スイーツめざして駆ける飛騨金山の曇天
この季節になると税金の請求やらなんやら来るのだが、それに合わせて来るのが某ロードサービスの更新である。みなさんご存知の車のアルファベット三文字の方ではなく、バイク用のロードサービスのね。毎年毎年払ってるんだが、一回もお世話になったことがないので、もういい加減ええんでないかと思うこともあるが、保険屋さんが言うには「保険はやめたときに必要になることが多いのです。統計的にも出ています。」その通りです、保険をやめた途端に病気になったり事故を起こしたりするのである。であるが故に、やっぱり今年も更新しておこうと思うのだった。で、まっちゃんにお願いしたら、快くオッケーが出た。ヒマだから自分で振り込んでくるか、と決していいカッコしよう思ったわけじゃないよ、ホントだよ、まっちゃんに言ったら、それならアタシの口座からやっといて、アンタの口座お金入ってないから、となんか恐ろしいことをあっさり言われたけど、まあ気にしないでおこう。とにかく、まっちゃんの銀行口座の預金通帳を持って、自転車に乗って近所のスーパーの近くにある、ATMまでやってきた。ちなみにATMとはAutomatic Teller Machineの頭文字をとったもので、現金自動預け払い機である。自動列車制御装置automatic train controlのことではないぞ、鉄オタ諸君。実はATMで振り込みなんぞやったことがないのである。いや、やっとことはあると思うけど、ウン十年前くらいで、その頃に比べたら、機械の進化がすごいだろうからさ、できるかどうかちょっと不安だな。しかし、自分でやると言い出した以上、やらねばならぬのだ。威風堂々とATMに向かうと、液晶パネルを見降ろした。なんかいろいろ書いてあって、最初にどれに触れたがいいのかわからん。うーん、多分、このボタンでいいのじゃないだろうかと思って触ったら、振込票を入れろと言うので、どこに入れたらいのかわからんぞ、うおー、どれだどの入り口に入れるのだーと叫んでいたら、ピカピカ光ってた。あ。コレか。振込票を入れたら、通帳かカードを入れろと言うので、どこに入れたらいのかわからんぞ、うおー、どれだどの入り口に入れるのだーと叫んでいたら、ピカピカ光ってた。あ。コレか。通帳を入れたら、暗証番号を入力するように言われたので、テンキーコードで・・・あれ? あ、ちょ待てよ、これまっちゃんの通帳だよな、と言うことは、まっちゃんの暗証番号を入力するんだよな。まっちゃんの暗証番号って何番だ? 知らんぞ。自分の通帳の番号なら知ってるけど、まっちゃんの通帳の番号なんぞ、知らんぞ。いや待てよ、教えてもらってるのかも知れん。まっちゃんに推しててもらったのといえば、アレだっけ、それともアレだっけ? それともアレ? アレレ、わからへん。アレレのレーになってお手上げしてたら、後ろから冷たい視線を感じたので、ふと振り返ると、そこには行列のできる法律事務所ができてた。げ。ヤバい。ヤバいぞ。こんな行列ができてたら、ちゃっちゃとやらないと、真後ろにいるハイヒールのバリキャ風のねーちゃんに「あなたなにやってるの、はやくしなさい」と言われてしまう。ハイヒールで踏まれてしまう。お許しください女王様、もっと踏んでくださいとなってしまうぞ。仕方がない、まっちゃんに電話して聞こう。いやだめだヤバい、ATMの前で電話なんぞしたら銀行員が飛んでくるぞ! ヤバいそれだけは避けなければ。しかし、どうすればいいんだ! ここは一か八か、あの番号を入力するしかない! しかし、もし違っていたら・・・ファオンファオンファオン! 警察だ! 大人しくしろ! かくほーーっ、違うこれは違うんです! ということになってしまうぞ。よし。覚悟を決めて入力するぞ。これが最後のチャンスだよ! 指の震えを抑えつつ、ぼくはプッシュしたよ。ポピポピ。ポピポピ。キマった。もう後戻りはできないぜ。これが違っていたら、終わりだ。みなさんありがとうございました。これが最後ですさようなら。また会う日まで。三笠の山に出し月かも。しかし、奇跡が起こった。エラー表示は出ることもなく、金額の入力画面になったのだ! やった! やったのだ! よし、あと一息だ。金額を入力したら、確認ボタンを押し、すべた完了した。やったのだ。この途方のないプロジェクトを完了させたのだ。やった。やったんだ。うおおおおーっと拳を天に突き上げてポーズをとってたら、再び、後ろから冷たい視線を感じて振り返ると、そこにはアブナイ人を見る目つきで見るATM待ちの人々がいた。げ、急いで終了処理をして、ATMを脱出した。この達成感、ウホウホでまっちゃんに報告した。よし、この勢いでツーリングに行ってくるぜ! この勢いで行ったら成功間違いなしだぜ! いってわっかなーい。(ネタがワンシーズン古いよ)
