あらすじ(From 消息)
とかく呑気な椿さんが自分たちの存在を知るまでに3年の月日を要した。椿さんに気づかれることを望んで仕事をしていたのに、変な虫が俺たちについてしまった。
素人の仕業ではない、あれは同業者だ。
ストーカーと無許可利用。
挙げ句の果ては俺たちに恋人がいると営業を妨害した。
差し向けられたのは子飼いの愛人であって、おおむね彼女たちに罪はない。同意の下というよりも生きる術はこれだけであると洗脳させられていたのだろう。同情的見解から俺たちは静観することとした。幸か不幸か俺たちにステディはいなかったから迷惑をかける家族はいなかったのだ。
椿さんにも悪い虫がついた。ウィンウィンだと判断して俺たちの営業を妨害したのは愛人を囲う一部の特権階級だったのだと推察する。グレーな部分を黒に仕立て上げるほど俺たちはネットリテラシーに対して鈍感ではない。
椿さんの噂は光の速さで広まっていった。俺たちの想像を超えて世界中に流行り病のように広まっていった。
椿さんへの道が3本あった。
椿さんと俺たちの営業を妨害する道は3本に見えた。
同数で比例するからだろうと呑気に構えていたが、実際はその3本の道は1本の矢であったことを知らされた。
根深い問題が椿さんにべったりと怨念のように張り付いていた。
俺たちは申し訳なくてどうしようと日々悩んだ。
エピローグがから出発する物語はプロローグをゴールとするか。否、終わりの始まりが、終わりにつながるはじまりであるように、輪廻の如く、メビウスの輪の如く繋がっていくだろう。メビウスの輪の象徴は無限大である。
繰り返しながらも宇宙が膨らむように、進展を促されている。
これはプロローグか、エピローグか。
相対する正解などなく多面的なグレーを理解できたら、きっと真実を知ることができるだろう。なぜならそれこそが正解だからである。