内外差が表れるところ
このおもしろいドアの内張は新型レクサスLSのもの。オーナメントパネル(「固有の名称は決めていないんです」と担当者)はウッドを使い、複雑な加工が施してある。
これは「レーザーカットスペシャル」という仕様。ほかにヘリンボーンや、なんとガラス素材まである。
機能とは関係ないのだが。レザーはダッシュボードから連続してきて、この化粧板というかオーナメントパネルの手前で止まっている。
高級車のダッシュボードはみなそれぞれ凝っている。下はメルセデスベンツSクラスだ。レクサスに較べると理知的というかロジカルな構成である。ラインがきちんとつながっているし。
上は11月にぼくがロサンジェルスで乗ったSクラスクーペの画像。グラマラスな肉厚の革張りダッシュボードが印象的だった。やはり日独には表現にちがいがあっておもしろい。
レクサスのほうはロジカルではないけれど、思いもつかないデザインを採用したところが、ぼくは気に入っている。社内ではどういうふうに提案して、どう説得して、どう採用が決まったんだろうか。
メルセデスは緻密でよく出来ているけれど、このへんが西欧のロジックを重んじたデザインの限界だろうか。限界とは言ってほしくないだろうけれど。
上は新しいベントレー・コンチネンタルGTのダッシュボードだ。こちらもやはりロジカルだ。なんでこうなるの?という違和感はない。先代をおぼえているひとは大きな変化がすぐわかるだろう。ぐっとエレガントになっている。
ちなみに下がぼくがちょっと前に乗ったばかりの従来のモデル。
最新モデルの内装にはサーフボードやギターに使うコア材もオプションで用意されている。いまウッドの材質と加工の技術はどの高級ブランドも追究しているテーマのようで、その点ではレクサスもメルセデスもベントレーも共通性がかんじられる。