さて、今回のツーリングは、前回、高山で偶然スイーツを発見したらデラウマだったので、高山のスイーツを調べたら、なんと、高山とはスイーツの宝庫だという情報を手に入れたのだ。そこで、一時期、食いまくった高山そばに続いて、高山スイーツを食いまくるツーリングを企画したぜ。よし行くぜ。当日は朝早めに起きようと思ったのに、ちょっと寝坊してしまったので、慌ててまっちゃん特製チーズトーストゴーストオブファントム風を食ったら、準備して実家ガレージに移動する。空気圧もバッテリーもバッチリの旗艦CB1300SFライアン・ストーン号を引っ張り出すと、エンジン一発始動! 天気は曇りだが、予報では昼から晴れて来るようなので、それまでの頑張って走るぞ。ちなみに、空気圧は前輪2.5後輪2.9が適正値だが、これって気温に左右されるんだよね。前日の夕方、昼から雨が上がって太陽かんかん照りのすげー暑くなってた時間、ガレージ内気温は32度、そのときに測ったら前輪2.7後輪3.2だったんだ。で、出発日の朝、ガレージ内気温が12度、そのときに測ったら前輪2.55後輪3.0で、これってほぼ適正じゃん。ということで、空気圧は朝は測った方がいいのだと結論が出たところで、出発した。
まずガソリンである。いつものコスモ石油でのやり取りは毎回同じなので、略させていただきます。レギュラー割引後価格148円で、一時期から見るとちょっと落ち着いたけど、まだまだ高いよな。過去のツーレポ見ると、今より遥かに安いのに、この世の終わりみたいに騒いでたけど、もう今やこの世の終わりを突き抜けちゃってるよ。
コスモ石油を出たら、国道19号線を多治見方面に向かう。曇天に気温も低くて道路脇の電光掲示板温度表示は10度、まるで冬のような気温だ。昨日の午後の灼熱の太陽にジリジリ焼かれてたのが嘘みたいに、今日は氷の風が吹き荒れるような気候になってた。こうなると思って、かなり思い切ってヒートテックの極暖くんを着てきたのだが、それでも全然寒いのであった。いやー参ったな、やっぱりライトダウンも着てくるべきだった。しかし、そこまで着たら昼から天気が良くなって気温が上がってきたら暑くてたまらんくなるに違いない。今は我慢だ。きっと昼から暖かくなる。
多治見から国道248号線を走って美濃加茂まで行く。朝早めに出てきたので、道はガラガラ、すっ飛ばして行く。ちょ寒いけどな。美濃加茂に入って、交差点を曲がったら、後ろからパトカーが現れた。なにい! 今ちょっと信号変わりッぱなで曲がったけど、やばかったんか。いや待て、矢印出てたよな。矢印信号が出てたよな。後ろに迫ってくるクラウンアスリートの黒白パトカーが、赤ランプを回しながら近づいて来る。次の信号も変わりっぱなだったので、今度はちゃんと止まった。いや、今度はちゃんと止まったって書いたけど、さっきが見切り発車したわけじゃないよ。さっきは矢印信号だったからビミョーな感じになっちゃっただけだよ。後ろに迫るクラウンアスリートの白黒パトカーが迫ってきた。そして後ろにピッタリついて止まった。ファオーーーン、はい前の黒いヘンタイ風のライダー止まりなさい! なんて言われたらどうしよう、ヤバいヤバいヤバすぎる。ビビってたら何事もなく信号が変わったので発進して、そこからも極めて安全運転で進むのだった。くそう、流石の最強HONDAも、相手がケーサツ機構では勝ち目がないぜ。見えなくしてやりたいが、それは同時にオレの免許証が見えなくなっちゃうってことでもあるからなー。バックミラーに写し出される白黒パトカーは、しかし、さらに次の交差点で右に曲がっていなくなった。フッフッフ、ハッハッハ、ダアーッハッハッハ!! パトカーなんぼのもんじゃい! さすが最強HONDAだぜ! パトカーもバックミラーから見えなくしてやったぜ! やはり最強はこのHONDAなのだ! この勢いで飛騨金山までブッチギリで走っていくと、タイムリーで休憩した。だって寒いもんね。お茶を飲んでちょっと暖まる。これで頑張れるぜ。行くぜ。
しかし、ちょっと走ったらもう寒いのであった。パトカーも見えなくする最強HONDAだが寒いのであった。そして、空はちっとも晴れてくる様子がないのであった。なんかだんだんテンション下がってきた。最近はテンサゲというそうだが、とにかく、なんだかもうなんだかなー。たらたら走ってたら工事中のところまできた。そこを過ぎたら下呂温泉、さらに進んで道の駅渚までやってきた。気温は11度だった。このクソ寒いのに、バイクが何台も止まってた。いやクソ寒いって、冬じゃないのになんでこうなる。
道の駅渚を出たら、あとは一気に高山まで突き進んだ。高山のランドマーク高山陣屋でお約束の証拠写真を撮った。それから作戦を考える。
