2015/12/6
2015.12.29 06:54
8394 磨いたら色褪せてゆく日常にひかりの種を見つけられない☆
8393 触れられるはずのない骨張った手とあたたかそうな頬だけ見てた
8392 耳朶のうしろがやけに甘くなる滲んだ街を纏う視線で
8391 戸惑いのやさしい熱を持つ腕の肘の辺りで生まれる鼓動
8390 そう夜が拍動みたいにひかるから噛み締めたまま頷いていた
8389 過去と今だけを見つめるその先のあまい痛みはちゃんと知ってる
8388 ざわめきを飲み込む体まなうらの空へ翼をしならせながら
8387 明日には届かぬ夜をふうわりと纏う冷えゆくばかりの肩に
8386 半日もせずに消えてしまうような微かな熱を帯びて半月
8385 沈むほど街に埋もれてゆく月を見つけられずにくぐる改札
8384 向かい合うわたしとわたし闇色のガラスに今日を閉じ込めてゆく
8383 気がつけばいつもの駅でポケットの小さな鍵を握りしめてる
8382 夢、あれは夢 花びらを摘むように這う指さきをひとり弔う