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2017年に読んでよかった本ベスト10

2017.12.27 07:14

2017年は、大人になってから一番本を読んだ1年でした。


多分120冊以上は読んだと思います。


今回は、その中でも読んでよかった本ベスト10をご紹介したいと思います!


10位「笹の舟で海をわたる」角田光代


主人公・左織とその友人・風美子を中心とし、昭和の時代を描いた長編小説。


家族の世話をしながら伝統的な価値観を信じて生きる左織と、欲しいものは何でも手に入れたい!とストイックに生きる風美子。


上の世代の方と話していて時折覚える違和感が、左織を通して昭和の時代を疑似体験したことでスッと消えていった気がしました。


家父長制的な価値観や、必要以上に世間体を気にすることについて、今まで嫌悪感を覚えていたのですが、戦前に子ども時代を過ごした人たちにとってはそれが当たり前だったんですよね。


一方で、左織とその子どもたちがどんどんすれ違っていく様子にはゾッとしました。


価値観が違うのはいいけれど、違うことを認める余白は持っておきたいと思います。


9位「スタンフォードでいちばん人気の授業」佐藤智恵


スタンフォードの経営大学院で人気と聞くと、最新のビジネストレンドに関する授業をイメージしていました。


でも、実際は心理学・行動経済学や、リーダーシップ・交渉術、マインドフルネスに関してなど、人の心に関する授業が人気だと知って驚きました。


具体的な事例や実験データ、特に日本人に向けて役立つことについても詳しく述べられており、繰り返し読んで自分のものにしたい一冊です。


8位「専業主婦が就職するまでにやっておくべき8つのこと」薄井シンシア


17年間の専業主婦を終え、47歳で学校の”給食ののおばちゃん”の仕事を始められたシンシアさんは、その後10年で外資系ホテルのディレクター職に。


専業主婦をキャリアと捉え、家事にボランティアに学習に、とストイックに取り組まれてきたシンシアさんがキャリアアップされていく様子を読んで元気をもらいました。


今後のキャリア選択や、体調管理についてもヒントをもらいました。


7位「人生に疲れたらスペイン巡礼 飲み、食べ、歩く800キロの旅」小野美由紀

私が読んでよかったと思う本の基準の一つは、「行動のきっかけをくれる本」なのですが、まさにこの本がそうでした。


スペイン巡礼の旅、「カミーノ・デ・サンディアゴ」について綴られた一冊。


道中のスペインの小さな街の魅力や、旅で出会った人達とのエピソードがたっぷり詰まっていて、絶対に巡礼の旅に行こう!と思いました。


この本を読んだ後、同じテーマの映画も見たし、スペイン人の友人にも詳しく話を聞きました。


まだ時期は決められていませんが、その友人がスペインに戻った時、スペインに旅行して自分の足で巡礼したいと思っています。


詳しくはこちらの記事に書いています♩


6位「超AI時代の生存戦略 シンギュラリティに備える34のリスト」落合陽一


AIの能力が人間の能力を超えると言われている2040年代。


それに向けたスキルやマインドセットについて解説された一冊です。


印象的だったのは下記のフレーズ。


機械との親和性を高めコストとして排除されないよううまく働くか、機械を使いこなした上で他の人間から職を奪うしかないのだ。この構図は機械対人間ではなく、「人間」と「機械親和性の高い人間」との戦いに他ならないのだから。
ムダに見えて決してムダではないという時間をどんどん増やしていくことが、人間にとってやらないといけないことになっていくと予想すると、一見合理的に見えないことや仕事に見えないことで機械との差別化を図るということを意識する必要がある。
自分のオリジナリティや個性、あとフェチズムを強化していくことが、これから先、仕事として活きていくことになるだろう。

新しい機械技術を使いこなし、確保した時間を自分の専門性を磨き、フックを増やすために使うことが大切だと理解しました。

そのために何が出来るのか、動きながら考えていきたいです。


5位「旅と日常をつなげる〜インターネットで、もう疲れない。〜」チェコ好き


SNSアプリを一切排除し、検索機能のみを残して旅に出たチェコ好きさん。


その経験からどう感じたか、それを踏まえてどうSNSと付き合っていきたいか、が綴られた一冊です。


下記の一節にハッとさせられました。

みんなと同じものを発信し、リア充であることをアピールするためのSNSは「1984年」の世界そのものですが、あなただけが注目しているそれを発信することは、私が考えたほとんど唯一の「SNSとの上手な付き合い方」です。どっぷり浸かるのでもなく、一切接続しないのでもなく、接続と断絶をくり返し、その差の中で生まれてきた「他とちがうこと」を発信するツールに、SNSをしてください。