とにかく、この寒さをなんとかせねばならん。コンビニは既にコールドドリンクばかりなので頼りにならない。となれば、もはや手段は一つだけ、寒いのは腹が減っているからである。なんか食おう。食うのはコメに限る、日本人はやはりコメを食ってなんぼのもんじゃ。小麦粉がめちゃくちゃ高騰してパンが高いから、コメを食うんじゃ。いやそれはないわ。パンも食いたい。麻やのパンとかペイザンのパンとかポルカのパンとか、でも今日はコメを食わないといかんのだ。コメを食って体内を活性化させるのだ。そしてこの時間、朝早い時間にコメが食えるのは、やはり元祖はやいやすいうまいの吉野家である。すき家でもいいけど、吉野家はナナコカードが使えるからね。
こうして高山の吉野家に入った。高山で吉野家ってなんか玄人っぽくね? 素人はここで甚五郎のラーメンとか、いやうまいけどさ、めちゃうまいけどさ、でもここはあえて吉野家に行くのであった。駐車場のいつもの場所にCB1300SFを止めた。そして、お店に歩いて行ったら、駐輪場にオルトリーブのバックパックをつけたロードバイクが止まってた。ラフアンドロードのシートバックを積んだシングルバイクが止まってた。これは、ゴールデンウィークが仕事だった人が休みをとってツーリングに来てるんだな。店に入って、カウンターに座って、今日はコメを食うのがテーマなので、いつもの牛丼ではなく、時間も早いので朝定食にした。他の人がみんな食ってるもん。多分、向かいの席の人がロードバイク乗りで、奥のテーブルの人がシングルの人だと思うけど、みんな朝定食を食ってた。ツーリングの途中で朝定食って、いいじゃん。みなさんにあやかって、泊まりツーリングしてるような気分になろうということで、横並びの朝定食、もちろん無料で大盛りなのである。そして注文したらすぐでてくるのが吉野家クオリティ。ハムエッグ鉄板熱すぎるぜ。クーいい感じだぜ。コメ食らって牛皿食ってハムエッグ食って味噌汁飲んでサラダは冷えるから最初に食っちゃた。全部食ったら体が活性化してきたぜ。よし、この勢いでスイーツに行くぜ!
が、しかし、狙ってた第一候補のスイーツ店は休みであった。狙ってた第二候補は営業時間前であった。仕方がないので、この前行った、カヌレの店に行った。そしたら休みだった。がーん。そんなバカな。これはおかしいぞ、スイーツが、ああスイーツが飛んでいく〜。くそ、こうなったら仕方がない。最後の手段だ。高山では5本の指に入ると言われるケーキ屋に行って、ケーキ食っちゃうもんね。バリバリのライダー姿でケーキ食うなんて、ちょっとアブナイ人みたいだけど、もう誰にも止められないぜースマホで場所を調べて、そこへ直行する。
意外にも迷わず到着した。店に前に駐車場にバイクを止めてお店に入る。迎えてくれたのはケーキ屋さんにはつきものの可愛い女の子の店員さんであった。やばいアブナイ人を見るような目で見られたらどうしようかと思ったが、フツーに対応してくれた。ケースにはおいしそうなケーキが並んでいたが、どれもフツーのケーキばかりだった。王道のケーキばかりだった。これは玄人好みのお店だな。奇を衒ったものがないということは、味に自信があるからだ。奥にカフェがあってケーキを選んで食えるので、フツーのケーキばかりの中で、変わった名前のケーキがひとつだけあったので、それを注文して、コーヒーを注文して、カフェに移動して座った。
オサレなカフェだった。が、誰もいなかった。こんな朝っぱらからコーヒーにケーキ食う客はおらんわな。が、しかし、待ってる間に持ち帰りの方には客が何人も買いに来てた。うーむ、さすが人気店だ。感心してたらケーキとコーヒーがきた。変わった名前のケーキ、森のプーさんだったけ森のナンタラというケーキ、さくらんぼが乗ってるので季節ものだと思って注文したのだよ。フッフッフ、こちとら甘いものの素人じゃないんだぜ。では、まずさくらんぼから食った。食った瞬間、マジ、これうまい、ここは本物と確信した。フルーツがうまい店は絶対にうまいのである。今は亡き、某小牧のケーキ屋とかな。さくらんぼが絶妙にケーキの甘さを損なわない程度の甘さでバランスがいいのであった。一気に食っちまったので、あとはコーヒーを飲んだ。コーヒーもうまかった。食ったので帰ろうと思って席を立ったら、奥の方に本が並んでたので見に行って、そしてこの店に人気のワケがわかった。
そう、ここはあの高山を舞台にした人気アニメの聖地だったのさ。ということは、アニメオタクがこれまでも何人も来てたということで、あーなるほど、この程度のヘンタイライダー、見慣れとるということか。だから可愛い女の子店員も冷静な対応ができたわけか、そうなのか、そういうことか。
さて、食って満足したので帰ることにしよう。そろそろ晴れてくるかと思ったが、まったく晴れる様子もないので、思い残すことはない。一気に国道41号を走って、途中、道の駅白川に寄って、そして最後にファミマに寄って、なんと、ファミマにはホットのゆずレモンがあったので買って飲んだ。ここのファミマ最高だよ。
本日の出費
お茶 141円
吉野家 541円
ケーキとコーヒー 790円
ホットレモン 141円
本日のCB1300SFの走行距離 340キロくらい
累計のCB1300SFの走行距離 35670キロくらい