『帰忘』インタビュー⑥久保瑠衣香
久保瑠衣香さんです。よろしくお願いします!
よろしくお願いします!
今回、露と枕としては珍しく男性の多い作品で、女性は久保さんと劇団員の小林だけですが、参加してみていかがですか?
私自身、あんまりここまで少人数の座組みはなかったので…あ、ありました。でも、女子2人はなかった…あ、ありました。でも、そのときは規模の小さい作品だったので、長編の作品で女性が少ないというのは今まであまりなかったですね。
稽古場の雰囲気はいかがですか?
ワイワイはしているけど、キャイキャイはしていないなっていう印象です。楽しい時はもちろんきゃーって楽しんでるんですけど、必要のないときに無理してテンションを上げなくていいというか。すごく楽な状態でいられてて、休憩中はお腹すいたなとか思ってます(笑)
久保さんの演じる「梔」について教えてください!
まだ全然掴めていなくて。カフェの店員さん役で、言ってしまえば1人だけ部外者なんです。脚本上でのバックボーンがほぼ0なので、自分で自由に作れるという楽しみ方ができると思いつつ、ちょっと難しいなと思っています。
自由にやってくださいというのは逆に難しいですよね。
そうですね。そう、そうなんですよ。そうなんですよ!
稽古で、「今回はこういうキャラクターでやってみよう」ってやってみるんです。でも、今自分の中で確固たるものがないので、シーンが変わるとキャラが変わるみたいなことが起こってしまっていて。だから、早く定めないとなって思っています。
今回「忘れる」ということがテーマですが、久保さんは忘れてしまいたいことや、絶対に忘れたくないなと思っていることはありますか?
すごく難しいですね。例えば、怒られたことを覚えておけば今後の自分に役立つみたいなことがあると思うんですけど、そう割り切れるときと割り切れないときがあるじゃないですか。あの言い方は傷ついたとか、ちょっとトラウマになっているなどと感じてしまうことは誰しもありますよね。
でも、100忘れていいなと思うこともあります。「その出来事が起こったことで危機管理能力が身についた」といってもいいかもしれないけれど、そもそも100遭わなくてよかったでしょと言い切れることもありますね。
たしかに、わざわざ嫌な経験はしなくてもいいですよね。
役者やってると、何事も経験だとか、糧にできる、肥やしだみたいになりがちですけど、それは経験しなくていいよってなります。そういう嫌な出来事は、全人類に起こらないようにしていきたいですね。
逆に、絶対に忘れたくないことはありますか?
人が死ぬと悲しいという気持ちですね。もう何年も経っているんですけど、おじいちゃんやおばあちゃんが亡くなったとき、すごく悲しかったんです。なんなら今思い出しても泣けるんですよ。やっぱり、誰しも死んだらきっと悲しんでくれる人がいると思うんです。だから、自分も周りの人からの思いや、亡くなった人への思いを忘れずに、頑張って生き続けなきゃなって思います。
とても大切なことですね。
ちょっと重すぎましたかね。記事にしやすいエピソードも話しておきます(笑)
私、悲しいことばかり覚えていて楽しいことを忘れちゃう性質なんですよ。割と悩んでいて、友達に相談したこともあります。そのときに「悲しいことは思い出しやすいし、思い出した分だけ記憶として残っちゃう。だから、あんまり考えないようにしたほうがいい。なるべく楽しいことを振り返った方がいい」とアドバイスしてもらったんです。でも、なかなか難しいんですよ。
たしかに、難しいですね。楽しいことを思い出すために工夫していることはありますか?
写真を撮るようにしています。写真があれば見返せるので。
いろいろ大変なんですよ。愛された〜い(笑)
どんな人にこの作品を観ていただきたいですか?
人によっては刺さりすぎてしんどい人もいるのかなと思ってて、そういう人に観てもらいたいとは軽くは言えないんです。だからどういう人だろう…?
私はこの劇を観るのに向いている人だなと思います。でも、私は出演しているので…(笑)
私みたいな人に観てもらいたいですね。
最後に、意気込みをお願いします!
露と枕さん初参加で、しかも共演者の方も初共演の方しかいないので、自分で呼ぶお客さん以外は私のことを初めて見るという方がきっと多いと思います。だから、やらかさないようにしたいなって思います(笑)
意気込みって難しいですね。頑張ります!
露と枕『帰忘』
2022年6月1日(水)~6日(日)
@下北沢「劇」小劇場