2015/2/18

7537 070:本／嘘ばかりもらったせいで本物の恋にちいさく傷をあたえる
7536 069:銅／銅貨まで割り勘で出るラブホテルきっちり生きているはずだった
7535 仮初めの恋でもいいかイランイラン女だったと思い出させて☆
7534 068:煌／誰ひとり祝福しないこの街の煌きあつめおく薬指
7533 067:府／手をつなぎゆく府庁前きんいろの記憶がきみを忘れさせない
7532 だってもう処分するしかない恋だ手には余るし行き場もないし☆
7531 ツナ缶を開ければ飛んでくる猫に呼ばれ続けて生まれるサラダ
7530 066:缶／缶詰で指先を切るほとばしる赤はこんなに生きろと踊る
7529 そんなもの欲しいだなんて誕生日だけわたしからあげるくちづけ
7528 065:スロー／ほっとけばいつかは離れてゆくでしょう未読のままのスローな別れ
7527 064:裕／余裕すら忘れてしまう不自由な僕らは会えば奪い尽くして
7526 糸ひとつ手繰っていつか辿り着くかくれんぼしている運命と☆
7525 止められるほどなら始まりもしない歪なままのふたりでもいい☆
7524 びい玉と日焼けした手紙の束と初恋ねむる押入れの奥☆
7523 突然にほどかれてしまう結び目が教えてくれるあなたじゃないと☆
7522 受け止めてもらえたらもうそれだけで春あえないでいる雨の日も
7521 063:丁／わたしにはぽっかり穴が空いていて丁度失くしたあなたのかたち
7520 062:万年／来世には亀に生まれる万年を生きてあなたの転生を待つ
7519 061:宗／到着を待つ昼下がり宗教の勧誘ばかりがチャイムを鳴らす
7518 また名前呼びたくなってこれほどに弱かったのか雨ふりの朝