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KohagiUta

題詠100☆2016 投稿100首

2016.02.29 14:59

2011年から5年間、毎年参加させていただいてきた「題詠blog」。
今年からFacebookへ移行されるということで、わたしはもう参加できないなぁと嘆いていたのですが、主催の五十嵐さんのご好意によりお題だけお貸しいただけることになりました!五十嵐さん、そして取り次いでくださった中村さん、ありがとうございます。

そんなわけで今年はTwitter上のみで100のお題に沿ってゆるゆると作歌を楽しませていただきました。
毎年2月の楽しいイベントに今年も参加できて嬉しいです♪(*´ω`)


001:地/銀色のエスカレーター地下街へ潜れば恋に溢れる二月
002:欠/今晩はやけにさみしい青白く欠けた月など見たせいですか
003:超/超越のオレンジ高すぎるヒール誰もが変わりたいのでしょうね
004:相当/相当にくたびれ褪せているけれど磨き直せるふたりだろうか
005:移/新しい鉢に移せば芽吹くのか灰白色に凍えた恋は
006:及/ああ黒に及ぶべからずじわじわと広がる闇を湛えた腹部
007:厳/厳かにやさしく白くあたたかな肉まんひとつ分け合う夜更け
008:製/鉄製の赤いバッグを食い込ませ満員電車で向かう戦場
009:たまたま/たまたまです 出会ったことも好きなのも白髪をからかい合う日常も
010:容/寛容の海にたゆたう仄白い月の視線に撫でられながら

011:平/冬枯れの国道沿いに咲く色を数えてゆけば 平気 歩ける
012:卑/新緑は卑怯じゃないか泣き出したきみをふちどる正しいひかり
013:伏/ファインダー越しに捕らえる伏せがちなガラスに架かる褐色の月
014:タワー/カラフルなことばのタワーを積み上げてわたしに春を連れてくるひと
015:盲/手さぐりで触れて手さぐりで突き放す盲目だったと白い言い訳
016:察/思いつく限りの緑で作られた診察室に眠る戦略
017:誤解/誤解なきよう金赤はカーマインではないわたしもあなたではない
018:荷/荷ほどきの手をとめ窓を開け放ち卵色した春を呼び込む
019:幅/前をゆくチャコールグレーの肩幅を目の奥深く焼きつけ歩く
020:含/二月にもかすかに春は含まれて空へ空へと膨らむ木の芽

021:ハート/何もかも知っているよと目を閉じるハート模様を背負う白猫
022:御/金色の「御出席」には線を引く おめでとうしあわせにならないで
023:肘/世界中ゆうやけ色につつまれてあなたの肘にいま触れる肘
024:田舎/またひとつ消えゆく田舎 今朝からは木造じゃない灰色の駅
025:膨/風化したことばを選ぶ空っぽの心が淡く膨らむように
026:向/薄紫色のカーテンゆれている息もできずに向かいあう部屋
027:どうして/薄墨に沈みこむ街 好きなんてどうして言ってしまったんだろう
028:脈/脈絡もない恋でした唐突に火花が散って始まるような
029:公/公園の青いベンチは空じゃなく深海 沈みこむわたしには
030:失恋/白日に損傷として届けます失恋休暇を許可願います

031:防/どうしても防ぎようのない波でした青く心を染め上げられて
032:村/この村にひとつしかない雑貨屋の前のベンチで見上げる緑
033:イスラム/ただ食べて歌って眠れどこまでも青一色のイスラムの空
034:召/いろいろと隠し味とか入れたけど真っ黒だけどさあ召し上がれ
035:貰/貰いたいものならひとつ闇ばかり広がる夜におやすみの音
036:味噌/味噌を溶く荒れた手を愛しむように淡くくちづけくれるこいびと
037:飽/飽和する七色の虹 その声に後ろから抱きしめられるとき
038:宇/漆黒の宇宙にぽかりと浮かんでるような夜です ふとんに潜る
039:迎/ゆびさきを迎えるように目を瞑る オレンジの残像、そして熱
040:咳/すこし咳き込む夜の道さっきまで風邪のあなたに包まれていた

041:ものさし/真っ白なものさしを押し当てられてわたしは間違ってばかりいるね
042:臨/三ヶ月ぶりのあなたに臨むとき心は固く青い手触り
043:麦/小麦粉か何かでできているこれは温くて白くてあなたのようだ
044:欺/欺いてほしい青すぎる空だから正しさだけの日々じゃないから
045:フィギュア/しとしととみずいろの窓かたまった笑顔のフィギュアひとつ飾った
046:才/才能をひとつひとつと捨てていく淡くあなたに愛されたくて
047:軍/どれくらい待てば攫ってくれますか朱く気弱な我が軍師殿
048:事情/いろいろと事情があって真っ白なひかりを浴びに向かう自販機
049:振/すききらいすききらいすき毎夜ごと振り子のように滲む心音
050:凸/凹凸のない闇に沈み込んでいる着信ひとつ与えられずに

