No.637「大切なお知らせ」「10年経って」
2022.05.14.No.637
「 お届け費用変更のお願い 」
なな.
「都会の人に美味しい山の水をそのまま飲んでもらいたい」という思いから始まり、今年で28年目を迎えた会津の水の宅配。
あいづの水は、お水を販売するというのではなく、皆さんの代りに私たちが山へ水を汲みに行き、その採水費用をいただくという形をとることで、湧水をそのままお届けできる仕組みになっています。その仕組みにご納得をいただけた方のみの会員制での宅配です。
皆さんに続けていただき易いようにとの思いで費用を設定しておりますが、この度見直しをせざるを得ない状況となりました。6月の配達より変更させていただきたいと思います。(お届け費用変更のお願いは紙面内にて)ご協力をお願いいたします。
「 10年経って 」
高 志
3年ぶりとなった行動制限のない大型連休は、いわゆる後半となる5/3からの連休に各所で相当な賑わいとなったようで良かった。
高速道路では各所で大渋滞となり、久しぶりに渋滞何十キロという情報を耳にした。そのおかげと言ったら大渋滞にはまった方々に怒られてしまうが、都内は普段よりも空いており配達するには快適であった。
万延防止法が解除されるのではと巷で囁かれ始めた3月中旬以降、少しずつ車の通行量が増してきて、配達に時間がかかるようになってきたなと思っていたので快適であった。
5/3からは好天にも恵まれ、特に屋外のレジャー施設は大変な賑わいだったようだ。それは地方でも同じようで、水の里においても東北釣堀苑はコロナ禍以前のような混雑になり、6日の金曜日はアルバイトの確保も出来ず対応できそうもないので休みにしたと、若旦那のとも君が苦笑いしながら報告してくれた。
しかし、天気と言うくらいだから人々の気が作用するのだろうか。連休明けの9日は2ヶ月くらい季節が戻ってしまったかのように肌寒い日となった。まさに『雨の日と月曜日はいつも私を憂鬱にする』と唄われたような日であった。
日中は夏日になるほど気温が上がる水の里だが、夜から朝にかけては霜注意報が出るほど寒くなる。定宿にしている森のバスは、日中は窓を開けはなっていないと蒸し風呂のようになってしまうが、日が陰るとストーブをつけるほど気温が下がる。実際に霜がおりることは無かったが、吐く息は白かった。
さて、日が長くなり、その分作業時間も長く取れるようになって作業がはかどったこともあったので、およそ10年ぶりに山菜を取りに風車下の山へと向かった。この場所は、6月以降”根まがりたけ”が採れる山の尾根伝いにある。風力発電用の風車が4基連なっていることから、地元の人たちから風車下と呼ばれており、”根まがりたけ”の他に”わらび”が取れる時期には山菜狩りの車が連なるほどの人気の場所だ。
さすがに10年ぶりともなると、目的地までの林道(もちろん舗装されておらず、砂利道)の長さも驚きだったが、風車の手前に立ち入り禁止の鉄製のバーがかけられており、そのことにすっかり驚かされた。
記憶では、そこから一番奥に鎮座する風車まで車で行けたはずなのにとほぞを噛み、仕方が無くその場所に車を停めてひたすら歩いた。しかし、帰り際に後から来た車がそのバーを2人がかりで移動して、当たり前のように車で先まで行くのを確認し、そう言えば10年前もそうやって鉄製のバーを移動したような記憶が・・・、などとおぼろげながら思ったりしたのだが、1人でバーを移動するには余りに重かったので、10年前にはどうやって移動したのだろうとますます解らなくなってしまった。
10年ぶりに歩いたその場所は、当時”タラの芽”や”こしあぶら”がたくさん採れた場所なのだが、さすがに10年も経つと山も変わってしまったようで、タラの木は3m以上にも伸びてしまい、”こしあぶら”に関してはその木すら無くなってしまっていた。
時の経過を嘆いていても仕方が無いので、今年は何も採れずに空戻りになっても、また山を歩いてみようと思う。収穫物が無いのは残念でならないのだが、尾根伝いに流れる風を感じながら山を歩くのは、何とも気持ちが良いのである。10年前は、ただひたすら収穫することだけを考えて山を歩いていたが、今度は山歩きを目的に、そのついでに収穫物にありつけたらと、そんな気持ちでちょうど良いのかもしれない。