さくっと!資格データ〜医療・福祉系の資格について〜

出典元：ライオン企画刊『医療・福祉系 資格試験結果 速報号』（2022年）より

めざす医療・福祉系資格試験の 最新情報をチェックしよう！

　医療・福祉の主要職種に就くために必要となる国家試験の合格状況や公立学校教員採用選考試験の実施状況などを中心に、2022年春時点の最新情報をまとめました。最近は新型コロナウィルス感染拡大の影響で医療・福祉系職種の需要が高まっています。進路選びの参考にして下さい。

医療・福祉の仕事には、資格が必要

　医療・福祉の仕事には高度な専門知識・技術が求められ、国家資格が必要となる場合がほとんどです。国家資格を得るには、法律で定められた養成施設で学ぶことが一般的なルートです。さらに、看護師や薬剤師をはじめとする多くの資格については、「養成施設卒業」に加え、「国家試験合格」も不可欠です。

 　本紙は、このような資格試験の最新結果をシンプルにまとめるとともに、その資格が活かせる仕事内容などの解説も加えています。

 　なお、学校教員の項では、教員免許は大学などで必要な単位を修得し卒業すれば無試験で取得できるため、「公立学校教員採用選考結果」についてまとめています。

 　養成施設での学びや仕事内容など、資格・仕事のより詳しい情報は、『人を笑顔にする仕事ＢＯＯＫ』（発行：ライオン企画株式会社）もあわせてご覧ください。

高度化する、医療・福祉分野の教育

　ますます進行する高齢化（総務省が公表している『人口推計』によると、２０２１年10月１日現在、日本人人口における65歳以上の割合は28・9％）や医療技術の進歩などを背景に、日本の医療は多様化・高度化を続けています。

 　そのため、かねてより医療・福祉に携わる人材育成の強化が図られてきました。薬剤師国家試験が２０１２年（２００６年度入学生）から６年制課程になったことや、現在は養成施設卒業時に無試験で取得できる介護福祉士資格が、２０２７年度（２０２６年３月卒業生）より国家試験合格が義務化されることも同様の流れと言えます。

　看護師の教育においては、平成４（１９９２）年施行の「看護師等の人材確保の促進に関する法律」をきっかけに劇的な変化が見られました。１９９１年度の看護系大学（文部科学大臣指定）は11校のみでしたが、現在は２８０校以上存在し、さらに来春の新設を予定している大学も複数あります。

　このように、それぞれの資格取得者に求められる専門知識・技術は、一昔前より高度化しており、臨地実習などの必須時間が大幅に拡大されるなど、養成施設での教育の質も上がってきています。同時に、チーム医療を円滑に行えるスタッフになれるよう、また多様な現場や患者・対象者に対応できるよう、高いコミュニケーション能力と幅広い教養も必要になってきています。

資格の実績のみならず、総合的評価で大学選びを！

　自分のめざす資格の取得方法や資格試験の合格状況を高校生の時点で把握しておくことは好ましいことですが、大学選びで資格試験結果にこだわりすぎるのはあまり意味がありません。なぜなら、ある大学で、ここ数年間の資格実績が合格率１００％だったとしても、それは、これから入学する人全員の合格を１００％保証するものではないからです。

　大学選びでまず重視すべきは、「そこで自分が興味をもって学べるか」ということ。その大学の資格試験の実績が全国の合格率を少し下回っていたとしても、「まじめに勉強している人は、ちゃんと合格できている」と肯定的にとらえられるレベルなら、気にする必要はありません。教育内容や施設、キャンパスの雰囲気などとともに、総合的に評価するのがよいでしょう。

 　そのために、大学案内（パンフレット）にしっかり目を通すことやオープンキャンパスに参加することは非常に意義のあることです。まとまった時間がとれる夏休みは、ぜひ情報収集にも力を入れて、自分にあった大学を見つけてください。

（※１）医療・福祉系の進路・進学情報誌（春に高校へ無料配本／注文制）。「マナメディア」サイト（www.daigaku-fair.jp）では電子ブックを閲覧できる。 （※２）介護福祉士国家試験合格の完全義務化は、介護人材の確保を理由に、予定されていた２０１６年度から６年先送り、さらに５年先送りになった。なお、２０１７年度から２０２６年度までの卒業生は、国家試験を受験・合格しなかった場合、５年限りの暫定資格となる。

今回は医療・福祉系の全般的な紹介でした。次回は福祉分野についてデータを交えて配信します。

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