今年も一年本当に有り難う御座いました。
おかげさまで御薗治療院も25年目を迎えることができました。
常識では考えにくい治療とよく言われますが、体を自然な状態に戻していくだけであって特殊なことは何一つ行っていません。
ただ痛みを取ったり体を楽にすることだけを目標にするのではなく、体と心をつなぐ治療法になってきたと思います。
来年は、専門家の勉強会にも、もっともっと力を入れていきたいと思っています。
専門家が一番悩むのは、この症状をどんな方法でよくしていくかということです。
しかし、方法論は常に変化します。
もっともっと基本的なことがわかれば、方法論は勝手に導き出されます。
それがいかに重要なことなのかをもっと沢山の人に知ってもらいたいと思っています。
そのことを理解せず治療をしている治療家がいかに多いのかが勉強会をしていてよくわかります。
再度、東洋医学の経絡を見直し、経絡の走行を確認していく作業を今年から行っていきたいと思っています。
古典に書かれているような現象を再現するためには、やはりその基礎である経絡や穴の存在を明らかにすることが必要です。
それがわからないのに何故前にすすめるのか?
古典という書物に書いてあることに何故安直に確信が持てるのか?
安易に正しいとは私にはどうしても思えません。
やっぱり自分で納得しないと書いてある一つ一つの事柄が本当だとは思えない。
それを科学的手法によって解明していきたいと思っています。
科学的手法というのは、考え方や行動のしかたが、論理的、実証的で、系統立っているさまです。
大事なのは実証的で系統立っていることです。
論理があって実証があり、実証から論理が導き出されます。
そのどちらもが欠けてはいけない。
しかし、殆どの治療家は基礎になっている経絡を解明しないで論理から実証だけを導き出そうとしています。
ここが大きな間違いや勘違いを引き起こす原因となっていると私は感じています。
だからいつまでたっても古典を超えられない。
基礎的な研究なので少し時間はかかると思いますが、経絡と関節の動きや筋肉の働き、そしてそれらがどのようにして内臓と関わっているか?
これは 永遠のテーマです。
これをあきらかにすることができれば、様々なフィードバックがあります。
そして東洋医学をやっていると胸をはって言えるようになるかなと思います。
私は古典を読んでそれを追試しただけでは、どうしても納得がいきません。
それでは単なる物真似です。
今目の前にいる患者さんは経絡や穴が、どのように変化して今の症状を引き起こしているのか?
これを瞬間瞬間で明確にしていく必要があります。
大事なことは瞬間、瞬間です。
それを読みとる力がないのにどうして本に書いてある穴を刺激することができるのか?
病態によって経絡がどのように変化するか?
経絡と動きがどのように関係し、情動とどう対応しているのか?
一般的に言われるような正経だけではなく、経別や経筋を含んだ経絡はどうなっているのか?
これらの現象を明確にしていく努力をこれからしていきたいと思っています。
鍼灸学校に通いはじめてから36年、そのことばかり考え続けてきましたが、なかなかそれに着手できなかったなと思っています。
しかし、それに着手できる条件が揃い、本格的に次のステップにすすめるなと確信しています。
30年以上かかりました。
本当に遅いスタートですが、確実に行えると今は確信しています。
病態によって明らかに経絡は変化しています。
しかしそれを誰も明確にしないまま治療を行っているのは私にとっては本当に不本位です。
これを来年の大きな目標にしていきたいと思っています。
今後とも御薗治療院を宜しくお願い致します。