AI AF Nikkor 35mm f/2D
このレンズは、FマウントがAF化された初期の頃からのレンズであり、1989年に販売開始されたAi AF ニッコール 35mm F2sをルーツとする。その後、1995年に距離エンコーダを内蔵するDタイプとなり、2020年9月に国内販売を終えた。通算すれば30年を超えるロングセラーであった。
AI AF Nikkor 35mm f/2Dは、私の所有するレンズにおいて、持ち出し率の高いレンズの一つである。その最大の理由は、良好な階調表現である。
このレンズの特徴を挙げると次のとおり。
・ ヌケがよく、階調表現が素晴らしい。画面から被写体が浮き上がってくるような立体感のある写真を撮ることができる。
・ 絞り開放から程よい解像感があり、絞り開放から安心して使える。
・ アウトフォーカス部分の描写が自然である。背景が一様に、溶けるようにぼけるため主題が引き立つ。
・ 小型軽量である。28mmとどちらを持っていくか迷うとき、2本とも持って行ける。
・ 多くの場面で明るさはF2もあれば十分である。
入手しやすい価格設定を踏まえれば、ニコンの傑作と言ってよいと思う。
ニコンのフルサイズ一眼レフ(特にボディ内モーターを備えるもの)を所有しているならば、必携のレンズであると思う。
【スペック】
レンズ構成: 5群6枚
最小絞り: 22
最短撮影距離: 0.25m
フィルターサイズ: 52mm
最大径×全長: 64.5mm×43.5mm
重量: 205g
フード: HN-3
希望小売価格(税別): ¥45000 ※終売時点
メーカーのサイト
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/ai_af_nikkor_35mm_f2d/
作例1 焦点距離35mm、絞りf5.6
作例2 焦点距離35mm、絞りf8
作例3 焦点距離35mm、絞りf5