SNSで偶然出会った情報を元に、何かを始めるのももちろん楽しい。


でも、例えば自分が本屋さんをふらふらしていて、たまたま隅っこにあった本を見つけてすごく面白かったら、インスタグラムに載せてみる。


旅に出て、知らなかった言葉やマイナーな観光地に出会って感銘を受けたら、ブログに書いてみる。


そんな風に、受信と発信、オンラインとオフラインのバランスが取れたら、よりSNSを楽しめるなと感じました。


ちなみに、チェコ好きさんのブログを見て読み始めた「嘘つきアーニャの真っ赤な真実/米原万里」の世界にも、一気に引き込まれました!


4位「OPTION B」シェリル・サンドバーグ/ アダム・グラント

フェイスブックのCOOであるシェリルさんが、ご主人を亡くされるという本当に辛い出来事の後、ご自身が歩んできた過程を元に、人生を打ち砕く経験から回復するためのステップについて綴った一冊。


詳しくはこちらの記事に書いていますが、今後逆境に直面した時にぜひ取り入れたいヒントがたくさんありました。


私は、”If life gives you a lemon, make lemonade.(もし人生から酸っぱいレモンを与えられたら、それを活用して、美味しいレモネードを作る努力をしよう)"という言葉が好きなのですが、まさにシェリルさんはこの言葉を体現されているなと感じました。


3位「歳月がくれるもの まいにち、ごきげんさん」田辺聖子

小説家・田辺聖子さんが、女性の生き方について綴ったエッセイ集。


優しい関西弁で綴られた文章を読んでいると、まるで一緒にコタツに入りながら「大丈夫よ〜」と励ましてもらっているような気持ちになり、読みながらちょっとウルっときてしまいました。


一番印象的だった言葉はこちら。


女がね、「私が選んだことは最高や!」と思わなくてどうしますか。心を決めたら、自分の決断に後ろから紙を貼ってあげるといい。「大丈夫!」って紙を。

どーん!と背中を押してくれるような、力のある言葉ですよね。


年末に、一年を振り返って自分をねぎらいながら読むのにぴったりの一冊だと思います。


2位「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」山口周


ますます複雑で先が読めない時代になってきた中、「分析」「論理」「理性」といった客観的な基準が通じなくなってきており、「直観」「倫理・道徳」「審美感性」という主観的な判断基準が重要になってきているとのこと。


それはなぜなのか、また、上記の能力を鍛えるためにグローバル企業の幹部候補生はどのようなトレーニングを受けているのか?


主観的な判断基準をうまく取り入れた成功事例にはどのようなものがあるのか?


マッキンゼーがデザイン会社を買収した理由とは?


など、今まで知らなかった価値観や事例だらけで、あっという間に読みきった一冊でした。


消費者としての自分の行動を振り返ると、「デザインがきれい」「背後にあるストーリーに惹かれる」など、直観や感情で動いていることが多いです。


そう考えると、サービスや商品を提供する側も、右脳的判断を重要視する必要がありそうですよね。


今まで以上にアートや詩に触れる時間を大切にしたいなと感じました。


1位「パリの国連で夢を食う」川内有緒


国連での勤務・パリでの生活の様子が生き生きと綴られた一冊。


アメリカの大学を卒業し、コスタリカにも留学され、コンサル会社・シンクタンクでも働かれていたという輝かしい経歴の川内さんなのですが、飾らない文章を読んでいると、まるで自分も一緒にパリで生活して、川内さんと色々な感情を分け合っているような気持ちになります。


川内さんがすごいと思うのは、違和感を覚えたらそのままにせず、やりたいことに正面から向き合っていること。


ちなみに、一番好きなエピソードは、退職日に、川内さんが任意で作った国連職員の方達のインタビュー動画を上映するシーン。


最近仕事で幸せに感じたことは?という質問に考え込み、「ここに幸せなんかない!」「思い出せない!」と言い切る川内さんの同僚の方達に、観客の一部は爆笑、一部は絶句する…というもの。


国連って日々やりがいに溢れた職場、というイメージを持っている人は多いと思うのですが、やりがいって組織から与えられるものじゃなく、自分で作るものだなぁと改めて思いました。


このシーンも上映してしまう川内さんがかっこよすぎます。


こちらの記事にも川内さんの本のレビューを書いていますので、よかったらぜひ読んでみてください!


みなさんの2017年のベストは、どんな一冊でしたか?