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Ai AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)

2022.07.11 16:38

Dタイプのレンズとしては後期の頃に発売された、普及クラスのズームレンズである。


Ai AF Zoom Nikkor 28-105mm F3.5-4.5D(IF)の気に入っている点は次の通り。

・ 旅行で使うのに最適なズームレンジ。

・ 気軽に持ち出せる適度な重さと大きさ。

・ ズームの全域で0.5mまで寄れる。マクロ機構を使えば、さらに0.22mまで寄れる。

・ 歪曲収差が少ない。

・ 全部で16枚、非球面レンズ1枚を採用しており普及レンズとしては贅沢なレンズ構成。絞り込んで撮影すればシャープかつクリアに写る。

・ 大きめのロゴ、道具を感じさせる端正なデザイン、艶消しの仕上げ。


使用にあたり気になるのは次の点である。

・ マクロ機構は50mm以上のズーム域に限られている。広角域は0.5mまで。

・ 全ズーム域とも絞り開放では収差の影響でソフトな描写になる。(ただしポートレート撮影ではその特性を生かせる。)

・ 絞り開放ではピント合焦面の前後のボケがフレア状に生じるので、ボケのつながりが悪い。1〜2段絞った方がボケがなだらかになる。

・ このレンズで撮影した画像の色味は青緑がかっている。

・ 階調表現に癖があり、シャドー部が落ち込むような印象を受ける。

・ この時期にニコンが採用したツヤ消しの表面塗装はエタノールで溶けるので、外装をエタノールで清掃できない。


このレンズの画質は、絞りを開けた状態ではそこそこであるが、焦点距離のレンジやマクロ機構がバランスよくまとめられており、オールマイティである。旅行や散歩に持って行くレンズが1本に限られるならば、選びたくなるレンズである。

50mm以上のズーム域で使えるマクロ機構が便利である。マクロの性能は優秀なので、花撮りなど望遠マクロ好きに向いている。

もっとも食べ歩き写真では、50mmよりも広角側で近距離撮影したいことが多いので、このレンズは使いやすいとはいえない。



【スペック】

レンズ構成: 12群16枚(複合型非球面レンズ1枚(G4))

最小絞り: 22

最短撮影距離: 0.5m(0.22m)

フィルターサイズ: 62mm

最大径×全長: 73mm×81.5mm

重量: 455g

フード: HB-18

希望小売価格(税別): ¥55000 ※終売時点


メーカーのサイト

https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/ai_af_zoom_nikkor_28-105mm_f35-45d_if/



作例1 焦点距離98mm、絞りf5.6

作例2 焦点距離55mm、絞りf9

(実際よりもシャドー部が暗く表現される)

作例3 焦点距離40mm、絞りf5.6 

(歪曲収差が少ない)

作例4 焦点距離85mm、絞りf4.5

(絞り開放のとき前後のボケはフレア状になり急激にぼける)