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さいたま自死遺族の集い*星のしずく

汗と涙と湯気と空

2022.05.19 12:25

平日休み、特別用事がなければ、もしくは瞑想したい気分のときには、大抵私は家から最寄りのスーパー銭湯に行きます。

(スーパー銭湯といえば、ふと“純烈”が浮かぶ)



ささやかな癒やしのリラックス&デトックスタイム。



露天の岩風呂の他、日除けすだれの奥には『つぼ湯』という一人か二人しか入りきらないお椀型の小さな窯風呂がいくつか並んでおり、そこが私のお気に入り🍚🍚🍚。

一寸法師にでもなった気分で、ひとりしっぽりと10分も浸かっていれば、ぶわーっと汗が吹き出してきます。



気持ちいい。



家族4人でも、よく利用していた施設で、胸が締め付けられる思い出の詰まった場所。


『アヒル風呂祭週間』では、屋内浴場の湯の上にびっしり浮かんだアヒルのオモチャを掬って、岩の上にずらりと並べる競争をしてはしゃいでいる有ちゃんとお姉ちゃんが、いつでもパッと瞼の奥に現れます。


それでも敢えて避けることはなく、事後半年くらいから主人と一緒に定期的に通い詰めています。


悲嘆からくる苦しさで早めに上がってしまうこともありましたが、体が速攻であたためられることの有り難さを実感してきました。


テーマ別の4D岩盤浴では、ホットヨガコースに以前は参加していたものですが、事後に肺の手術をしてから、左肺側の創部が攣るように引っ張られる感じが気になり、アロマ岩盤浴だけの利用になりました。


それでもリラックス効果は抜群。

テーマ別の良い香りの熱風、体の芯からあたためてくれる岩盤で汗を流すのと一緒に、よく涙も流していました。

めそめそと何十分も咽び泣いていたものです。


音響効果の波の音や鳥の声もあるので、誰も気づきませんから。




今日もお昼すぎから、つぼ湯に浸かっていました。

平日は空いていて狙い目です。


外気に触れながら、静かに目を閉じていると……

少し、しゃくりあげる声が(?)してきたのです。


隣のつぼ湯に居た中年女性が、さめざめとすすり泣いている。


ちらっと横目で見てしまったけれど、たぶん気づかれていない。

私も気づいていないふりをして、そのまま空を見上げて湯に浸かり、茹で蛸になることにしました。




体からほとばしる汗は気持ちいい。


けれど、あの時期の私は、気持ちいい汗と真逆の苦しい涙を一緒に流していたな…と、隣人のすすり泣く声に重ねて思い出していました。



心と体のデトックス。



隣のつぼ湯は、今日は汗だけではなく、涙風呂になっていたようですが、ほんの少し…ちょっぴりだけでも、スッキリされたのであればよいな。

あの時期の私のように。


言葉を交わしたわけでもないし事情も知らない赤の他人ですけれど、(気づいてしまった私が勝手に)何かを共有できたような昼下りのスーパー銭湯♨露天風呂でした。


🎨鉛筆写生画



あのひとたちは

ときどき体中からぽたぽたと

色のない何かを落とします


いつもいっしょだったゆうちゃんも

たま~にお部屋で

ぽたぽたやっていました


あの日

ゆうちゃんが動かなくなってからは

ゆうちゃんママのぽたぽたで

わたしはぐっしょりぐたぐたになりました。


星のしずく*管理人




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