仏教起源の「お盆」とは(修正版) 2022.07.26 07:52 お盆とは「盂蘭盆会」(うらぼんえ)の事で、盂蘭盆経(うらぼんきょう)が起源です。 –仏説盂蘭盆経の話より–お釈迦様の十大弟子に「神通力第一」、今で言うところの超能力No.1(笑)と言われた「目連(もくれん)」がいました。ある日 目連は亡くなった自分の両親が、どのように生まれ変わったか知りたくなり得意の神通力で死後の世界を映し出します。父は天上界に生まれ変わっていましたが、母は餓鬼道に堕ちた姿が映し出されました。 餓鬼道とは、仏教の考えにおいては餓えに苦しみ、欲望に苦しむ満たされないまま餓えや渇きに苦しみもがき続ける世界です。 母は、餓鬼道に堕ちて餓えや渇きに苦しみしかも逆さに吊るされて、鬼達からの責め苦を受け無惨な姿に成り果てていました。また母だけでは無く他の餓鬼道に堕ちた亡者たちも見るに堪えない姿に成り果てていました。 目連は、思わず神通力を使い、自分の元に母を引き寄せました。そしてご飯を与えます。しかし、自分の鉢にご飯を盛り、お経と共に母にお供えをするのですが、母が食べようとすると燃え上がり口にする事は出来ません。餓鬼の世界では、食べ物を口にしようとすると燃え上がるため食べられないのです。 餓鬼の世界では、決して満たされる事はありません。 目連は、「母をどうしたら救えるだろうか?」と、お釈迦様に相談しました。 お釈迦様は、「たった一人の力では、地獄や餓鬼の亡者を救う事は出来ない夏安居(げあんご)が明ける7月15日、修行を終えた僧侶に食事の供養をしなさい。そうすれば、母にも、その施しの一端が口に入るだろう。」と、言いました。 目連は、お釈迦様の教えの通りに修行明けの僧侶に食事をふるまいましたところ、餓鬼道で、苦しんでいた母はたちまち安らかな天上の世界に昇っていきました。 目連の母は餓鬼道で逆さ吊りになっていましたが「逆さ吊り」は、サンスクリット語では、「ウランバーナ」と言いますこれを音写したのが「盂蘭盆(うらぼんえ)」つまりは、「お盆」の仏教由来です また目連の母が餓鬼道から救われた時に、他の餓鬼道に堕ちていた亡者も皆、救われて昇天したとされています 血縁がある無しに関わらず餓鬼道、全ての魂が救われたのですその時に救われた亡者達は喜び、両手を挙げて踊っているような姿をしたことから盆踊りの形式が、起こったとも盆踊りは、必ず大勢で踊る形式になっているともいわれています お盆は、亡くなられた方やご先祖様があの世と呼ばれる世界(浄土)からこの世(現世)に戻ってくる期間のことです。故人が生前を過ごした場所(主に自宅)でお迎えして、再び戻っていくあの世での幸せ(=冥福)を祈る機会となっています。 住む地域や信仰する宗派によって、お盆の風習は変わってきます。一般的には、盆の入り(盆入り)である13日に迎え火を焚いてご先祖様をお迎えし、盆明けの16日に送り火を焚いてあの世へ再びお送りします。仏壇にお盆飾りをし、14、15日には、家族と同じ食事を3度お供えすることが多いようです。これを「仏膳」と呼び、専用のお椀とお皿などのセットがあります。 お盆期間中は、ご先祖様を供養するために過ごします。法要はもちろん、お墓参りでお供え物をすることも、盆踊りで踊りを奉納することも、お盆の正しい過ごし方です。お盆は亡くなられた方々を供養する期間。無駄な殺生をしないように過ごしておきたいところです。