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悲痛な叫びと共に、ゆとり世代が“ブラック霞が関”打開へ提言書『カラフルな公務を目指して』

2022.05.21 03:30

【政治(行政)報道】 人事院(総裁:川本裕子)は、令和四年五月三十日に第四回『テレワーク等の柔軟な働き方に対応した勤務時間制度等の在り方に関する研究会』を開催予定。学識経験者によって構成する本研究会では、国家公務員(一般職)の勤務時間制度等の在り方を検討している。


四月二十八日には、三十代前半の「ゆとり世代」で構成する「未来の公務を考える若手チーム/内閣人事局、人事院」が提言書『カラフルな公務を目指して―誰もが貢献できる持続的な職場へ―』を裕子総裁(写真上)へ手渡した。表題は“ブラック霞が関”からの転換を意識。本研究会にて提言を反映できるか。


同二年十二月に報道府が取材したワーク・ライフバランスの小室淑恵(乙卯)代取を含む発起人二十一人による『霞ヶ関の働き方に関する提言』を当時の河野太郎(癸卯)国家公務員制度大臣/菅内閣へ手渡してから、十六ヶ月。ゆとり世代が、日本国の為に一つの結果を出した。



十三の具体策

 同若手チームは当時の河野大臣と裕子総裁の下で結成。本提言書にて「提言内容は、組織を離れた立場での若手の自由な意見です。」と自信を示す。


私達は、持てる意欲と能力を最大限発揮して、世の中の為になる仕事をしたい、と心の底から思っています。

けれど、降ってきた仕事を熟(コナ)し、組織の駒となって、家庭生活との両立に藻掻き続ける事が、本当に「世の中の為」になっているのか…

自分に合った貢献の仕方を自分で選び取ったり、皆が多様な「世の中の為」を認め合ったりできれば、もっと活き活きと働く事ができるのではないか。
そう感じています



ゆとり世代による具体策は計十三。「挑戦し、価値を生み出すカラフルなキャリア」と「もう、ブラックとは言わせない」に大別。先ずは前者から。

  1. 自律と多様性が育むカラフルなキャリアパス(職歴道);人事異動を「年功序列」から「手挙げ」へ。多様な人材を生かす戦略づくり。戦略的な人事の為の体制・システムの整備
  2. 経験をシェアして成長する行政;自ら学べるコンテンツとコミュニティづくり。知恵を出し合う「全府省版二十㌫ルール」。公務の外から学ぶ出向・副業機会の充実
  3. フェアな評価と処遇;「三百六十度評価」と成長に繋がるフィードバック。「ポストに応じた給与」への見直し


以下は後者。

  1. 無理なく働ける組織デザイン;マネジメント能力に着目した登用。業務量に見合った適切な人員の配置。誰もが貢献できるジョブシェアリング(分担職務)
  2. 令和スタンダードの仕事の仕方;伝統的な仕事の進め方のアップデート(更新)。国会にお願いしたい事

<元凶・国会側は無視>

 一年以上前に民間が指摘した国会の問題につき、改善が見られない為、同三年六月にワーク・ライフバランスの淑恵代取は、霞が関の長時間労働の原因を突き止めた。それは国会議員の非デジタル コミュニケーションと無神経であった(記事『立憲と共産が「ブラック霞が関」の根源と判明、官僚の人権を尊重せよ』)。大臣への提言から六ヶ月。


今回の提言では、十三番目の「国会にお願いしたい事」が当たる。一番最後だが、一番重要な具体策。


「特に超過勤務の多い本府省における、勤務時間外に及ぶ突発的な業務としては、国会に関わるものが筆頭格である事も事実です。「働き方改革」が社会全体に広まる中、国会に関わる方々のご尽力により、所謂「質問通告」を早期に行って頂けるケースは増えてきましたが、更に以下の様な取組みについて国会全体で議論頂けると有難いと考えます。」と、ゆとり世代らしく懇切丁寧な伝え方である。


  1. 質問に関わる政府とのやり取り(質問要旨の送付、政府側からの答弁者の連絡等)は、FAXを止め、デジタルツールでの連絡に統一頂く
  2. 二営業日前の正午迄に通告する」申合せが実効的になる様、質問者が余裕を持って準備できる時間を確保する;法案等の審議順を会期の前半に協議する。会派で案件毎の質問者を早期に決める等。委員会の日時の正式確定に関わらず、早めに問題意識をお伝え頂く
  3. 近年の質問主意書数の大幅な増加を踏まえ、答弁期限を延長頂く;平成十三年・二百六十四件→令和三年・五百七十四件と二.二倍に増(当然、業務量も倍増、この間の人員は減)



この十六ヶ月間、本当に何をしていたのか

 ゆとり世代は、各省庁から取材した結果を本提言書に反映した。大臣への提言から十六ヶ月、淑恵代取が党名まで公表して指摘してから十ヶ月。現場・官僚達の判断で、改善点は早期の「質問通告」のみ。淑恵代取が出していた「十個の改善点」と重複する点が、提言書に記されている。本来は、各組織の上層部が率先して改善するものである。


現在の国会は、中堅「しらけ世代」と「バブル世代」で主に構成されている。令和になっても意地でもデジタル化しない。党名まで公表したのに、無視を決め込む。指摘されても反省の姿勢は見せない。民間でも碌な結果(データ)を出さないのに、正に偉そうにしている二世代であり、日本国の癌と視ている。


ゆとり世代のエリートは、本当に懇切丁寧であり、心根が美しい。「氷河期世代」と「プレッシャ世代」は汚(ケガ)れ始めている。ゆとりも一部が崩れ始めている。決して、彼等の純粋さを上の世代は汚してはならない。今回の提言は誠に素晴らしく、この日本国の中心地である永田町・霞が関を劇的に改善できるものである。即ち、日本国を大いに良くするものである。



現場の三十代の声

 併し、もし、この現場の生の声である提言を「しらけ・バブル」の両世代が更に無視を決め込むのであれば、二世代に対するコミュニケーションの仕方を変えなければならないだろう。両世代の多くは本当に、よく人を軽んじる。中には若者・若手を本当に想う優れた「しらけ・バブル」の総理や党首が居るので、そちらへ徹底的にアプローチされたい。


霞が関のゆとり世代は、後輩の世代の為に悪習を変えようと頑張っている。当然、報道府も同志である。先輩である氷河期世代は彼等を守り、率先されたい。志ある後輩を決して軽んじ、愚鈍な社会のクズに堕ちてはならない。


そして「焼け跡・団塊」の両世代は、シニアとして若者・若手をバックアップされたい。



以下は、今回のゆとり世代が離職者等へ取材した際に拾った声。全て三十代。



記事:金剛正臣

画像:カラフルな公務を目指して/人事院、「もうこれ以上は体が持ちません」官僚が次々に辞めていく…ブラック霞が関は変われるか/全国新聞ネット