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KohagiUta

初めての

2010.12.12 04:21

お題:「夕方のキッチン」 「笑い合う」 「瞳」

■140文字以内Ver.

夕方、夕食を作るため彼の家のキッチンに立つ。
ふと気配に振り向くと彼と目が合った。
濡れた瞳の奥に何かを感じて動けなくなる。
と、突然彼が吹き出した。
「何よ」
「いや、凄い緊張した顔してるから…おかしくて…」
バカ、と振り下ろした手を彼が優しく包む。
思わず二人で笑い合った。

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■長めVer.

初めて彼の家に遊びに来た。
昼間は二人でゲームをしたりテレビを見たりしていたが、だんだんと陽が傾き部屋の中が薄暗くなってくるにつれ、言葉数が少なくなる。
微妙な空気。
「も、もう夕方だしご飯作るね!」
耐え切れなくなって、勢い良く立ち上がりキッチンへ向かう。
買ってきた食材を並べていると、後ろに彼の気配がした。
振り向くと目が合う。
黒々と濡れた瞳。その奥に、「何か」を感じて動けなくなる。
「…ぷふっ…」
突然、張り詰めた空気が破られた。
「…なっ…なによっ…」
口を押さえて笑いを堪える彼に、少しムッとする。
「…ごめん、だって…すんごい緊張して情けない顔になってるし…可笑しくて…」
「…!!し、しょーがないでしょー?!」
バカ、と振り下ろした手を、彼が優しく包む。
また目が合った。愛しくてたまらない、という目。
何だかほっとして、さっきまでの緊張していた自分が可笑しくなった。
思わず笑い出すと彼も一緒に笑い出した。

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初めての君とふたりきり緊張を見破られてる甘すぎる瞳(め)は