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KohagiUta

2014/3/21

2014.04.04 12:45

5724 声すらも聴けないことが当然のきみに会いたいなんて言わない
5723 入り口として降る雨が連れてくる初めての春すこしだけ泣く
5722 もう声を忘れてしまう唇と指の感触はとっくに消えて
5721 音沙汰のない日もきみがいちばんに思い浮かべるわたしでいたい
5720 拗ねるならかわいく拗ねてみなさいよ鏡を弾く指の先まで
5719 存在を見つけられない数日を早く終わらせるためひらく本
5718 何度目になるかな朝のこのカフェで出張前の一時間デート
5717 やわらかなもので世界はできている ほら目を閉じてなにもこわくない
5716 まだなにも知らない顔で膝と膝ひらいて座る白すぎる闇
5715 ひるがえるスカートの裾も気にせずに白い仔鹿の跳ねあがる腿
5714 柔らかな髪を梳くゆび簡単に壊してしまえるから美しい
5713 ぷらぷらと白いつま先を遊ばせて退屈そうね こっちへおいで
5712 最後まで笑っていたねさよならを手渡す春の小さなカフェで
5711 三年の時を経て返却されるカフェのテーブルに冷たい指輪
5710 たまご色した春空を眺めてるともだちという名前のひとと
5709 「愛してる」なんて真っ直ぐ言えるのはたぶんあなたが友だちだから