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【ロシアの戦争についての考え方】by ちひろさん

2022.05.17 03:25

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【ロシアの戦争についての考え方】


5月9日はロシア戦勝記念日で、それは何よりもロシアがベルリンを陥落させることで、ナチの支配を倒し、第二次世界大戦を終わらせた日として、ロシアではとても重要な記念日なのだそうだ。この日はロシア全土ばかりではなく、ポーランド、ドイツ、ラトビアなどでも記念碑に花が供えられた。ナチスドイツに支配されていた東欧圏を解放し、アウシュビッツなどのユダヤ人強制収容所を解放したのはロシア軍だったのだ。


だからこの日には、ナチスと戦った人々に感謝するために、記念碑に花が献じられ、遺族は写真を掲げて行進する。その様子を見ていると、ロシアにとって戦勝とは領土を獲得したとか何とかそんなことではなく、国土をナチスから守ったということなのがよくわかる。第二次世界大戦はフランスやイギリス、ドイツなどにとっては、何よりも植民地をめぐる戦争だったわけなのだけれど、ロシアにとっては完全に自衛のための戦争だった。ナチスドイツが侵略してきたので、防衛のために軍事行動を起こしたのが、ロシアにとっての第二次世界大戦だったのだ。


ところがこの日、ポーランドでもドイツでもラトビアでも、他ならぬロシアをナチ呼ばわりする人々がいたのだ。このことには、激しいショックを感じた人もたくさんいたと思う。ワルシャワの記念碑の前では、ウクライナの活動家たちが赤い塗料をかけて血みどろみたいにしたシーツをかぶって横たわり、花を供えに来るロシア人に向かって「ナチ! ナチ!」と叫んでいた。ラトビアでは、記念碑前にぎっしりと並べられた花が無残にもトラクターで撤去された。戦勝記念碑や戦死者の記念碑に塗料スプレーで「ナチ」と書かれたりもした。


メディアで何度も繰り返していれば、真実とは真逆のことさえまかり通ってしまうのだろうか? ウクライナのアゾフ隊員たちは、公然とナチだと言っているし、ハーケンクロイツやナチの親衛隊のマークをつけているし、刺青を入れている人たちも多い。アゾフ連隊では、「ウクライナに栄光を。ウクライナをすべての上に。敵には死を。ロシア人を殺せ」と言っていて、それを子供たちにも言わせさえしている。2014年以降こうした動画がいくらでも出ているし、ドキュメンタリー映画にもなっている。最近では、ウクライナ軍にボランティアの非戦闘員として行っていたフランス人のアドリアン・ボケが、アゾフ隊員はナチだということを隠しもしていないし、市民を虐殺したりしていると証言していた。


それなのにウクライナ政府やウクライナの活動家たちも西側のメディアも、アゾフはナチではない、ロシアがナチだと言い続けているのだ。ナチと戦っているロシアをナチ呼ばわりし、実際にナチ化しているウクライナを世界中が支援している。戦後80年近くにもなって、まさかこんなことがあろうとは思わなかった。世界が再びナチ化したようなことになってしまっているのだ。


ロシアにとっては、今ウクライナで起こっている戦争も、第二次世界大戦と同じことなのだ。ナチから国を守り、ナチの犠牲になっている人たちを解放すること。そのためにロシアは8年前からアゾフ連隊の攻撃を受けているウクライナ東部のドンバスでウクライナ軍と戦っている。ドンバスをアゾフの攻撃から守り、解放するためにだ。


ウクライナの戦争が始まるまでは、私もロシアがベルリンを陥落させたということを知らなかった。ナチの総統であるアドルフ・ヒトラーがベルリンの地下壕で、もはや勝ち目はないとなって自殺し、第二次世界大戦は終わったという話は有名だ。そのときベルリンを包囲攻撃して陥落させたのは、ロシア軍だったのだ。


ところが、戦後この歴史が西側によって書き換えられていったのだと、サンクトペテルブルクに住むドイツ人ジャーナリストのトーマス・レーパーは、5月9日の記事「何故ロシアにとって5月9日がこれほど大事なのか、また西側はどのように歴史を書き換えようとしているのか」で書いている。「アメリカとヨーロッパの連合軍」がナチに勝った、という風にアメリカを強調して、ロシアの存在を消していったのだと。実際、多くの人はアメリカがナチに勝ったのだと思い込んでいて、アウシュヴィッツを解放したのはアメリカ軍だと言っていたりもする。ロシアは東欧諸国と東ドイツをナチから解放したので、アウシュヴィッツなどいくつかのユダヤ人強制収容所があった地域もベルリンもその中に入っている。それなのに、それがロシア軍の功績によるものだという事実を何とか隠そうという試みが、実は戦後すぐに始まっていたのだ。


