Ai AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)
Dタイプのレンズとしては後期の頃に発売された、普及クラスのズームレンズである。
Ai AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)の気に入っている点は次の通り。
・ 旅行で使うのに最適なズームレンジ。
・ 気軽に持ち出せる適度な重さと大きさ。
・ ズームの全域で0.5mまで寄れる。マクロ機構を使えば、さらに0.22mまで寄れる。
・ 歪曲収差が少ない。
・ 全部で16枚、非球面レンズ1枚を採用しており普及レンズとしては贅沢なレンズ構成。絞り込んで撮影すればシャープかつクリアに写る。
・ 大きめのロゴ、道具を感じさせる端正なデザイン、艶消しの仕上げ。
使用にあたり気になるのは次の点である。
・ マクロ機構は50mm以上のズーム域に限られている。広角域は0.5mまで。
・ 全ズーム域とも絞り開放では収差の影響でソフトな描写になる。(ただしポートレート撮影ではその特性を生かせる。)
・ 絞り開放ではピント合焦面の前後のボケがフレア状に生じるので、ボケのつながりが悪い。1〜2段絞った方がボケがなだらかになる。
・ このレンズで撮影した画像の色味は青緑がかっている。
・ 階調表現に癖があり、シャドー部が落ち込むような印象を受ける。
・ この時期にニコンが採用したツヤ消しの表面塗装はエタノールで溶けるので、外装をエタノールで清掃できない。
50mm以上のズーム域で使えるマクロ機構が便利である。マクロの性能は優秀なので、花撮りなど望遠マクロ好きに向いている。
もっとも食べ歩き写真では、50mmよりも広角側で近距離撮影したいことが多いので、このレンズは使いやすいとはいえない。
【スペック】
レンズ構成: 12群16枚(複合型非球面レンズ1枚(G4))
最小絞り: 22
最短撮影距離: 0.5m(0.22m)
フィルターサイズ: 62mm
最大径×全長: 73mm×81.5mm
重量: 455g
フード: HB-18
希望小売価格(税別): ¥55000 ※終売時点
メーカーのサイト
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/ai_af_zoom_nikkor_28-105mm_f35-45d_if/
作例1 焦点距離98mm、絞りf5.6
作例2 焦点距離55mm、絞りf9
(実際よりもシャドー部が暗く表現される)
作例3 焦点距離40mm、絞りf5.6
(歪曲収差が少ない)
作例4 焦点距離85mm、絞りf4.5
(絞り開放のとき前後のボケはフレア状になり急激にぼける)