2015/9/29
2015.09.30 02:28
8199 そんなはずじゃなかったのにうっかりと呼び慣れた名を連れ帰る朝
8198 一面の深い紺色ひろい肩あずけた頰に馴染むセーター
8197 つつまれた記憶の冬が一歩ずつ近付いてくる空っぽの肩
8196 はちみつに浸してかじるオレンジの月あまくない君を目で追う
8195 銀色の車体は夜を切り裂いてきみを正しい街へと帰す
8194 きみの街から吹く風をつかまえてかすかな声のかけらをさがす
8193 この夏を終わらせるためビールでも飲もうか偽の星を見上げて
8192 厚い手にかすかに触れる 一ヶ月我慢我慢の果てにある夜
8191 無防備な首すじに降るこの夏が終わりの音を響かせている
8190 会いたさは募るばかりでオレンジはずるい色 一面の夕空