『シン・ウルトラマン』
ウルトラマンと言えば、ハヌマーンと共にタイで怪獣をリンチしていたやつ。という認識である。というのはさすがに誇張しすぎな気もするが、今までちゃんと観たものが「ウルトラ六兄弟VS怪獣軍団」ぐらいなのでしょうがない。
昔ウルトラマンを見ていたような気はするのだが、いまいちそれがどんなウルトラマンなのか分からない。そんぐらいの知識ではあったが、それでも『シン・ゴジラ』も『ゴジラkom』も『ゴジラSP』も観れたんだから、ウルトラマンだって観れるだろう。という気分で、『シン・ウルトラマン』も観た。
いや、本当は怪獣が観たくて見にいった。ウルトラマンは見てないけど、予告の怪獣がなんかカッコよかったのだ。
まあ結果としては、怪獣パートは結構序盤で終わってしまうのだけれども。
いっぱい怪獣は出てくるけれども、わりと序盤で雑に処理されてしまう。言うなれば、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の序盤で八割死ぬようなあれである。
その後は怪獣・怪獣・異星人・異星人という感じ。最近だと『呪術廻戦0』もそういう感じだったんだけど、総集編みたいな構成をしている。あんまり繋がりがないというか、一応「私の仕業だったんですよ、ふっふっふ……」系の暗躍していた異星人が出てくるけれども、やはり薄い繋がりで、ぶつ切り感が否めない。まあ、原典であるウルトラマンシリーズがテレビ構成であるがために、その形を模倣すれば、ぶつ切りになってしまってもしょうがない気もする。『呪術廻戦 0』は短期連載をまとめてましたね
昨今はネタバレに厳しいのであんまり内容については語らずに、別のところの話をするんだけど、この映画、妙にカメラが近い。隠しカメラみたいなアングルで、椅子越しに~とかで役者を撮影していることもあれば、普通に顔をどアップで映すこともある。
なんなら多分一度だけだと思うんだけど、ちょっと画質の荒い長澤まさみがアップで映ることもある。作劇的演出かな? と一瞬思ったけど、画質の荒い長澤まさみになんの意図があるんだ? という気持ちもあるし、でも逆になんで画質の荒い長澤まさみがいたんだ? という疑問も残る。
個人的に好きだったシーンは人類の英智を集めた会議をVRでやるんだけど、それが『PSVRで遊んでいる』みたいなシーンになっているところ。本当にPSVRでした。人を集めないで済む。人を多く雇わないで済むという点においてすごい良い演出だったな。と思ったんだけど、よくよく考えたら『VR』の演出でなんで遊んでいる様子を撮るんでしょうね。
くだらないことが人類を救うのかもね。みたいなフォローの言葉が入っていたけれども、それが作劇に組み込まれていたか? と言えばそうでもなく(そういうのを組み込んでたのは『大怪獣のあとしまつ』でしたね。俺は好きですよ、あれ)、まあ予算がなかったのか、SONYが宣伝しろって言ってきたかのどっちかじゃあないでしょうか。
下からぐんとアップで撮ることが妙に多い『シン・ウルトラマン』。画質の荒い長澤まさみがいた気がする『シン・ウルトラマン』。ラストバトルがわりと『CUBE2』な気がしてならない『シン・ウルトラマン』。人類の叡智は活躍しましたか? 悩ましいところがあります。そんな映画