6月4日は六四天安門事件
NHKアーカイブ 平成元(1989)年 6月4日 中共の六四天安門事件
6月4日は、天安門事件の日です。同事件は、平成元年1989年4月の胡耀邦元総書記の死去をきっかけに民主化を求める学生運動が広まり、北京の天安門広場に座り込んだ学生などに対し、同年6月4日未明に、人民解放軍戒厳部隊が天安門広場に突入し鎮圧したものです。事件の日をとって「六・四」事件と呼びます。「天安門事件」とも呼ばれますが、76年に周恩来総理の死去をきっかけに起きた事件と区別するため「第二次天安門事件」と呼ぶこともあります。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/enjyo/china_chu.html
●10万人が集まり、一体何人が殺害されたのか
当時、広場には10万人以上の若者が集まっていたと言われており、どれだけ殺害されたのか、いまだに真相は闇の中です。その後、民主化運動は弾圧され、情報統制、人権侵害が現在も続いています。
平成27(2015)年に、スペインの記者が、中共の外交部に次のように質しました。
「中国は日本に歴史を正視するよう求めているが、中国はいつになったら天安門事件の歴史を正視できるのか」と。これに対して、中共の外交部報道官は、「2つの事件の性質は完全に異なる」とした上で、「中国の党と政府はすでにはっきりとした結論を下している。中国の改革開放の成功は、中国が進んできた道が正しかったことを示しており、国民の支持も得ている」と述べたとのことです。
http://www.recordchina.co.jp/b110684-s0-c10.html
今年も、中共は事件の再評価は必要なしとの見解を表明し、NHKの国際放送で事件について中断してしまったとのことです。
中共の外交部華春瑩報道官は6月2日の記者会見で、「1980年代末の政治的な騒ぎや、それに関連する問題について、中国政府はとっくに結論を出している」と述べ、再評価する必要はないという立場を強調したとのことです。
中共本土では4日午前6時すぎ(日本時間4日午前7時すぎ)、NHKが海外向けテレビ放送、「ワールドプレミアム」で天安門事件に関するニュースを伝えた際、映像と音声が2分近く中断され、画面が真っ黒になったとのことです。中共では国内で放送している外国のテレビ局の放送内容を当局が監視し、規制していて、中共にとって都合の悪い内容のニュースなどは放送がたびたび中断されているとのことです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170604/k10011005941000.html
●中共の一党独裁体制は経済大国となっても変わらず
彼の国にとって、中共の一党独裁によって、人民の自由や人権よりも、国を固めることが最優先であり、経済成長し続けることが宿命付けられているということでしょう。
我が国は、自由、民主、人権、法の支配の普遍的な価値観を有し、それと共有する諸国の連携を強化しているわけで、彼の国に対して、毅然と対峙していかなければなりません。
それにしても、我が国の外務省は、この件についてアピールぐらいはすべきでしょう。
●1万人以上を殺害か
平成29(2017)年12月23日のAFP通信が「「天安門事件の死者は1万人」 英公文書を公開」との記事を配信しました。当時北京に駐在していたアラン・ドナルド英国大使が本国に送った外交機密電報の中に、「最低に見積もっても一般市民の死者は1万人」と報告しているとのことです。10万人が集まっていたと言われているわけで、1割を中共が殺戮したことになります。そのことを私達は忘れないようにしたいものです。
http://www.afpbb.com/articles/-/3156480?cx_part=top_block&cx_position=3