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Ai AF Nikkor 28mm F2.8s〈New〉

2022.09.21 13:31

このAi AF ニッコール 28mm F2.8s〈New〉はFマウントがAF化された最初期の頃のレンズである。発売当時に新品購入したものであるが、未だに完調を保っている。

Ai AF ニッコールの 28mm F2.8は次の3種類ある(発売順)。

 ① Ai AF ニッコール 28mm F2.8s → ピントリングがプラスチックで不評であった

 ② Ai AF ニッコール 28mm F2.8s〈New〉 → ピントリングがゴム巻きになり、最小絞りロックの方法がスライド式になった

 ③ Ai AF ニッコール 28mm F2.8D → レンズ構成が6群6枚に変更され、距離エンコーダが内蔵された

今回取り上げるのは②である。

レンズ名に”〈New〉”とついているのは珍しいが、それ以前の①と区別するためにつけられている。①と②の差は外装のみであり、レンズや性能に変更はないはずである。


このレンズは特徴がはっきりしている。

まず、とてもヌケがよく高コントラストである。曇天でもクッキリと写る反面、晴天ではどぎつく感じることもある。

次に、絞り開放から極めてシャープである。ただし中心部とその周辺までのことである。像面湾曲が大きいことから、画面の中央と周辺とではピントの位置が異なり、同時にはピントが合わない。これは絞り込んでも解消しない。

近距離の被写体を想定して設計されている印象を受ける。近距離の被写体はシャープに写るが、中距離(5m程度)以上の被写体は絞り込んでもシャープには写らない。


Ai AF ニッコール 28mm F2.8s〈New〉の良い点を挙げると次のとおり。

・ ヌケがよく、高コントラスト。

・ 色乗りもよい。

・ 絞り開放から、画面中心部とその周辺において高い解像度がある。

・ 軽量、コンパクト。


留意点は次のとおり。

・ 像面湾曲が大きく、平面的な被写体、遠景には向かない。

・ 周辺画質はよくない。画面周辺に主題を置くような構図は薦められない。


このレンズは、ボディキャップ代わりに付けっぱなしにできる便利なレンズ。

人物撮影など、モチーフが明確な場合で、画面中心を使って(日の丸構図)あるいはその周辺を使って撮影するのに向いている。また、28mm のレンズとしてはパンケーキ並みに小型軽量なので、スナップ写真に向いている。

遠景には向いていない。 



【スペック】

レンズ構成: 5群5枚

最小絞り: 22

最短撮影距離: 0.3m

フィルターサイズ: 52mm

最大径×全長: 64.5mm×39mm(48.5mm)

重量: 195g

フード: HN-2

希望小売価格(税別): ¥31000 ※1991.7.1時点


作例1 焦点距離28mm、絞りf2.8

作例2 焦点距離28mm、絞りf8

作例3 焦点距離28mm、絞りf2.8