20120223
2729 磨り減った恋で良ければ新しい恋と交換してくれますか ☆
2728 舌先を真っ赤に染めてまだ早い氷いちごを分け合う僕ら 090:舌
2727 この恋の墓場を探せ喪失は心ごと埋めてしまうに限る 089:喪
2726 何もない今日は喪服を着てみたの甘いお菓子で恋を弔う
2725 改訂を重ねて厚くなってゆくふたりで生きるためのルール本 088:訂
2724 一日の終わりあらゆるチャンスの芽潰した君に触れる(わかって) 087:チャンス
2723 見逃してしまえばいいの片方の瞼に映る君の嘘など 086:片
2722 忍耐を試されている手の甲に上目遣いでされるくちづけ 085:甲
2721 だらしなくその手に崩れてしまうから西洋梨のように齧って 084:西洋
2720 思い切り泣いて甘えるわたしという女を邪魔するわたしもわたし 083:邪
2719 磨り減った恋はすべてに足りなくて捨ててしまうには少し熱くて ☆
2718 「お触りはご遠慮ください(壊れます)」暗黙のルール息づく街で ☆
2717 毎日が雨降りみたい動けずに苔生すままの長い片恋 082:苔
2716 やわらかに微笑むメイド業務用人工知能搭載ドール ☆
2715 電脳の巣窟らしき街角に今日も野良猫鳴く秋葉原
2714 「可愛いな」画面に呟く君を見て秋元康抹殺計画 081:秋
2713 甘やかな言葉重ねてたわむれの恋はいびつに溶けたティラミス 080:たわむれ
2712 深海魚みたいに澱む時間帯 見えない価値が縛る世界で 079:帯
2711 駆け出してしまいたくなる下足室 期末考査の終わった真昼
2710 査定額おいくらですか磨り減った恋に価値などあるのでしょうか 078:査
2709 好きですと告げる勇気が転落死した屋上に献花する春 077:転
2708 帰るなと言わせてみせる桃色のチークに込めた邪な意志 076:桃
2707 水溶性ビタミンほどの儚さで君に留まることもできない 075:溶
2706 雨靴に遊ぶ水滴あと少し顔を上げたら君を見つける ☆
2705 気温10℃の優しさを傘に受けぽろんぽぽんと歌う木曜
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後ろにお題のあるものは題詠blog2012に参加して詠んだ歌です。
☆印は他の方への返歌として詠んだ歌です。