20120218
2690 あんなにも優しい君が吐いた嘘わたしは何を赦せばいいの
2689 スパイスを効かせた本格カレーなど作れないけどそばには居ます
2688 帰宅して一目散にカレーだと微笑む君と生きて良かった 069:カレー
2687 ひとりきり毛布を被り銀色の巨きな不安と戦う夜更け 068:巨
2686 おしまいの合図を待って銀色のナイフは僕らの運命を断つ ★銀色の
2685 ふたりならきっと特別ノートの端飛び込む夏に海を描こう ★ふきのとう
2684 振り向けば傷痕深く残るだけ特別な君の嘘つきナイフ ★ふきのとう
2683 束縛をしたがる君と銀色の鎖で交わす恋の契約 ★銀色の
2682 スカートの裾翻し銀色の雨粒ひらり泣かない決意 ★銀色の
2681 銀色の華奢な鎖を御守りとして泡沫の現在(いま)を漂う
2680 目の奥の鼓動を奪う向かい合い鎖骨に指を滑らせた今 067:鎖
2679 窒息死しそうな日々だ水槽を隔てて僕ら見つめ合うだけ 066:息
2678 ただひとつきりの重大な相違点 酢豚にパイン入れる派の君 065:酢
2677 ピリオドは強固な意志だ胸の底凍えた夜に包むカフェオレ 064:志
2676 「久しぶり」笑った人のやわらかな体温にまた許されていた 063:久しぶり
2675 指と指その接点を軸として廻るふたりの縮まらぬ距離 062:軸
2674 無関心な君をくすぐる企みの一環としてのほっぺたにキス 061:企
2673 誕生日プレゼントとしていま君の目の前に居るリボンを解いて 060:プレゼント
2672 貝殻を拾い集めて壜詰めにする淋しさの代用として 059:貝
2671 曇天に涙ふわりと溶けてゆく雪に変わってあの街へ降れ
2670 温かな猫を抱いて涙腺の壊れるままにおやすみ世界
2669 深刻な塩分不足 失った涙の代わりのポカリスエット 058:涙
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後ろにお題のあるものは題詠blog2012に参加して詠んだ歌です。
★銀色の とあるものは、縛り短歌企画で3句目に「銀色の」を読み込んだもの。
★ふきのとう とあるものは、折り句で「ふきのとう」を入れたものです。