Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

じゅて~む

じゅて~む エッセイ編 第100夜

2022.05.08 04:25












【あらすじ】



N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。



そして、達太の外見は、39「歳にして徳川家康公にそっくりであった・・・。



-----------------------------------------------





じゅて~む





あっさりと第100夜を迎えてしまったようだね。





人間でいうところの100歳だ。



俺の体内年齢は、運動不足と暴飲暴食が祟り、80歳だ。



100歳は、猫でいうところの、21歳だ。21年生きた猫は100歳だ。





だが、土日や祝日や日曜に、好き放題エッセイ更新していたせいもあり、



意外と、このエッセイ、じゅて~むは誕生から2年未満だ。赤子も同然。



第100夜だからといって華々しくする必要はない。





一年が365日もあることを忘れてはならない。



一か月は30日や31日もある。



つまり。



3か月強、会社に行かず、家でゴロゴロと出前をとってエッセイを書いておれば、あっちゅう間に100話だ。





第100夜。



そう考えると、大したことないな。



むしろ会社を3か月サボったようなもんだ。





だが、一応、100物語に免じて怖い話でもしておこうか。





俺は達太、39歳の会社員であり、エッセイスト。



似ている有名人は、高木ブー。ジャムおじさん。長谷川京子。



怖いだろう。





俺は出前も好きだが、食券を買うのも好きだ。



出前も食券も、取り返しが効かなくて好きだ。





女と食事を共にするとき。



「ねえ、こんなに注文して大丈夫?



 あたしたち2人で食べきれる?」



という問いかけには、なるべく答えたくない。面倒臭い。



メニュがあり、女がおり、ボイがいる。そういった状況では、俺もつい、



「だね。こんなに注文しては食いきれないかもしれないね。会話もしなくてはだしね、僕らの未来について。」



「君、麻婆豆腐と回鍋肉と、水餃子と炒飯のみで結構だ。」



「餃子はいつキャンセルしたね?



 4人前から2人前に変更、



 それだけだよ。餃子は要る。」



と、食事を妥協する羽目になる。





だが。出前と食券の場合。



スマートに勝手に出前をとって、食券をどんどん発券できる。



女やボイが口を出す暇など、無い。



出前は注文を入れた時点で、作り手が動き出してしまう。



走り出してしまう。



女が俺の注文しすぎに気付くのは、出前がぞくぞくと俺達の目の前に届いてからだ。





食券は5000円札を発券機に入れて、どんどん好きなボタンを押す。



まるで子供のように。



気に入ったなら同じボタンを繰り返し押してもいい。



カツ丼、カツ丼、カツ丼、



他、8枚ほどの券を、俺は発券。



中には「大盛50円」としか書かれていない券もある。



8枚をトランプのごとく扇形にして、提出先へ急ぐ。



8枚出してしまった。女は俺を止められない。出てしまった食券。ボイなど不在。





ところで食券について。「発券する」と正しく言える大人は少ない。





だが。



俺は、発券した食券8枚のうち、1枚を落っことしてしまう。



池袋―。



俺は、美しく聡明な女に出くわす。



女の両脇には、キュートな青年と、精悍な青年。おそらく笑いに精通している。だが構うものか。



俺は、女に投げキッスを試みる。



だが手には8枚の食券。



俺は手元が狂い、8枚のうち1枚を、キッスの代わりに女に投げ贈ってしまう。



だが女はうわの空。



食券をキャッチする気配もない。



空が、薔薇が、池が、美しいため。





そして結果、食券は、行方不明。





俺は血眼になって食券を探す。



だが。



他7枚の食券メニューが出来上がったら話は別だ。



血眼になって食券を探すのは諦め、7つの料理と向き合おう。



俺は勇敢な気持ちに取り憑かれ、首に巻いていたスカーフを、投げ捨てる。





スカーフを投げ捨てたことで、探すものが増える。



食券とスカーフだ。





そこへ、



「何かお探しですか?



 一緒にお探し致しましょうか。」



一人のロングヘアの美女が現れる。



俺は、つい。



「いいのですか。貴方のようにショートヘアの似合う女性が、こんな俺の落とし物を、一緒に・・・?」





女の長い髪が、風になびく。



これのどこがショートヘアですか、と俺に無言の問いかけを、圧力を、かけてきながら、風になびく。





絵日記のようなエッセイを、これからも。





じゅて~む