スタンダードのその先へ『ネクストコア・シリーズ』
さて、ベッドはあらかた紹介したので、今回からは車椅子です。私事ですが、施設で介護職員をやっていたときに、さんざん車椅子を扱ってきましたが、この仕事に就き、在宅向けのレンタル車椅子のラインナップを見て、衝撃を受けたことを覚えています。
というのも、施設の車椅子は備品として購入するので、できるだけ初期コストを抑えるために、必要最低限度の機能のものを揃えます。ですので、在宅向けの車椅子を見たとき、「これを施設で使えたらどんなに利用者が喜んだろう」と思ってしまうのです。
今回紹介する『ネクストコア』は、私が介護をしてきた上で、こんな機能があったらいいな~と思える車椅子の象徴の一つであります。これらの機能を上手く使えば、利用者のQOLは間違いなく向上するでしょう。
まずは本体のコンパクトさです。全幅は自走タイプで55㎝。特殊形状のハンドリムを限界まで車輪に寄せているため、従来の車いすと比較すると10cm近くもスリムです。また堅牢な作りにも関わらず、本体重量は11.8kgと比較的軽めです。
またフレームに関して特徴的なのが、背フレームを思い切り後方に曲げて、使用者の肩に負担がかからないようになっています。
また背張りにはマジックテープ式背張りベルトが細かく横に何本も配置され、これらのベルトを細かく調整すると、円背や側弯のご利用者の背中を立体的に支持できるのです。
さらに腰部を支持する骨盤サポートベルトによって、骨盤を左右から包み込むように支え、利用者を正しい姿勢に保ちます。
シリーズはスタンダードタイプ、アーム・レッグサポートのスイングアウトタイプ、モジュールセッティングタイプ、ビッグ・スモールタイプと多岐にわたり、利用者の体格やADLに合わせて選択できます。
これら選択肢を含めたカスタマイズ製こそが、ネクストコアシリーズの真骨頂であり、量産タイプでありながら、一台ずつが利用者ごとのオーダーメイドとなりえるのです。
文責 佐野 亘