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KohagiUta

2014/12/17

2014.12.26 08:06

7007 降り立ったこのホームではわたしたち間違いのない景色になれる
7006 当然のように鞄を奪われて(きみがだいじだ)音のない声
7005 真隣で触れそうな手がこわいから無闇に言葉ばかりを放つ
7004 約束の車両を大きく間違えるうっかりまでも愛しさとする
7003 何気ないおはようの声に振り向けば特別な日がふわり始まる
7002 満席の記名にはいつもあなたの名おなじ苗字として入る店
7001 いつかくる終わりを口にするたびに「そういうの好きだな」と笑って
7000 価値観の似ていることは強さたるひやかしながら売り場を巡る
6999 歳末のデパートをゆく約束のできない指を囚われながら
6998 後ろから包み込まれる心地して少しもたれるエスカレーター
6997 開店と同時に流れ込む人の波に紛れて絡めあうゆび
6996 数時間のちに巣となるはずの場所ただしいふたりの顔をしておく
6995 全身を飾り付けても気づかない眼の奥の火を見ているきみは
6994 しばらくは終われなくなる新しい物をあなたと選んだせいで
6993 クリスマス準備の街に溶け込んだクリスマスにはふれないふたり
6992 ふらふらと行くあてもなく彷徨って見慣れぬ冬を二匹で泳ぐ
6991 隣りあう半刻は駆け足で過ぎとくべつな日がひらかれる駅
6990 目を閉じているのは眠るためじゃない肩の温度を額に刻む
6989 さりげなく高さを合わせ座り直すあなたの肩にあずける額
6988 不意に触れる手の熱は引力となり五秒後囚われてしまうゆび