『W旦那+(プラス)』第100話 三代目妄想劇場
2017.12.23 23:00
「隆二?」
「…もう別れるなんて言わない?」
「…ん、誓うよ」
隆二を抱き寄せる臣。
「辛い思いさせて…悪かった」
隆二の額に「ん…」と唇を当てて、
「チューしよ」と臣が言う。
臣がチュッと音を立てて軽くキスをする。
すぐに隆二の目を見て、エクボを作り笑顔を見せる。
隆二は臣の顔に手を当て、親指で臣の目の下のホクロに触れる。
(このホクロも…)
スッと指をスライドさせて、エクボに触れる。
(このエクボも…)
臣の唇をゆっくりとなぞる。
(この唇も…)
臣は笑ってジッと隆二を見て「ん?」と首をかしげる。
(愛しい…)
隆二が臣の唇を大きく包み込む。
「んっ…りゅう…」
お互いを抱き合い、激しいキスを交わす。
舌を絡ませながら、
「んっ…ん…おみ…」
隆二の吐息混じりの声を聞いていると、臣の心に、
(隆二とすぐに一つになりたい)
(一つに溶け合うくらい…何もかも奪いたい)
どす黒い感情がこみ上げてきた。
その感情を抑えるように、自分を戒める。
(ダメだ…SWAYもリビングで待ってる)
(ゆっくり時間をかけるって…いま約束したばかりじゃないか…)
臣の中で二つの感情が入り乱れた。
キスの途中で突然、相方の舌に噛みつきたい衝動に駆られ、慌てて唇を離した。
「ん…どうかした?臣…」
隆二はトロンとした目で臣を見つめる。
「ん…いや、なんでもない」
「SWAYも待ってるし、程々にしとかないと…」
自分に言い聞かせるように、臣が言う。
「そうだね。…聞いてよ、臣。SWAYって凄いんだよ」
隆二は安心しきった様な笑顔を見せて、臣の腕の中でSWAYから聞いた話を聞かせる。
隆二の声が、なぜか遠くに聞こえて、
臣の心は落ちつかなかった。
End