それというのも、第二次世界大戦というものが、そもそもドイツとロシアを敵対させて戦争させ、漁夫の利を得ようというシティ・オブ・ロンドンの企みだったからなのだと思う。ドイツとロシアは実のところ昔から深いつながりがあって、ロシアにはドイツ系の人がたくさんいるし、ドイツにもロシア系の住民がたくさんいる。ロシアとドイツが繋がったら、英米には勝ち目がなくなる。それで何とかして、ドイツとロシアを敵対させ、互いに戦わせてつぶしてしまおうというのが第二次世界大戦だったのだ。


そのために、シティ・オブ・ロンドンはドイツを意図的にナチ化させ、ロシアに対して戦争をけしかけさせたのだ。ヒトラーはタビストック心理研究所に送られて、心理操作を受けてドイツに送り込まれたのだと言われている。ドイツのナチ化は、ドイツの内部から起こったものではなくて、心理操作技術によって外からなされたものだったのだ。


だから、ベルリンの地下壕でヒトラーが自殺したというのは偽装にすぎなくて、実はイギリス軍の助けを借りてベルリンを脱出し、Uボートで南米に逃亡し、アルゼンチンに住んでいたのだという話もある。このことについてはくわしく調べてみたわけではないけれど、ヒトラーがイギリスが送り込んだ工作員であったのなら、それは大いにあり得る話だと思う。


ナチはそれで撲滅されたということに表向きではなっていたのだけれど、実のところはいたるところに残っていたということが、このウクライナの戦争で表に出てきていた。戦後のニュルンベルク裁判で裁かれたのはごく一部にすぎなくて、多くはアメリカに行って、アメリカ軍やCIAのために働いていた。ナチが研究開発していたMKウルトラという心理操作術もCIAが受け継いでいるし、ナチの軍事技術も米軍に行っている。ウクライナにはナチとともに活動していたステパン・バンデラがいて、ユダヤ人虐殺も行っていたというのだけれど、ドイツのナチと違って裁かれはしなかったそうだ。この後継者たちであるバンデラ主義者はウクライナ人純粋主義を唱えていて、ウクライナの国土からウクライナ民族以外の人間を排除するべきだと言っている。


戦後は、ロシアが脅威だということでNATO軍が作られ、西側ではロシアを仮想敵国とした軍備体制が作られていくのだけれど、これも実のところ、第二次世界大戦と同じことで、ドイツとロシアを敵対させておくことで漁夫の利を得ようということだったらしい。ともかく東西の冷戦のおかげで、巨額の税金が軍事産業に流れていくことになった。ソ連が崩壊して、ロシアが共産国ではなくなった時点で、NATOは必要なくなったはずなのだけれど、それでも西側はロシアを仮想敵国とするのをやめず、NATOは拡大し続けたのだ。


そしてウクライナで、まさに第二次世界大戦のときにドイツで起こったのと同じことが起こった。アメリカが影で援助する形で2014年のクーデタが起こり、ウクライナは親ロシアの政権から親米派の政権に入れ換わった。ウクライナに残っていたナチであるバンデラ主義者たちをNATOが訓練して、アゾフ連隊というナチの親衛隊と同じような部隊が養成された。そして2014年以来、ロシア系住民の多いウクライナ東部のドンバス地方で市民を無差別攻撃し続けている。それというのも、ロシアを何とかしてNATO諸国と敵対させ、戦争させ、世界統一支配の妨げになる勢力をつぶして、漁夫の利を得るためなのだ。


現在のウクライナ政府は、政治家の8割がアメリカとの二重国籍を持っている人たちだということなのだけれど、つまりは彼らはドイツに送られたヒトラーと同じことで、シティ・オブ・ロンドンの差し金でウクライナに送り込まれた工作員たちなのだ。ウクライナをナチ化させて、ロシアとの戦争に巻き込むためにだ。


そして、ロシアがこの戦争を始めたのも、第二次世界大戦のときと同じことのようだ。ナチから国を守り、ナチの犠牲になっている人たちを解放するための戦いだ。


アメリカの軍事専門家のスコット・リッターは、ロシアの戦争のやり方はアメリカやNATOのやり方とはまったく違うのだということを言っていた。スコット・リッターはアメリカの海兵隊にいて、実戦も経験しているからよく知っている。アメリカはまずインフラを破壊して、市民の生活を壊し、市民を攻撃もするけれど、ロシアは市民を極力守ろうとするのだと。


