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もう一度振り返る"イスラム教"とアラブの春

2022.05.28 12:06

ひとつ、メモがてらに復習も兼ねて。

ひと昔前、イスラエルの時に話しましたが、改めて、イスラム教についてまとめてみます。


イスラム教のイントロ


イスラム教信者は世界中で約18億人居ると言われています。


アフリカや中東を中心に、アジアではインドネシア、マレーシアなんかでも信者が多い宗教です。

世界中にはそれ以上のキリスト教徒がいますが、20数億人です。


ただ、今後の人口動態を考えて予測すると、2070年頃には世界一信者が多い宗教になると言われています。


なかなか馴染みがなく、ヒゲが生えたて、ターバン巻いて、女の人は目しか出ていない。

一見しただけで、「怖い」と思いがちですが、僕が出会ったムスリムの人は、良い人が多いです。


見た目や、ごく一部の過激派から「イスラム教はなんか怖い」を、無くしましょう。

このあと戻るトルコや、ここエジプト、好きなインドにも、沢山のムスリム(イスラム教信者)が居ます。


基本的に、イスラム教徒の多くは平和を愛する人たちです。


実体験に基づくファクトフルネスです。

正しく知り、文化を尊重したいですね。


質問形式で、解説を加えていこうと思います。


イスラム教のFAQ

第1項 イスラム教

①成立はいつ頃で、誰が?

   →7世紀前半ごろ、ムハンマドが

②経典は?

→コーラン

③信仰の対象は?

→アッラー(ムハンマドは預言者)

④教えの特徴は?

 →宗教というより、生活の基本や規範が多い。

 六信五行が義務

⑤ユダヤ、キリスト教との繋がりは?

どのように広がったか?

→海上交易などを通して東南アジアに広まっていった

⑥聖地はどこか?

メッカ、メディーナ、エルサレム

⑦よく聞くシーヤ派、スンナ派の違いは?


第2項 アラブの春

⑧シリア内戦の構図は?




第1項 イスラム教

①成立はいつ頃で、誰が?

   →7世紀前半ごろ、ムハンマドが

イスラム教はムハンマドが7世紀前半に始めた宗教です。


ムハンマドは、40代ごろ、物思いにふけ、ヒラーの洞窟(サウジアラビア)で瞑想を始めるようになります。

そこで、大天使ガブリエルに会い、神様の言葉を授けられ、それをまとめたのが「コーラン」という聖書です。



②経典は?    →コーラン
③信仰の対象は?   →アッラー


コーランイスラム教の経典で、神様の言葉をアラビア語で書き留めたものです。


ちなみに、コーランは翻訳するとコーランでは無くなります。原語のまましか、あり得ないとされています。


コーランは、「声に出して読むべきもの」という意味だそうです。


サウジアラビアでは、コーランが憲法です。


114の章で成り立っています。

神(アッラー)が唯一である事、神がどのようなものか、神が信者に対して望まれていることは何か?等が書かれています。


イスラム教徒が信じている事、行っている事というのは、次の、六信五行です。


④教えの特徴は?  


6つの信じる事、5つの行う事、がコーランには書かれています。その度合いは違えど、世界で18億人が信じています。


6つの信じる事

1. アッラー (神は唯一の存在)

2.天使 (人間と神の中間的存在)

3.経典 (コーランを信じる)

4.預言者 (ムハンマドのこと)

5.来世(死語の世界を信じる)

6.天命(すべては神の意志で決まる)


というものです。


5の行うべき事

1.信仰告白

2.礼拝 (1日5回、メッカな方向に礼拝)

3.喜捨 (寄付のようなもの)

4.断食 (ラマダンに行う)

5.巡礼(聖地メッカへの巡礼、一生に1回)


アルコールが飲まない、豚肉は食べない、なども、ここに書かれています。


食べない理由は、神様がダメと言うから、と言う事だと思いますが、国によったり、人によって、それを守る度合いは異なります。



⑤ユダヤ教、キリスト教との繋がり


天使などと聞くと、キリスト教徒っぽさを感じらかも知れませんが、ユダヤ教と、キリスト教とは親戚のようなものです。


コーランにも、アダムとイブの物語、イエス、モーセなども出てきます。


イスラム教においては、ユダヤ教の旧約聖書、キリスト教の新約聖書も「聖典」と位置付けられています。


ユダヤ教、キリスト教、イスラム教を併せてアブラハムの宗教と言ったりします。(イスラエルの記事を参照)


同じ存在を信じていて、ただ、呼び方が違うだけです。

神様の言葉を授かったのが、ユダヤ教はモーセ、キリスト教はイエスキリスト、イスラム教はムハンマド、ということになります。


⑥イスラム教の聖地は?

