シングルポットスティルウイスキー
先日届いた秩父ウイスキー祭の公式プライベートボトルのひとつ、アイリッシュウイスキーの『ティーリング・シングルポットスティル・アメリカンヴァージンオーク5年』です。
今回はこのボトルの特徴のシングルポットスティルウイスキーについて説明します。
この用語はアイリッシュウイスキー独自の呼称です。
スコッチやジャパニーズ等、他のウイスキー生産地域ではこの用語、製法は使ってないと思います。
ついでに稀にですがアイリッシュとアイラモルト、アイランズモルトなどがごちゃごちゃになってる方がいたりします。
アイリッシュウイスキーはアイルランドで生産されているウイスキーです。
シングルポットスティルウイスキーの定義としては、「大麦麦芽30%以上、未発芽の大麦30%以上、他ライ麦や小麦、カラス麦などをブレンドし、単式蒸留器で3回蒸留したウイスキー」です。
この製法によって出来上がるウイスキーの特徴としてよく言われるのが、未発芽の大麦を使用する事により、穀物本来の風味をしっかり感じることができ、飲んだ舌触りがオイリーだったりクリーミーだったりと舌にまとわりつくような感触があるとされてます。
素材感がしっかり出る為なのか、私個人の好み的には銘柄によっては本格焼酎を感じることもあり、多少苦手だったりするボトルもあったりします。
シングルポットスティルウイスキーが誕生した背景には麦芽税があったからだそうです。
原材料に使用する麦芽の量に対して税金が課せられるようになった為、麦芽を減らし未発芽大麦やその他の材料を使用した事がルーツとされてます。
この他にもアイルランドでは一般的なシングルモルトウイスキーやブレンデッドウイスキーも生産されています。
例として世界最古のウイスキー蒸溜所とされているブッシュミルズは、上記の麦芽税導入以降も現在に至るまでシングルモルトにこだわり続けて生産しています。
他だとアイリッシュウイスキーのシェアで約7割を占めるトップブランドのジェムソンは、シングルポットスティルウイスキーとグレーンウイスキーのブレンドです。
今回取り上げているティーリングの製品ラインナップだと、シングルモルトからブレンデッドウイスキー、グレーンウイスキー、そしてシングルポットスティルウイスキーまで様々です。なので同じ銘柄ですがボトルによって個性がかなり異なります。
今回は簡潔にシングルポットスティルウイスキーについてまとめてみました。次回はこの祭ボトルを飲んでみた個人的感想をまとめてみたいと思います。