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Waiiha Picturesque

Waiiha History【立志編】

2022.05.08 10:40

Waiihaが6人体制時代の頃。

ロコモコとか、ポキとかハワイ料理が、メニューにあった頃。

僕は仕事を辞めた。そして、鉛筆も絵筆も止めた。

理由は簡単だった。

「この店に、すべてを賭けようと思った。」

ただ、それだけだった。


実際、僕には何もできない。

ハワイアン音楽も知らない。ハワイ料理もハワイ語も知らない。

「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」の繰り返し。


あまりにも、自分の無力を知りすぎて、開店前のむなしい時間、

店のギブソンを手に取っていた。

コードは適当に知っている。ピックを摘み「F」を弾いてみる。

当然のことハイコードで、そのままスライドして「G」と、

心むなしく弾いている。

そのうち、怒りを込めて何度も何度も弾いていた。


そんな僕の姿を見ていたのが、

Waiiha開店時から常勤していたチャックワゴンボーイズの

スチールギターの恩ちゃん(恩田義彦)だった。

「久宗君は、セーハ出来るんだったら。ウクレレだね。」

そして、ウクレレのハイコード「G」と「Ⅾ₇」と「Am」の

3つのポジションを教えてくれた。


紛れもなく、僕のハワイアン音楽の入り口は、この時だった。

とてつもない、厳しさと優しさ。怒りと孤独。もう戻れない。

紛れもなく、僕は、このウクレレから自分の道を歩きはじめた。

『Kamakaのパイナップル』ビンテージだぜ。