イチゴ親株の管理パート②
日頃より、茨城生科研に対し多くの皆々様のご支援をご愛顧を賜りまして、誠に有難く厚く厚く御礼を申し上げます。
ゴールデンウィークが終わって、はや1週間が過ぎました。
連休の後半から、かなり不安定なお天気になってきており、「もう梅雨?」って感じになっている今日この頃です。
また、コロナウイルス、ロシアの戦争、燃料の高騰・・・・・連休前のそうでしたが、明けてからも、もうハチャメチャな状態になっております。
もちろん、肥料業界も大変なことになっております。
はやく落ち着いた日が戻ってくるのを祈るばかりです。
さて、そんな中でも農作物の管理は進んで行きます。
今回のテーマは、イチゴの親株の管理パート②です。
一部3月に記載した内容と被るところもありますが、ご了承ください。
まずは、これからの作業日程の確認です。
6月上旬→ランナーの直受け開始
☆直受け開始が早すぎると芽無しの発生が多くなりますので注意してください。
☆直受け後も、切り離すまでは栄養は親株から供給しています。親株が肥料不足になると苗も肥料切れになり芽無しが発生します。
6月中旬→ランナーさし芽開始
☆さし芽時には、展葉3枚以下の苗を使用して、親株側のランナーを長く残し、土に挿しピンでしっかり固定してください。
6月下旬→さし芽終了
☆毎年梅雨明けが不明瞭になっております。作業は早め早めで進めるようにしてください。
7月上旬→直受け切り離し
☆さし芽、切り離しともに夜冷の場合は処理開始1か月前には終了するようにしてください。
7月中旬→葉かき開始
☆活着後、展葉2枚時にすべての苗の葉数が揃うように行ってください。株を充実させるには4枚目以降の葉が必要です。葉を書き過ぎないように注意してください。
次に
「親株の肥料切れに注意しましょう。」と言う事です。
プランターやポットでの親株定植後は、肥料切れに注意してください。液肥の場合は最低2~3日おきにアミノキッポ液肥300倍液をかん水してください。自動かん水の場合は、あまり高濃度で灌水のたびに液肥を混入するよりも、1日1回の施用にするか、ECを0.5~0.8程度の濃度の方が良い苗が取れています。粒状肥料の場合は追肥用の化成肥料のような即効性の肥料を2~3週間に1回程度採苗が終了するまでしっかり追肥を行ってください。
有機肥料や堆肥などの施用は「コバエ」や「カビ」などの発生の原因になりますので、使用を控えてください。
また、ロングタイプの肥料では、肥効が遅すぎてランナーの発生が良くありません。特に直受けの場合は後半の親株の肥料切れが多くみられます。切り離しまでしっかりと追肥を行ってください。
かん水量(回数)=ランナーの発生数
親株へのかん水は、常に株元が充分濡れているようにしてください。プランターやポットなどに親株を植えている場合は、1回1回のかん水が必ずプランターの下から水が出てくるまで行い、酸欠を防いでください。水分補給としてのかん水は、1日1~2回で十分ですが、ランナー発生後は培土の温度が上がり過ぎないように、1日なるべく4~8回程度かん水してください。
葉かきとランナーの管理
ランナーの先枯れ防止とランナーの発生促進のために、次郎苗の展葉時期に葉かきを行ってください。葉数は1芽の場合は10枚以下、2~3芽でも12~13枚程度にしてください。また、大きくなった太郎苗や次郎苗の葉数も2~2.5枚程度に整理してやると効果的です。この時、葉は葉柄から切るのではなく、しっかり欠いてください。ランナーは、次郎苗の展葉時期頃から先枯れが出始めます。この頃までに、つる配りを行いランナーの先端をしっかりピンなどで固定し、親株にしっかりかん水を行なえば先枯れは軽減できます。
さし芽での採苗の場合
〇さし芽の時期
さし芽の適期は、6月10日~20日頃です。毎年6月下旬から7月上旬に猛烈な暑さがあります。その前に活着するように早め早めに開始してください。また、夜冷を行う場合は、夜冷開始1ヵ月までには苗が活着するように作業を進めてください。
※作業が遅れて7月以降になってしまう場合は、直受けに変更することをお勧めいたします。
〇活着促進と芽無しの予防
使用する苗は、なるべく展葉3枚目までのものを使用してください。
ランナー切り離し前日にアミノメリット青500倍液+根っこりん300倍液を苗に、葉面散布もしくは、採苗した苗をどぶ漬けしてください。ポットの土には、新チャンス液S300倍液などの発根促進資材をかん水しておいてください。さし芽後は、アミノメリット青500倍液を葉が1枚展開するまでの間、2~3日おきに葉面散布してください。
さし芽後、1~1.5枚展葉したらポット錠を施用してください。
直受けでの採苗の場合
〇受け始めの時期と受ける苗
受け始める時期は、6月5日頃からで、
受け始め時点で展葉4枚以上の苗は芽無しが出やすいのでなるべく使用しないで、展葉3枚までの苗を使用してください。
〇切り離し
無処理の場合は、7月中旬ごろまでに行ってください。夜冷の場合は夜冷開始1ヵ月前を目安に切り離してください。
切り離し後は速やかにポット錠を施用してください。