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AI Zoom Nikkor 28-85mm F3.5-4.5S

2022.09.21 13:18

マクロモード時

このレンズはニコンFマウントのマニュアルフォーカスのレンズとして、最後までラインナップされていたレンズの一つである。マニュアルフォーカスの標準ズームとしては最新設計であり、一つの到達点といえる。

同じ光学系のままAF化され、同一スペックでAi AF ニッコールとしても併売された。 


AI Zoom Nikkor 28~85mm F3.5~4.5Sの良い点を挙げると次のとおり。

・ 画面の均一性がよい。像面湾曲を感じない。

・ 画面全体にわたり解像度が高い。

・ 当時のズームとしては、絞り開放から解像感があり、精細な画が得られる。(絞り開放でフレアによる解像度やコントラストの低下は若干あるが、少ない方である。)

・ レンズの精度、仕上げがよく、ズームやピントリングが滑らか。

・ 全焦点域でマクロモードが使え、マクロの操作リングを回転させながらピント合わせができる。(ただし28mm 域が最もマクロ効果がある。)

・ 前後ボケが自然でつながりがよい。


このレンズの若干の留意点は次のとおり。

・ 最短撮影距離が長い。マクロ機能を使わないと対応できない場合も多い。

・ ズームリングが細いので、慣れないと素早く操作できない。

・ 絞り環の径が飾り環よりも小さいので、慣れないと操作しにくい。


このレンズは、画面全体にわたり均一で安定的な描写をする。たとえばAFNikkor 28mm F 2.8Dよりも四隅の描写は優れている。

合焦部分の前後における収差が少なく、同じ絞りであっても、他のレンズに比べるとボケがなだらかで被写界深度が深く感じる。歪曲収差はやや大きめである。

歪曲収差の影響を感じにくい被写体、精細な描写を必要とする被写体、例えば自然風景などに向いている。



【スペック】

レンズ構成: 11群15枚

最小絞り: 22

最短撮影距離: 0.8m(0.23m 28mmマクロ時)

フィルターサイズ: 62mm

最大径×全長: 67mm×89mm

重量: 510g

フード: HK-16

希望小売価格(税別): ¥82000 ※終売時点


メーカーのサイト

https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/ai_zoom_nikkor_28-85mm_f35-45s/



作例1 焦点距離28mm、絞りf8

作例2 焦点距離28mm、絞りf8

作例3 焦点距離28mm、絞りf3.5

作例4 焦点距離85mm、絞りf4.5