アブシンベル神殿とラメセス2世
では、エジプト最南端に行きましょう。
ラメセス2世は大王と呼ばれており、ファラオの中のファラオと言われています。
最終的に全ての砂が除去されたのは1909年になってかららしい。
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スナフキンスタイルでいきました。
現在のスーダン国境近くにある神殿である。
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アスワンから早朝に出るツアーが一般的ですが、時間もあるので一泊しました。
セティ1世、ラメセス2世
ラメセス2世はセティ1世の子。
セティは(セトの者)という意味である。
セトとは宇宙の暗黒面を司る神様、混沌の神様、砂漠の神様。
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モデルがわからない正体不明の頭部。オシリス神話ではオシリスを殺し、その後ホルスと王位を巡り争いました。
以前お話ししたアマルナ改革(一神教への改革)により混乱していたエジプト国内を、セティ1世とラメセス2世が復興しました。
アビドスにあるセティ1世葬祭殿には、アビドスの王名表と呼ばれるものがあり、歴代のファラオの名前の書かれ、古代から現存しています。
左がセティ1世、その横にいるのはラメセス2世(と考えられる)
ちなみに、ここにはアマルナ時代のファラオ(ツタンカーメン等)は、書かれていない。
王家の谷にあるセティ1世のお墓の豪華さからも分かるよう、この時代の王冠の復興を物語っている。
ラメセス2世については、以前の歴史の記事で話したカデシュの戦いが有名である。
ラメセス2世が戦車に乗り、腰に手綱をつけコントロールし、1人で1000の戦車隊を駆逐したという話。
基本戦車は2人で乗り込むが、腰に手綱を巻き1人で戦い、テーベの勝利という馬と、ライオンだけが自分に付いてきた。(らしい)
その後、ヒッタイト軍との和平が結ばれた。
最古の和平条約
ルクソールにあるカルナック・アメン大神殿には、ヒッタイト側との和平条約のコピーがある。(見てきた)
相互不可侵、脱走者の送り返し、侵攻されたら援軍を送る等が書かれている。
これは明確な物証を伴った世界最古の和平条約と言われており、実際は銀のタブレットに書かれていたそう(まだ見つかっていない)。
そのラメセス2世が作ったのが、巨大な岩窟神殿、アブシンベル神殿である。
水没の危機
「エジプトはナイルの賜物」という言葉があるが、古代エジプトではナイル川は増水し洪水をもたらしていた。
しかし、その氾濫により、「シルト」と呼ばれる養分を含む土が蓄積されて肥沃な土壌ができ、人々は農作業をし、そこに生活できた。
そして人々の生活が裕福になり、最古の文明がこの地に生まれたのかもしれない。
ユネスコの協力により、世界中から約8000万ドル(100億円ほど)集められ、1964年から1968年に移築作業が行われ、大神殿は807個、小神殿は235個に分けられ、65m上に移築された。
これをきっかけに世界遺産創設のきっかけになったエピソードです。
アブシンベル神殿
午後であれば、ほぼ貸し切り状態。
古代の神聖な空気を堪能できます。
入ってすぐに左右4対のオシリス神がおり
内部はラメセス2世と神様が向かい合って描かれていたり
最終的には神と同じ玉座に座るという、神格化の過程を示している、とのこと。
左からプタハ、アメンラー、ラメセス2世、ラーホルアクティ
アブシンベル小神殿
すぐ横には妃であるネフェルタリのために作ったアブシンベル小神殿もあり、
こちらにはセト神などの様子も描かれている。
アブシンベル小神殿の内装も綺麗です。
あと、一泊する方は他にもあります。
夜に行われるライトアップショーです。
話の内容は、そこまででもないですが、1時間ほどのプロジェクションマッピングは割としっかり作られています。
アブシンベルはヌビア系の人が多く、人も良いことが多いです。
高い建物はほとんどなく、1本路地に入れば閑散としています。
泊まった宿のオーナーはとても親切で、なかなかこんな人いないなと言うくらいの人です。人生について色々相談をしました😂笑
おまけのアスワン
良妻賢母の典型と言える神様である。
最後に
エジプト旅行も終盤。
世界で一番行きたかった場所。
なんとも言葉にできません。
先程のゲストハウスのオーナーは、人を助けること、近所の人と一緒に働いたり助け合えること、自分の好きな写真を撮っている時が幸せを感じると言っていました。
日本のような豊かさはないけど、幸せとはお金ではなく、いい車でも広い家でもなく、自分の心のうちから湧き出るものだから、人と比べず、今あるものに感謝することだ、と。
色々なところに行ったことはあるけど、自分はここが1番好きだと言っていました。
近所の人が通りかかって一緒にシャーイ(紅茶)を飲んだり、トゥクトゥクのエンジンをかけるためにみんなで押したり、通りがある人みんなが挨拶したり。
こういう話ができたり、肌で感じられるのが旅の素晴らしさです。
エジプトからの更新はもしかしたら最後です。
ただ、6月半ばほどまで、まだ少し旅を続けます。次の国からの更新をお楽しみに!
シュクラン!
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