051:旨/諦めることだけ上手くなってゆきしらじらと足す旨味調味料
052:せんべい/しみしみとせんべいを食むそれなりに青い春から遠い二人で
053:波/波のようにすきだと告げて砂色の孤独を指に置いてゆくひと
054:暴/足りなくて終わった会話 夕闇にまたさみしさが暴れはじめる
055:心臓/取り出して眺めてほしいどんなにか君に色づく心臓だろう
056:蓄/青色のひかりを内に蓄えてその指に放たれる日を待つ
057:狼/雪の朝まっ赤なコートにつつまれて会いにゆくわたしの狼に
058:囚/後ろから囚われておくパステルの甘さがほしい春の宵には
059:ケース/ごく稀なケースであった 初めてのランチそれからさみしい夕日
060:菊/菊を買う 離れることを愛として葬るまでの白い逡巡

061:版/初版本集める趣味を持つひとに初めてなんて鈍く吐く嘘
062:歴/歴代の彼氏を指折り数えてるあなたに秘めたままの色彩
063:律/油彩画のような窒息 約束を律儀に守られていく日々は
064:あんな/あんなひともうすきじゃない みずいろの朝焼けに溶く嘘になるよう
065:均/均一のやさしさじゃなく執着の暗く爛れた心を見せて
066:瓦/くすむたび砕いてしまうぱきぱきと夜ごと瓦礫のこころが騒ぐ
067:挫/骨までも真白く凍りつきそうだ挫いた恋にあてがう湿布
068:国歌/唯一の歌を掲げよ唇を国歌に染めて死にゆく僕等
069:枕/赤い目をひらきはじめる朝が射す 眠れないのは枕のせいだ
070:凝/凝固したこころに春をそそぎこみ耳を澄まして雪解けを待つ

071:尻/帳尻を合わせるようなやさしさをしらじら浴びる折檻のあと
072:還/後悔をしていいのなら色付いてしまう間際のふたりに還る
073:なるほど/なるほどね、としか言えない 純白の心が欲しかったと言われても
074:弦/潤む目に上弦の月 腹の奥までいっそ鉄色に染まれよ
075:肝/うららかな午後のカフェにて肝試しみたいに白い友の報告
076:虜/春色のシフォンスカートひるがえし本の虜のきみを連れ出す
077:フリー/アルコールフリーを飲んでいたくせにほっぺが赤いわけを知りたい
078:旗/白旗を揚げるしかない不機嫌も怒りも嘘も許されていて
079:釈/いつまでも明けない夜だこいびとの泥の色した釈明の果て
080:大根/大根の葉っぱを落とす土色の今日の記憶を断ち切るように

081:臍/ことばすら与えられずに寝付けずに臍の辺りで暗雲は立つ
082:棺/しあわせのぶんだけ受け取る苦しさを黒い棺に毎夜並べる
083:笠/電灯の笠の埃を拭わない母の料理はいつも茶色い
084:剃/ぼんやりと剃刀の刃を眺めてる透明な陽の差し込む部屋で
085:つまり/さっきから二時間話していることのつまりクリアに別れたいのね
086:坊/赤ん坊ではないようね靴下は散らかすけれど自分で履ける
087:監/生温い部屋に収監されたまましずかに死んでしまう色彩
088:宿/宿無しの猫の強さで青空の日にはあなたに撫でられにゆく
089:潮/ほっぺたの紅潮めまいに似た熱の理由ならもう知っているけど
090:マジック/あとはもう乾くばかりだマジックのキャップを失くしたような終局

091:盤/グリーンで溢れた街だ3ミリに縮んで歩く基盤の上は
092:非/非売品だった心を売りに出す赤札つけておまけもつけて
093:拍/赤くなるほどに掴んだ手首から脈拍だけがやけに伝わる
094:操/操縦桿にぎれば墜落するようなわたしをつつむ空のあなたは
095:生涯/生涯であとどのくらい泣くのだろう夜更けの青く冷えた枕に
096:樽/金色のシロップ樽の日常に漬けられてもう歩き出せない
097:停/停車駅だったわたしを通過して赤の他人に戻りゆくひと
098:覆/透明な春の気配に覆われてしずかに洗われてゆく視界
099:品/本日の不機嫌をやり過ごすため色鮮やかな一品を足す
100:扉/憂鬱の冬にくすんだ僕たちをやり直すため扉をひらく


以上100首、2月6日スタートで、2月29日にゴール。
今年もぎりぎり2月中の完走を果たしました!

今年の裏テーマは「色」でした。
お題に気を取られすぎて、つい入れ忘れて詠み直したりと、かなり裏テーマに苦しめられました…
去年の「痛」の方が圧倒的に詠みやすかったなぁ…(;>ω<)

毎年2月の楽しみ、今年も参加できてとても嬉しかったです。
来年も楽しめますように(*´∇`)