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J News International (イギリス拠点)

ブレグジット:離脱後の協定合意の内容とは

2020.12.31 14:48

著:大澤史來

24日クリスマス·イブ、英国と欧州連合はようやく離脱協定に合意した。同日午後、官邸から34ページの合意書の要約が発行され、2日後に1,246ページにも及び合意書が発行された。

これまでも英国海域内での漁業許可について議論されてきたが、今回もそれが焦点の1つになっている。その中で英国内は全国でコロナ感染が広がり、特にロンドン市内の感染者と死亡者数が増えたことに伴い、段階的措置で一番厳しい第4段階規制に今月20日からなり、英国内で見つかった変異コロナウイルスはこれまでの70%増しの感染率があることから、欧州諸国を初め、約40カ国が英国との陸海空の国境を事実上封鎖に踏み切った。

英国内はただでさえ、月末の完全離脱後の様々な調整を準備しながらこのパンデミックの状況に振り回されて不安と困惑を隠しきれない。企業や組合団体の中には今年の移行期間中にロックダウンのため十分な準備ができず、そのまま新年を迎えるところも少なくない。

フランスとの行き来を担うドーバー海峡では物資を運ぶトラックが一時足止めをくらった。それはフランス側が国境を封鎖したためだ。どうにか交渉し、ドーバー海峡は数日後に開通されたものの、数千ものトラック運転手はコロナ検査を義務付けられ、それに時間がかかり、スムーズな行き来は未だに難しい状況である。

このブレグジット合意の一番大切な時に他国が英国に対し国境を一気に封鎖するという事態は、時期的に極めて珍しいことではないだろうか。

ここで合意内容がどのようなものか簡単に要点だけみていきたい。


貿易

自由貿易:英国側は交渉開始時から「カナダ式」自由貿易協定を望んでいた。実際に100%関税自由化の合意、つまり関税ゼロということで非常に珍しいことである。この自由化市場にアクセスできるのは協定地域内で生産された「現産品」のみとされる。ワイン、自動車、医薬品などの特殊な品目は特別な規制となる。

国境:英国と欧州は国境を超えた貿易に対応するため協力し合うことに合意。書類整理の効率化、透明性、事前裁定、無差別などが規定に含まれる。ドーバー港やホーリーヘッド港でのきょうりょくや、輸出入申告データの共有できるような解決法を見つけるなど特注協定もある。

サービスと投資:英国のサービスは英国経済の主要な部分を占めており、小売、金融、公共、経営管理、レジャー、文化活動等のサービス産業は2019年英国経済総生産の80%に達する。ブレグジット後も国境を超えた貿易協定が確立された。

デジタル貿易:双方は「最も自由化された近代的なデジタル貿易条項」で合意したとある。


漁業

英国側はこの合意で、「独自の法律や漁業管理を自由に作れるようになった」と語っている。

割当量:英国の海域で欧州の漁獲量の25%となり、英国漁師に大幅な割り当てを帝京。次の5年間d段階的に導入され、英国漁業にとって1億4,600万ポンド相当の価値があると言われ、英国海域での総漁獲量の割合は3分の2まで増加するという。

データの共有と処罰:漁業専門委員会が設立され、双方の漁業問題について議論、協力する場を提供。


その他

司法:離脱交渉のもう一つの重要事項として、欧州連合は英国企業に不当な国家補助金を与え、欧州企業を過小評価しないようにという保証を英国に要求。英国側は動労者の権利、環境保護、課税に関する規制を削除した場合、英国企業が有利になる可能性があると指摘していた。また英国は紛争が起きた時に欧州司法裁判によって裁かれる事に消極的であった。その結果、「英国は一部の分野で欧州と同等の法制度を維持することを法的に要求される」ようになった。それに加え、「合意された精度は、いかなる分野においても英国の主権を侵害するものではなく、欧州司法裁判所が関与するものではない」とある。

交通:英国と欧州の航空会社や許可を取得している航空会社は、引き続きこの間での運行を継続できる。

道路事情は運送事業者は今まで通り許可なしでお互いの領域を行き来きできるが、移動数には制限をもうけた。

旅行者の権利も世界貿易協定よりも多く権利が与えられ、アイルランド島内では、アイルランドと北アイルランドの両方で行客を無制限に国境を超えたサービスを持続することが可能になった。

旅券ビザ:英国短期訪問ビザについては欧州を1つのブロックとして扱う事になり、新たに加盟する国については英国の同意が必要となり、自動的に適用されない。双方の国への渡航はたんきたいざいの場合ビザ取得の必要はない。

安全保障:英国と欧州は警察と安全保障について緊密に協力する事で合意。英国と各加盟国間で、「犯罪やテロの捜査における法執行機関を支援するため」にDNA、指紋、車両登録の交換が行われる。英国はユーロポールの一員ではなくなってもこの機関を通じて深刻で組織化された犯罪とテロリズムに関して他国間協力をしていく。また、パンデミックなどの健康安全の保証やサイバーセキュリティに関する情報を共有し、緊密に連携していくことを約束している。

エネルギー:今回の協定では双方のエネルギーと気候に関してこれまで以上に強く関心を高める」とされ、英国と欧州間の電気、ガスの取引き、供給の安定性への協力、再生可能エネルギーのそれぞれの市場への統合、北海での開発協力が含まれる。

関係つにまとめてみたが、来年以降、これらの協定がしっかりと機能するかみていきたい。