市民を攻撃するのは国際法違反で戦争犯罪なのだけれど、アメリカもNATO軍もそんなことは気にかけない。通信網を壊し、橋や道路を壊し、電力や水道の供給を切断してしまう。ところがロシア軍は、国際法を守って市民の生活を守ろうとする。事実キエフでは道路も通信網も壊されてはいなくて、市民はテレビを見たりネットが使えたりしていると言っていた。NATO軍がやってたら、絶対にこんな風ではないとリッターさんは言っていた。


私たちは、アメリカの戦争の仕方が当たり前みたいに思っているけれど、実のところこれは漁夫の利を得るためにしかけられた戦争のやり方というようなものだったのかもしれない。市民の生活を壊すのは、人々に恐怖を与えて、軍事産業に投資させるのに役に立つし、復興にまた巨額のお金を動かすことができる。だけど、戦争の目的が国を守ることであるならば、市民やインフラを破壊するのは意味のないことだ。


ウクライナ政府や西側メディアは、ロシアが学校や病院を爆撃して、市民を攻撃していると言い続けているけれど、現実に起こっているのはまったく逆のことだ。ロシア軍は最初からずっと軍事施設しか攻撃していないのだ。ロシアは軍事施設を爆撃するときも、市民を巻き込まないために、事前に警告して、避難するように言う。これが国際法で定められた正しい戦争のやり方なので、本当はどこの国もそのようにするべきなのだけれど、アメリカもNATOもこんなやり方はしないとスコット・リッターさんは言っていた。


だから、ロシアの戦争のやり方は潔癖すぎるようにさえ思えるかもしれないけれど、ロシアにとって戦争の目的は国をナチから守ることなのだとしたら、それこそは効率のよいやり方だと言える。ロシアにとってウクライナ市民は敵ではないのだ。敵なのは攻撃してくる政府であり軍隊だ。なるべく無駄な破壊をしないで、人々をナチの支配から解放することが重要なのだ。


ところが、ロシア軍がきれいにやればやるほど、ウクライナ側は悪どいやり方をしてくるようだ。ロシア軍はウクライナの捕虜を人間的に扱っているけれど、ウクライナ軍はロシア軍の捕虜を虐待したり殺したりしている。ロシア軍が市民に食糧援助をしていると、ウクライナ軍は市民を虐殺している。そしてそれをすべてロシア軍がやったと言っているのだ。アメリカにとってウクライナの役割は、「ロシアの脅威」を世界に宣伝し、西側諸国を戦争に巻き込むことなのだから、これはある意味当たり前なのかもしれない。ロシアがウクライナ市民に親切にすればするほど、逆の印象を与えるために、ウクライナ軍は悪どいことをすることになる。


4月にマリウポリで1300人の部隊とともに投降したウクライナ軍の将校は、アゾフ連隊は信用できないということをインタビューで話していたそうだ。アゾフ連隊に援助を頼まれたので行って戦っていると、いつの間にかアゾフ連隊はその場からいなくなっていて、自分たちだけがロシア軍と戦わされていたというようなことを、ウクライナ軍はさんざん経験しているという。まるで、アゾフ連隊はウクライナ軍を戦いに巻き込むために動いているかのようだ。アゾフ連隊は明らかに外国の軍が訓練していて、ウクライナの正規軍とは違うとその将校は言っていたそうだ。アゾフ連隊はNATOが訓練して養成した軍隊なのだとスコット・リッターさんは言っていたけれど、自衛軍として訓練されたウクライナ正規軍とは違って、戦争を作り出す工作員みたいなものとして作られているということなのかもしれない。


5月9日のロシア戦勝記念日に、ロシアがヨーロッパをナチから解放したという事実が世界の注目を浴びるのを、NATO側は何としても避けたかったのだろう。そんなことにでもなれば、ロシアが今ウクライナでやっている軍事行動の意味も、ウクライナやNATOが何なのかも、表に出てしまうからだ。祖先がナチと戦ったことを誇りに感じているロシア人たちが、メディアに出てくるのを何としてでも避けなければならなかった。それで、ロシアがナチだというプロパガンダがばらまかれることになったのかもしれない。


その事件は、世界中に大きなショックを与えはしたけれど、それによってこのウクライナの戦争だけでなく、これまで起こってきた戦争が本当には何だったのかが、世界中の人々に見えてきたのは、いい変化だったのかもしれない。そのあまりの悪どさ汚さには頭がクラクラするくらいなのだけれど、これまでは同様なことが起こっていても、私たちがそうと気がついていなかっただけなのだ。もちろん、多くの人はまだ気がついてはいないけれど、ともかくも気がついた私たちが、この事実をしっかり受け止めなければならないと思う。


ここまで表に出てきたからには、この支配構造が崩れるのももう時間の問題だと思うけれど、こうした事実をしっかりと受け止めることができてこそ、この支配構造が崩れたあとに新しい世界を作っていけると思うからだ。