メッカ、メディーナ、エルサレム


元々、イスラム教以前にアラブの人たちが信仰していたのは多神教でした。


ムハンマドは、その時代に生まれ、お金持ちのお嫁さんをもらい、行商で大儲けします。


そして、瞑想中に神様の言葉を貰います。


神の前では皆平等、神の言葉に忠実であれば、死後天国に行けると信じています。



「イスラム」とは、「神に全て委ねる」という意味だそうです。

その信者ムスリムは、「神に全てを委ねる人」だそう。



そして、聖地の話ですが、礼拝の時に皆、サウジアラビアにあるカーバ神殿に向けて礼拝します。

元々は多神教の偶像が祀られていました。


その他で、コーランの教えを説いたムハンマドでしたが、初めは受け入れられず、メディナに移ります。

その移動のことをヒジュラ(聖遷)といい、これを元年とする大陰暦があります。


メディナで信者を増やし、最終的にメッカを占領。全ての偶像を壊し、カーバ神殿を正殿としました。


数年前に行った、イスラエル🇮🇱のエルサレムにある岩のドームは、ムハンマドが岩から昇天したと言われているその岩を守る形で存在し、第3の聖地とされています。


⑥どのように広まったか?

→海上交易を通じて広まった。


イスラム教の広がり

アラビア半島のイスラム教徒は、7世紀ごろから貿易相手を求めて東に向かいながら、その教えを広めていきました。


16世紀になると、インドではイスラム王朝ムガール帝国ができました。


インドで行った、あのタージマハルも左右対称のイスラム建築です。

アメリカでもイスラム教徒は増えており、移民や改宗する黒人が居たりします。


僕が好きなマルコムXなんかも、改宗した1人です。


「右手にコーラン、左手に剣」と言う言葉がありますが、実際には改宗を強制したわけではないようです。



⑦シーア派とスンニ派


イスラム教徒派シーア派とスンナ派に分かれています。


ムハンマドの死後、その後継者についての考え方の違いです。


イスラム教指導者のことをカリフと言います。


簡単に言うと、

・ムハンマドの血を引くものにすべき!

(後継者にシーア派)と

・それより慣習(スンナ)が大事!

(後継者にスンナ派)

ということで、覚えやすいです。


イスラム教徒の85%はスンナ派と言われています。


スンナ派代表選手はサウジアラビアやカタール。

シーア派代表選手はイラン、シリアのアサド政権などです。


第2項 アラブの春

アラブの春とは、2010年、チュニジアから始まった、民主化運動のことです。


チュニジア人の青年が警官に売り物を没収され、返してももらえず抗議のために焼身自殺した事件がきっかけです。


イスラム教徒にとって、焼身自殺は天国に行けなくなってしまいます。


その「決意の抗議」をSNSや衛星放送局アルジャジーラで広がりました。


チュニジアでは、代表する花の名前をつけ「ジャスミン革命」といいます。


その波はエジプトにも広がり、3-40年続いたムバラク政権を打倒しました。

僕が泊まっていたホテルの近く、タハリール広場なんかで大きなデモがあったわけです。


その後、モルシ大統領は自由選挙で当選します。


モルシ大統領は「ムスリム同胞団」という、イスラムの教えを重視する組織の活動家でした。


ただ、その後失政が続き、軍事クーデター(かどうかは意見分かれる)により、アラブの春以前のような体勢に逆戻りしています。


結構、アラブの春で民主化に向け成功しているのはチュニジアだけと言われています。


独裁政権と聞くと、怖いイメージがあるかも知れませんが、急に民主化されても、それを生かす基盤がなければ、国の運営が急にできる様にはなりません。


政府組織と、反政府組織、結局は勝った方が正義なんでしょう。



独裁政権がいいのか、民主主義が本当にいいのか。みなさんは、どう思いますか?


⑧シリア内戦


アラブの春で、最悪の結果になったのは、シリア内戦です。


シリアは国民の80%ほどがスンニ派ですが、アサド政権はシーア派(アラウィ派)です。


アサド政権側をロシアや、シーア派のイランが支援し、反体制派のスンニ派をスンニ派国家のサウジアラビア、そしてアメリカが支援しています。


以前はそこにISISも混じり、横から入り武器を奪ったり等々、泥沼化しました。


ごちゃっとしてしまうので、、割愛します。


おわりに

こんな具合で、どんどん話が広がってしまいますが、少しでも中東やアフリカ、イスラム教についての知識が増えたなら幸いです。


とりあえず、いい人が多いし、(細かいいざこざは置いといて)、ちゃんと揉めている理由や経緯が分かれば、理解も深まらと思います。


そして、自分自身の考え方を持つことです。


参考文献載せておきます。

至らぬ点も多いですが、この辺で。

今夜から次の国に行きます!

お楽しみに。


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