『サイダーのように言葉が湧き上がる』
俺が好きなYouTuberが「肉は焼いて食うと美味い」って言ってたんですよ。それは確かにその通りで、肉は焼いて食うと美味いじゃあないですか。塩胡椒かけて焼いたら美味いじゃあないですか。
久々に自販機でQooを買うと美味いじゃあないですか。
色んな味が出てるけどやっぱりバニラアイスって美味しいじゃあないですか。
色んなMODをぶち込んで遊んできたSkyrimもL4D2もマイクラも素が1番面白かったりするじゃあないですか。
殺人鬼が出てきて人を殺すホラーって最高じゃあないですか。
夏に観る「これデートにどうですかー?」っていう爽やか青空夏アニメ映画って美味しいじゃあないですか。
衆目が恐い根暗気質の主人公が、たまたま出会った女の子に自分の好きなものを肯定してもらった瞬間って美味しいじゃあないですか。
女の子のもとに向かって走る男の子って美味しいじゃあないですか。
告白の言葉って結局「きみが好き」が1番じゃあないですか。
じゃあ観た方がいいんじゃあないですか? 『サイダーのように言葉が湧き上がる』。
どんな映画かと言えば、田舎町、根暗少年、活発ガール、肯定、一緒に過ごす日々、最高に明るく爽やかな夏の空、好意、祭りの日、別れの日、走るよ男の子。
美味しいじゃねえか……。
しかもその材料を、ちゃんと構成している点がさらに良い。あまりにもちゃんと構成しているので、「今時計映したから絶対使う気だよな」とか「このままオチは幾つか思いつくんだけど、これは面白くないから切れるな」とか、「確かに見つかったけどそれは袋つきでじじいが持ってたのは空き袋じゃん」とか、構成から予測をつけるとマジで当たります。感情と勢いでごまかさないけど、感情と勢いを出すタイミングを理解されております。
結局これが1番美味しいんですよね。とマグロの握り寿司をだされて、美味しいですよね。と頷きながら食べる。最高の夏アニメ映画です。