2016/2/28
2016.03.14 08:21
8701 095:生涯/生涯であとどのくらい泣くのだろう夜更けの青く冷えた枕に
8700 094:操/操縦桿にぎれば墜落するようなわたしをつつむ空のあなたは
8699 093:拍/赤くなるほどに掴んだ手首から脈拍だけがやけに伝わる
8698 092:非/非売品だった心を売りに出す赤札つけておまけもつけて
8697 091:盤/グリーンで溢れた街だ3ミリに縮んで歩く基盤の上は
8696 090:マジック/あとはもう乾くばかりだマジックのキャップを失くしたような終局
8695 089:潮/ほっぺたの紅潮めまいに似た熱の理由ならもう知っているけど
8694 088:宿/宿無しの猫の強さで青空の日にはあなたに撫でられにゆく
8693 087:監/生温い部屋に収監されたまましずかに死んでしまう色彩
8692 085:つまり/さっきから二時間話していることのつまりクリアに別れたいのね
8691 084:剃/ぼんやりと剃刀の刃を眺めてる透明な陽の差し込む部屋で
8690 083:笠/電灯の笠の埃を拭わない母の料理はいつも茶色い
8689 082:棺/しあわせのぶんだけ受け取る苦しさを黒い棺に毎夜並べる
8688 081:臍/ことばすら与えられずに寝付けずに臍の辺りで暗雲は立つ