フイルムかフィルムか 第2報
こんにちは。
当サイトへの検索ワード、最近の1位が
「フイルム フィルム」
でした。
自分としてはえっ!?という感じで…。
まあ写真が好きですし光栄なこと。閲覧が多い当該記事を念のため見直してみました。
間違ったことは書いてないけれど、それほど重要な情報も無く(苦笑)
それなのに検索候補上位に挙がってたくさんの方に訪問して頂き恐縮です。
辿り着いた方の疑問は「どっちの表記が正しいんだ??」ですよね。
フイルムでもフィルムでも間違ってはいないのですが、
私の見解としては、
英語「Film」の発音に近い、「フィルム」が良い
と思っています。
前述記事では、自分が「フイルム」と書いていたのは「富士フイルム」から来ているということで終わっているのですが、では富士フイルムがどうしてその社名にしたかということが重要です。
富士フイルムオフィシャルサイトの「富士フイルム50年のあゆみ」を読み進めていくと、
「新工場の建設」の章に重要なフレーズがありました。
1932年、富士フイルムの前身である「大日本セルロイド株式会社写真フヰルム部」の看板をながめていた当時の専務さんが、“ヰ”より“イ”の方がいいと考え、「フイルム部」と書き改めさせたそう。
以来、商品名もすべて「フィルム」に統一したと…。
なるほど、当時日本ではフィルムを「フヰルム」と記載していたんでしょう。
「ヰ」という旧仮名遣い(歴史的仮名遣い)のカタカナ、
もう街の看板でも全く見かけなくなりました。
さすがに私もわからない領域なので、参考になった記事を以下に示します。
文化庁: 外来語の表記
日本文化研究ブログ: エとヱ、イとヰの違いと使い分けとは?
「Film」という英語が日本に来た際、
カタカナ表記するにあたり言語研究者達は(フィルム)という発音を忠実に入れようとし、
(wi:ウィ)と発音をするカタカナ「ヰ」が適するとして「フヰルム」にしたと思うのです。
ですが、一般の人々には「ヰ」も「イ」と同じく(イ)と発音されていたため、(フィルム)より(フイルム)と発音されることが多くなったのではないでしょうか。
そして富士フイルムの専務さんも、一般に浸透させるために「フヰルム」という表記より「フイルム」または「フィルム」に統一しようとなったのでしょうね。
※昔はィ(小さいイ)などの拗音(ヨウオン)が会社名の登記には使えなかったなど調べていくとちょっと発散しそうだったのでこの程度に留めておきます。
※ワヰウヱヲ:ワウィウウェウォは前述サイトによると江戸時代中頃くらいまでの発音らしく段々とワイウエオをという音になっていったとのことで、現代仮名遣いではワ行ではヲ以外が無くなりました。
最後に、こんな企業にはまだ「ヰ」がありましたね。
ニッカウヰスキー!