロワが居ました。体温と血圧が上がらない。嘔吐が止まらない。可能性に賭けて、献血ワンコから血を貰って血漿の輸血お願いしました。それでも、回復する可能性は低い。朝まで持つかどうかわからない、と。6時の面会時間いっぱいまで抱っこしました。
土曜日16日は、実家の母の13回忌の法要がある日でした。朝、獣医さんから連絡が無いのに少しほっとして、面会に行くと、やっぱり彼はぐったり横たわっていました。でも、呼びかけると耳を動かして、ああ、わかっている、と思いました。15分ほど撫でてお寺さんへ。法要が終わり、昼の会食を終え、午後の面会まで時間があるので近くのデパートのパーキングに車を入れたときに、携帯が鳴り、彼が先ほど亡くなった、と告げられました。駆けつけて、確認して、一度家に戻って準備をして、連れて帰り。診断は、「膵炎疑い、多臓器不全」です。
翌日曜日は娘の病院へ。
18日月曜日はフェルトの搬入へ仙川へ。
19日火曜日、市川のペットセレモニーでトロワを空に送り
昨20日、娘と赤ちゃん退院、我が家に連れ帰り。
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良く泣きました。おんおん、泣きました。
彼は本当に良い子だった。もっとしてやることがあったんじゃないか。何か気がつけなかったのか。
12年前の冬に母が急死して、滂沱の涙に暮れていた私を、子犬の彼が救ってくれました。
時は流れて、ティーンエイジャーだった娘は社会人になり、無邪気で活気にあふれていた子犬は大人しいシニア犬になった。
そして、新しい小さいひとが生まれるのと同時に、トロワは急ぎ足で逝ってしまいました。
優しい友達が、トロワは私の為にこのタイミングを選んで逝ったのだ、と言ってくれます。
そうなのかな。
そんなふうに気を使ってくれなくて良かったのに。
けれど、彼を残して私が先に逝くことは出来ません。いつか別れは必ず来る決まりでした。
必ず泣かなきゃいけない。それが飼い主の務めなんですよね。
家族の青春時代のような時を、彼が一緒に生きてくれたこと、いつも癒してくれたこと、たくさん楽しい思い出を残してくれたことに、心から感謝します。
一昨日は、トロを取り上げて里親募集を掛け、私とトロの縁を繋いで下さったKさんに、トロワを送るのをご一緒して下さるようお願いして、市川の施設で、丁寧に、荼毘に付して貰いました。
白い陶器に入った彼を連れて帰る車の、フロントガラスの向こうの冬の晴天の空が、とても綺麗で、
運転しながら、ふと、彼はバトンを小さいひとに渡したんだ、という思いが腑に落ちました。
そう。きっとそうです。
そう思うことにします。
きちんと弔うことは、私の為に必要でした。
悲しいけれども、気持ちの区切りが出来たように思います。
さようなら、トロワ。 またどこかで会おうね。
というわけで、フェルトの事は二の次三の次だった先週今週。
展示のためのラストスパートは叶わなかったけれど、なんとかまとめて、搬入する事が出来て良かったです。
19日火曜日より、仙川、茶安土(teand)さんで展示販売して頂いております。期間中は、全てティアンドさんにお任せします。ご覧下さる方々にお目にかかれませんこと、とても残念で、申し訳ございません。
どうぞよろしくお願い申し上げます。